著者 : 睦月ムンク
悪役令嬢が主人公として活躍する乙女ゲームのスピンオフ作品の世界に転生したアレクシスは、いわゆるモブキャラとして第一王子セドリックの護衛となる。来たるべき第一王子の「ざまぁ」展開に恐々とするが、物語開始前に突如、セドリックは婚約解消と王位継承権を放棄し、辺境への引きこもりを宣言する。登場するはずのピンク髪のヒロインも見当たらず、完全にストーリーから外れてしまったことに戸惑うアレクシス。 だが、毒で弱るセドリックを”ギフト”と呼ばれる力で癒やしたことを皮きりに、セドリックからアプローチされ!?
王国を守る生贄の「人形姫」として育てられた王女コーデリアは、幼い頃失明して以来、専属朗読師の青年レイヴェルを心の支えに生きてきた。しかし生贄の儀式も間近のある日、レイヴェルの魔術によって国が滅ぼされてしまったと知る。優しい彼が何故……? 絶望するコーデリアに“女神”が救いの手を差し伸べた。視力を与えられ、一年前に戻った彼女は、レイヴェルが起こす災厄を必ず防ぐと決意する。たとえ彼を殺してでも。悲劇の運命を書き換えるためにーー!
彼がいる限り、幸せに生きる権利なんて、自分にはないのだーー。 「あの日」以来、「視える」ようになった和仁が見つけた居場所とは…? 大学進学のため、札幌で一人暮らしを始めた和仁。 新歓コンパで行ったカラオケ店のトイレには、生首が転がっていた。 「お客様、もしかして、視えてます?」話しかけてきたのは店長の花宮。 彼は和仁に、ここで働かないかと勧誘する。 この店は、この世にとどまっている霊を集めて、 あの世に送り出す“実験場"のようなものらしい。 生者のエネルギーに満ちているカラオケのバカ騒ぎが、霊を「成仏」させるとかなんとか…。 花宮ももちろん「視える」人間なのだが、 常に和仁の傍にいる土色の男の霊については詮索してこない。 割高の時給ということもあり、 和仁は、このカラオケ店「あまや」でバイトすることにしたのだがーー。
新米陰陽師と美形あやかしの迷コンビ誕生! 「来たれ。そして、我に仕えよ!」 ときは平安、華やかなりし京の都のそこかしこーー夜の闇やよどみには、目に見えない物の怪たちが跋扈していた。さて、まだ幼い顔をした陰陽寮の新米役人・大江春実の夢は、いつか一人前の陰陽師になることだ。しかしまだまだ未熟ゆえ、うかつに召喚したあやかしに、圧倒的な能力差で敗北し、食事がわりに自らの寿命を提供することになってしまった。 「式神がほしかっただけで、自分が物の怪の保存食になりたかったわけじゃない……」 嘆く春実に、美形のあやかし・雪羽はせせら笑う。 「悔しかったらあたしに勝てばいい。寿命が残っているうちにな」 かくしてここに新米陰陽師と、飄々とした式神もどきという世にも奇妙な凸凹コンビが誕生した。 春実は同僚の頼尚とともに、左大臣の邸・万華院へと向かう。そこでは夜な夜な青白い謎の人影が徘徊し、ついには使用人の男が頓死したのだという。春実らはこの問題を解消するため、陰陽寮から派遣されたのだった。 果たして春実は、豪邸で起きる怪事件を解けるのか?
楽器販売店をクビになり、仙台を訪れた惠理は「あやしバイオリン工房」と書かれた看板を見つける。そこには男性店主のほかに、名器ストラディヴァリウスの精が棲んでいて!? 2017年ノベル大賞佳作受賞作。