著者 : 砂村かいり
恋愛感情はない。手を繋いだこともない。世界で一番気の合う、大切な友人と結婚しているーー男女の新しい在り方を鮮やかに描いた長編小説! 夫婦としてつつましく暮らしている31歳の奈穂と尊。元同級生で、記念日も忘れずに祝い合う仲の良いふたりだが、性交渉はもとより、恋愛感情も存在しない。友人関係だったふたりは、経済面や体裁面でのメリットから婚姻関係を結ぶことを決めたのだった。 恋愛感情に振り回されない、淡々とした暮らしに満足していた奈穂と尊だが、少しずつ二人の関係に綻びが生じてーー。
高校二年生の寿美子には、れいちゃんという幼なじみの友人がいる。同じ高校に進学し通学を共にしているふたりだが、過去に複雑な事情を持つれいちゃんは、可憐な容姿とは裏腹に、他人の容姿を貶めたり、陰口を撒き散らすことで他人とコミュニケーションをとる少女だった。そんな態度に違和感を覚え始める寿美子だが、やがて彼女の吐く毒は自分自身にも及んでいるのではないかと思い至りー。互いを傷つけ合いながらも一緒にいる、思春期の複雑な友人関係。業界注目の新鋭・砂村かいりが贈る、一言では片づけられない、少女同士の関係性に切り込んだ青春小説。
前職で人間関係につまずき、25歳を目前に再び就職活動をしていた環は、小さなデザイン会社の求人に惹かれるものがあり応募する。面接当日、そこにいた社長は、子どもの頃に見た地元のアイドルユニットで一番輝いていた、あの人だったー。アイドルをやめ会社を起こした菜里子と、アイドル時代の彼女に憧れて芸能界を夢見ていた環。ふたりは不器用に、けれど真摯に向き合いながら、互いの過去やそれぞれを支えてくれる人々との関係性も見つめ直してゆく。年齢、立場、生まれ育った環境ー全てを越えた先の物語。
9年付き合っている同棲中の恋人とは、結婚秒読みのはずだった。「もうひとり、彼女ができたんだ」恋人の突然の告白。そして、もうひとりの彼女に引き合わされ、わたしの感情はばらばらになってゆくがー。第5回カクヨムWeb小説コンテスト恋愛部門“特別賞”受賞!心をえぐる、新世代の等身大ラブストーリー!
友人との飲み会帰り、アパートの鍵を店に忘れてしまった会社員の紗子。終電も逃し行くあてもなく困り果てていると、居合わせた隣人・琴引さんがまさかの提案。「よかったら、うち泊めますけど」。潔癖症で身持ちも堅い性格ゆえ、普段なら断るところだが彼にはなぜか嫌悪感を抱かない。これを機に隣人との交流がはじまり、だんだんと彼への恋心が芽生えていくが…?第5回カクヨムWeb小説コンテスト恋愛部門“特別賞”受賞!