著者 : 石井遊佳
ティータイムティータイム
【注意】本作はまったく優雅ではありません。 まず思いつかない、ぶっ飛んだ設定の奇想文学の集合体です。 「摩訶不思議なる読書旅。その果てに待つのはさらなる絶望、それとも大解放?」 ーー万城目学(作家) ※本作を読まれる皆様へ 本作はデビュー作『百年泥』で芥川賞を受賞した著者による短編集です。 作中に、やたら大人びた兄妹や、インドから脱出できない日本人や、 電車の網ダナの上で生活する女性や、恐ろしいサンタクロースが登場します。 この奇妙さに一度吸い込まれてみましょう。 ……ちゃんと戻ってきて下さいね。 なぜか笑えて、どこか怖い。 奇妙奇天烈な小説を4篇収録。 【著者略歴】 石井遊佳 (いしい・ゆうか) 1963年大阪府枚方市生まれ、埼玉県在住。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。2017年「百年泥」で第49回新潮新人賞を受賞しデビュー。翌年、同作で第158回芥川龍之介賞を受賞。これまでの著書に『百年泥』『象牛』がある。
象牛象牛
象にも牛にも似たそれは、人をからかうのが大好きでーー人生の岸辺を描く小説集。自分を弄んだ男性教師を追ってたどり着いたインド・ガンジス河岸の聖地。傷心の女子大生は、ここでも「象牛」なる謎の存在に翻弄される。果たして彼女はこの懊悩から解脱できるのかーー表題作の他、大阪「比攞カ駄」を流れる淀川河岸を舞台に、恋に似た短く激しい熱情を描く「星曝し」を収める、芥川賞受賞後初の作品集。
百年泥百年泥
橋の下に逆巻く川の流れの泥から百年の記憶が蘇る! かつて綴られなかった手紙、眺められなかった風景、聴かれなかった歌。話されなかったことば、濡れなかった雨、ふれられなかった唇が、百年泥だ。流れゆくのはーーあったかもしれない人生、群れみだれる人びと……
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