著者 : 福井晴敏
ーそう遠くない未来。東アジア海域における領土争いは激化、日本近海でも軍事衝突の危機が高まりつつあった。日本最南端の波留間群島沖では、国籍不明の武装集団が海上保安庁の巡視船に発砲し、乗組員を拘束、領土の一部を占拠した。未曾有の緊張が高まる中、政府は航空機搭載型護衛艦『いぶき』を旗艦とした第5護衛隊群を派遣する。戦うか、護るかー敵潜水艦のミサイル攻撃に対し、艦長・秋津竜太と副長・新波歳也の決断は?この国の未来を左右する運命の二十四時間。かわぐちかいじの同名コミックを原作とした映画「空母いぶき」を完全ノベライズ!
資本という魔物に食い尽くされつつある世界を救うには。呪われた遺産『M資金』の継承者たる自分がなすべきことは。求道者のごとく問い続けながら世界を彷徨していた笹倉暢人は、流れ着いたアジア辺境の小国でついにその答えと出会った。自分がしたことの真の意味を知った真舟の前に立ちはだかるものは?映画では語られなかった真実の幕が開く。文庫書下ろし映画原作小説。
ついに『ラプラスの箱』の最終座標が示された。行く手に立ち塞がるネオ・ジオンの大艦隊と、すべての抹消を目論む地球連邦政府。一縷の可能性に賭けて、バナージは“ユニコーンガンダム”を駆り約束の地を目指す。その仮面に人類史の諦念を宿し、バナージの前に立ちはだかるシャアの再来=フル・フロンタルの正体とは?いま、最後の戦いの幕が上がるー。混迷する現代社会を照射する“大人のためのガンダム”、衝撃の最終章。
連邦政府首都ダカールでの死闘の末、バナージの前に立ちはだかった新たな敵。それは“ユニコーン”と酷似した“黒いガンダム”だった。『ラプラスの箱』をめぐる争いが沸点を迎える中、それぞれの思いに従って戦場を駆ける男たち、女たち。彼らの眼前で二機のガンダムが激突した時、未知の強大なエネルギーが膨れ上がり、世界の界面を揺らすかのように空を覆ったー。いよいよその真価を露にするSF巨編、クライマックス第7弾。
重力の井戸ーそれは、宇宙に棄てられた民が母なる地球を指して言う言葉。敵対するネオ・ジオンとともに地球に落ちたバナージは、過酷な砂漠越えの中で自然と対立し続けてきた人間の業を体感する。一方、ネオ・ジオンと共闘するイスラム系反政府組織は、連邦政府首都への襲撃を計画。白人社会への積年の怨讐が巨大殺戮マシーンの暴走を呼び、街は炎の海と化す。宗教、格差社会…混迷する現代を映し出すSF巨編、第6弾。
突如として起こった大地震。新宿で震災に直面した平凡なサラリーマン・西谷久太郎は、家族に会いたいが一心で大混乱に陥った首都を横断する。生きていれば必ず道は見つかる。次から次へと襲いかかる災厄を乗り越え、ついに自宅にたどり着いた西谷が手にしたものはー。実用情報も満載したシミュレーション小説。
宇宙と地球の狭間に建設された首相官邸「ラプラス」。西暦を捨て、宇宙世紀に足を踏み入れた人類を祝福する場となるはずだったそこは、反動分子の爆破テロによって無残に破壊された。それから百年、「ラプラス」の残骸に秘められた「禁忌の力」をめぐり、赤い彗星シャアの再来が、伝説のマシーン「ガンダム」が翔ぶ。人は、宇宙にまで持ち越された己が原罪を贖うことができるのかー。文壇の気鋭が放つSF巨編、緊迫の第5弾。
資源衛星“パラオ”。そこは反政府組織ネオ・ジオンの拠点であると同時に、宇宙移民政策の歪みが生み出した「虐げられた民」の生活の場でもあった。それまで敵としか捉えられなかった人々と心を通わせ、少しずつ現実を見る目を養ってゆくバナージ。だが『ラプラスの箱』の奪還を目論む連邦政府は、“パラオ”に無謀とも言える攻略戦を仕掛けつつありー。SF文学の新たな可能性、慟哭の第4弾。
世界を覆す力を秘める『ラプラスの箱』を巡り、地球連邦軍と反政府組織ネオ・ジオンは交戦状態に突入した。『箱』の秘密を内包する巨人兵器“ユニコーン”を父から託されたバナージは、収容先の戦艦内でさまざまな思惑に翻弄される。そこに急襲をかける「赤い彗星シャア」の再来、フル・フロンタル。再び“ユニコーン”に乗り込んだバナージは、伝説のマシーン“ガンダム”の力を呼び覚ますことができるか。圧倒的スケールのSFスペクタル、第3弾。
人類が、増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって一世紀。工業用スペースコロニーに住む平凡な少年バナージ・リンクスは、オードリー・バーンと名乗る謎の少女を助けたことから『ラプラスの箱』を巡る事件に巻き込まれてゆく。開放されれば地球連邦政府が転覆すると言われる『箱』の正体とはー。『亡国のイージス』『終戦のローレライ』の筆者が、かつて機動戦士ガンダムに胸躍らせた大人たちに贈る壮大なるサーガ。
宇宙移民者と地球連邦政府の戦争が終結し、束の間の平穏の中にあった地球圏。世界を覆す力を秘める『ラプラスの箱』の開放を巡り、軍産複合体と反政府組織が企てた策謀が新たな戦乱を引き起こしてゆく。謎の少女オードリーを追って戦火の中を走るバナージは、幼き日に別れた父と、純白の巨人兵器“ユニコーン”に出会うー。環境問題、格差社会、行き詰まった資本主義が招来する“あり得る未来”を舞台に、人の革新のドラマが白熱する。
64年の時を越えてアメリカから届けられた一枚の楽譜「真夏のオリオン」。過酷な時代の秘められたドラマがいま甦る。第二次世界大戦末期。米軍の本土上陸を防ぐため出撃した潜水艦イー77号の若き艦長・倉本孝行。それを追いつめる駆逐艦パーシバルのスチュワート艦長。甚大な損傷を受けたイー77号に残された酸素はあと1時間。「俺たちは死ぬために戦ってるんじゃない。生きるために戦ってるんだ」。倉本と乗組員の知力の限りを尽くした作戦が開始された。『終戦のローレライ』『亡国のイージス』の福井晴敏が4年ぶりにおくるエンターテインメント映画を完全ノベライズ。
都心でネット財閥「アクトグループ」を標的とした連続爆弾テロ事件が発生した。公安の並河警部補は、防衛庁から出向した丹原三曹と調査に乗り出すが…。『亡国のイージス』『終戦のローレライ』など、読者を圧倒し続ける壮大な作品で知られる著者が、現代の東京を舞台に史上最大級のスケールで描く力作長篇。
並河警部補は、捜査を進めるうちに丹原三曹とテロの実行犯、「ローズダスト」のリーダー入江一功との間にある深い因縁を知る。並河とのふれあいに戸惑いながらも、過去の贖罪のために入江との戦いに没入してゆく丹原。だが日本に変革を促そうとする真の敵は、二人の想像を絶するところで動き出していた。今、日本が戦場と化す。
かつて防衛庁の非公開組織に所属していた丹原朋希と入江一功。二人の胸には常に、救えなかった一人の少女の言葉があった。同じ希望を共有しながら、宿命に分かたれた二人。戦場と化した東京・臨海副都心を舞台に、この国の未来を問う壮絶な祭儀が幕を開けた。前代未聞の思索スペクタル、驚愕の完結篇。