小説むすび | 著者 : 田村義進

著者 : 田村義進

ハ長調のキャリアハ長調のキャリア

大恐慌のニューヨークで仕事が入らない土建業者・レナード。上流階級出身で美しく、我儘な妻・ドリスの言いなりの彼は、オペラ歌手志望のドリスを手助けするうち、ひょんなことからレナード自身の歌手としての才能を見出される。 彼の隠れた才能を発見する人気歌手のセシルは、レナードを愛し、レナードはセシルに導かれてバリトン歌手の道を歩み始め、評判を得るが…… ベストセラーの名作『郵便配達は二度ベルを鳴らす』の著者による、二度映画化された小説が待望の初邦訳。 『ラ・ボエーム』『リゴレット』など、数々のオペラにのせて、軽妙な筆致のなかに欲望と愛憎が渦巻く、異形の冒険譚。 「デビュー作から遺作まで、ケインは一貫してファム・ファタールに翻弄される人間の物語を書いてきた。そして『ハ長調のキャリア』ではその同じ構図が笑いを呼ぶ。だが僕は、この作品でケインがセルフ・パロディを書いたとは思わない。ケインは知っているのである。そもそも「ファム・ファタールに翻弄される人間の物語」というものが、本来的に喜劇を内包しているということを」(藤谷治 本書解説)

謀略監獄謀略監獄

犯罪のサポートと情報の売買。それがカーラの仕事だった。だが今回持ち込まれた依頼は危険きわまりないー“プログラム”への潜入の手配である。頻発する刑務所の暴動に手を焼いたイギリス政府が導入した矯正施設、“プログラム”。ゴーストタウンとなった住宅街を接収、二重の壁で囲み、そこで受刑者たちによる「自治」が行なわれている。依頼人は元狙撃兵の殺し屋ジョハンセン。カーラの手配でジョハンセンは施設に潜入するが…。依頼の背景を調べはじめたカーラは、次々に不可解で不穏な事実にぶちあたる。かつて彼女とジョハンセンが関わったギャングの抗争。元MI5の老スパイの死、謎の失踪を遂げた女性医師。警察、MI5、犯罪者たち…この一件の裏側で何か秘められた謀略が動いている。そして“プログラム”の中では、ジョハンセンに怨みを抱く大物ギャングが待ち受けていた…。ジョン・ル・カレばりの陰謀の迷宮。スタイリッシュなクライム・ノワールの語り口。最高にクールな女性ヒーローと巧妙なプロットでイギリス出版界を揺るがせた新人のデビュー作。

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