著者 : 砂村かいり
コーヒーは苦くて甘い。人生も苦くて甘い。悩みにとらわれた人々の転機にコーヒーが立ち会う。それぞれが選択した未来はーー。ある日、ルームメイトの実果が出ていった。入れ違いに現れた彼女の婚約者と、なぜか同居することになりーー(「コーヒーの囚人」)。真面目が取り柄の地味な会社員が、上司との不倫におぼれた先で出した答えとはーー(「隣のシーツは白い」)ほか、日常の先に潜む、どこか不思議な5つの物語
恋愛感情はない。手を繋いだこともない。世界で一番気の合う、大切な友人と結婚しているーー男女の新しい在り方を鮮やかに描いた長編小説! 夫婦としてつつましく暮らしている31歳の奈穂と尊。元同級生で、記念日も忘れずに祝い合う仲の良いふたりだが、性交渉はもとより、恋愛感情も存在しない。友人関係だったふたりは、経済面や体裁面でのメリットから婚姻関係を結ぶことを決めたのだった。 恋愛感情に振り回されない、淡々とした暮らしに満足していた奈穂と尊だが、少しずつ二人の関係に綻びが生じてーー。
「どうしていつも、ごく普通の友達でいられないんだろう」 高校二年生の寿美子には、れいちゃんという幼なじみの友人がいる。 同じ高校に進学し通学を共にしているふたりだが、 過去に複雑な事情を持つれいちゃんは、可憐な容姿とは裏腹に、他人の容姿を貶めたり、陰口を撒き散らすことでコミュニケーションをとる少女だった。 そんな態度に違和感を覚え始める寿美子だが、やがて彼女の吐く毒は自分自身にも及んでいるのではないかと思い至りーー。 互いを傷つけ合いながらも一緒にいる、思春期の複雑な友人関係。 業界注目の新鋭・砂村かいりが贈る、 一言では片づけられない少女同士の関係性に切り込んだ青春小説。 ■著者プロフィール 砂村かいり(すなむら・かいり) 2020年、第5回カクヨムWeb小説コンテスト恋愛部門“特別賞”を『炭酸水と犬』『アパートたまゆら』で二作同時受賞し、翌年デビュー。最新作に『黒蝶貝のピアス』(東京創元社)がある。
わかり合えなくても支え合おう。 全然違うわたしたちだから。 かつてアイドルだった上司。 あの日、彼女から受け取った“大切なもの”が、 わたしたちを再会させたーー 年齢、立場、生まれ育った環境・・・・・・ 全てを越えた先の物語。 社会人生活に疲労や疑問を感じ転職活動をする環は、小さなデザイン事務所の求人に惹かれるものがあり応募する。面接当日、そこにいた社長は、かつて憧れた地元のアイドルユニットで一番輝いていた、あの人だったーー。アイドルを辞め会社を興した久里子と、アイドル時代の彼女に憧れて芸能界を夢見ていた環は、互いに距離を探りながら、それぞれの過去やコンプレックスを見つめ直してゆく。年齢や立場を越えた先にある”絆”を描く、魂を揺さぶる物語。
第5回カクヨムWeb小説コンテスト〈恋愛部門〉特別賞受賞作! 心のままに、軽やかに。自由に生きたいと思う、すべての人へ。 9年付き合っている同棲中の恋人とは、結婚秒読みのはずだった。 「もうひとり、彼女ができたんだ」 恋人の突然の告白。そして、もうひとりの彼女に引き合わされ、わたしの感情はばらばらになってゆくがーー。 WEBで話題。心をえぐる、新世代の等身大ラブストーリー!
潔癖症の会社員・紗子は、飲み会帰りにアパートの鍵を店に忘れてきてしまう。困り果てていると、居合わせた隣人の琴引さんが一晩泊めてくれることに。これを機に彼との交流がはじまり、恋心が芽生えていくが……?