著者 : 真咲理央
家なき客室係に婚約宣言したのは、 クリスマス嫌いの訳あり億万長者ーー ホテルの客室係イーヴィーは、クリスマスだというのに働いていた。 仕事で降格され、家賃を払えず家まで追い出されて困っているのだ。 一流ホテルの最上階スイートルームを整えていると、 今夜は空きのその部屋に泊まっていいと上司に言われ、 彼女は豪華な調度を汚さぬよう服を脱いで眠りについた。 明け方、なぜか甘い唇の感触で目が覚めーーその刹那、 フラッシュが光った! パパラッチが逃げていく。 ふと見ると、ベッドの隣にはホテルのオーナー、リオがいる。 イーヴィーが慌てて体にシーツを巻くと、冷徹なイタリアの大富豪は、 これは罠だと憤り、突然宣言した! 「僕は君との婚約を発表する」 聖なる季節に読みたい名作シンデレラ・ストーリーをお届けします。訳あってクリスマスまで品行方正に過ごさなければならない身のホテル王リオは、客室係との親密な写真を逆手にとって、偽りの婚約を宣言! でもイーヴィーの胸にはいつしか偽らざる恋心が……。
貧しい看護師カロラインはオランダを旅行中に大怪我をし、近くの大 きな屋敷に運びこまれた。屋敷の主は男爵の称号を持つ医師、ラディ ンク。手当てこそ丁寧だが愛想はまるでなく、世捨て人さながらの生 活をしていた。彼の悲しい過去を知り、胸を痛めるカロラインは、突 然ラディンクに「僕と結婚してくれないか」と告げられて、仰天する。
パーティでシャンパンを飲みすぎて前後不覚に陥った21歳のリリー。翌朝目覚めると、なんと見知らぬベッドの上にいた!バスルームでシャワーを浴びているのは、昨夜知り合った、精悍な顔だちをした年上男性パトリックだ。ああ、なんてことを!リリーは恥ずかしさから別れも告げず、あわてて自宅に逃げ帰った。そこで、はからずもパトリックの素性を知ることになる。彼は、リリーの父が経営する会社の取引銀行の頭取だった。あいにく父の会社は今、財政問題を抱えていて、彼に弱みを握られていた。その夜、彼女の家にパトリックが現れ、脅しまがいの驚くべき提案をした。「僕と結婚するんだ。さもないと、お父さんの会社は…」
この胸の愛と同じくらい、愛してほしい。 魅惑のシンデレラ・ブライズ・アンソロジー! 真実の愛を夢みる花嫁たちがヒロインの物語を集めた、シンデレラ・ブライド・アンソロジー! 美しくも傲慢な年上富豪と若きヒロインの恋の火花を描いて人気のD・パーマーのほか、リージェンシーの旗手E・ロールズ、情熱的かつ洗練された作風のM・リーをご堪能あれ。
長い金髪を額でわけて腰まで垂らし、透き通るように白い肌。 19世紀の絵画から抜けだしてきたような花屋のソーニャは、 30歳以上も年上の富豪に見初められて、婚約間近だった。 ところが晩餐会で見た、富豪の甥デイヴィッドに胸がざわつく。 男らしい彫りの深い美貌が眩しく、心惹かれたのだ。 だが身を落としているとはいえ、ソーニャは滅びた貴族の末裔で、 誰にも言えないような、忌まわしい過去の呪縛に囚われている。 しかも、デイヴィッドには財産目当ての女と嫌われていて……。 私の愛は叶わぬ夢と、未練を断ち切るように彼女は目を伏せた。
ジュリーは仕事の依頼を受け、ローマの地に降り立った。ここは8年前、想いを残したまま別れた恋人リコ・フォルツァの故郷。あの、めくるめくような幸せな日々を忘れたことはない。彼との唯一の絆であるかわいい息子、ゲイリーがいるから。貧しかったジュリーは、大富豪であるリコの祖父に脅され、別れの手紙だけを置いて彼の前から姿を消したのだった。その祖父亡き今、愛しいリコと再会することもあるかもしれない……はかない望みはしかし、予想だにしないかたちで叶えられた。ジュリーを雇ったのは、ほかならぬリコ本人だったのだ!彼はまるで別