著者 : 白先勇
バナナボ-トバナナボ-ト
さまざまな虚構が重層的に広がる台湾-その混沌とした現実を見据え、現実もまたひとつの仮象にすぎぬという醒めた認識に立ちながら、甘美な幻影の中国と現実の台湾の狭間に生きる人びとの生の実質を生活者と同じ目の高さで描き切る待望の短篇集。
最後の貴族最後の貴族
中国の著名な将軍を父に、桂林で生まれた白先勇は、戦火を逃れ重慶、上海、南京と移り住み、戦後は香港から台湾へ、さらに米国へと居を移した漂泊の作家だ。収録した4篇も、桂林、台北、ニューヨークと舞台を異にし、愛に傷つき、異郷で孤独な死を迎える悲劇の人生を耽美的に描く。本書は、中国映画の大ヒット作『芙蓉鎮』の謝普監督が再び世に贈る感動作『最後の貴族』の原作である。
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