著者 : 白水廉
魔王との激闘で一人生き残った剣士ベンゼルは、パーティーの仲間が命を犠牲にして救ったこの世界がどうなったのか確かめようと旅に出た。かつて生き別れた駿馬と再会し、亡き親友の妹を旅の仲間に迎え、ベンゼルは世界のすべてを見届けるため馬車を駆る。たまにトラブルもあるけれど、行く手にはきっと心優しき人々と愛おしい世界が待っている! 亡き仲間の夢を背負う剣士と、彼のために強くなろうと健気に頑張る少女の、驚きと喜びの旅の物語。 プロローグ/目覚め/謁見/駿馬シュライザー/孤独/新たな旅の仲間/御者台での会話/剣の稽古/別れの挨拶/ベンゼルの過去/鼻歌と思い出の味/依頼仲介所/路銀稼ぎ/リディーの素質/出航/船上での一幕/リディー、初めての戦闘/花の種/少女の依頼/口論/二等魔術教本/ゼティアとの出会い/ルキウスとゼティアの恋愛事情/ゼティアの墓参り/ハートのペンダント/一人目の戦士/芸術の国の異変/激闘/激闘を終えて/領主ログスター/フィリンナとの出会い/ミートパイ/盗賊/アイスケーキ/フィリンナの墓参り
無事公式イベントの解説を務め上げたジーク。その影響もあってか彼のチュートリアルツアーはさらに人気になっていき、チュートリアルおじさんとして充実したVRMMOライフを送っていた。けれども現実の勇は未だにアラサーフリーターのまま。ゲームの世界が楽しくなればなるほど勇は将来の見えない今の生活への不安を募らせていく。だがそんなある日再びゲームの運営から連絡が入った。そこには「チュートリアルおじさんを正式にスカウトしたい」と書かれていて……!?
バーテンダーの雫は、ある日突然店ごと異世界に飛ばされた。すぐには元の世界に戻れないと知った雫は、生活のためバーを始めることに。すると店には訳ありの住人が次々とやってきてーー。力不足に悩む冒険者の少女、親友と喧嘩し荒ぶる男、田舎を捨てた獣人の娘、亡き夫の言葉を確かめにきた婦人……雫はそんな住人たちを自慢のお酒で癒していく。 プロローグ 〜とあるショットバーのありふれた風景〜/新天地/営業に向けて/営業開始/別の道で/報われた瞬間/素晴らしい仕事/バーテンダーとして/変わった注文/消えない愛/決断の時/エピローグ
35歳フリーター多井田勇の唯一の生きがいはVRMMO。しかし最近はVRMMOにもリア充が蔓延り、ぼっちの彼はゲーム内ですら居場所を無くしてしまう。そんな勇が目を付けたのは新作タイトルのβテストだった。先にゲームをやり込み、正式稼働後にリア充初心者プレイヤーを狩って鬱憤を晴らそうと考えたのだ。そうして正式稼働初日にまんまと初心者プレイヤーを誘い出した勇だったが、あまりにもゲームのことを知らない彼に調子が狂い、逆に手取り足取りアドバイスしてしまう。そんなことを繰り返しているうち、勇はいつの間にか「チュートリアルおじさん」として皆から慕われるようになってしまいーー!?