著者 : 福田和代
地図にない本屋と聞いて、カノさんの本屋だと思った。ときどきしか行けない、その日しか存在しない本屋を作りたいと言っていたのだ。ショップカードの番地は「1-7-水曜日」、間違いない(「水曜日になれば(よくある話)」)。ほか、沖縄の古書店で自分と同姓同名の記述を見つけた女性、宇宙船に一冊だけ残された貴重な地球の紙の本を持つ少年などを描く、人気作家たちが紡ぐ様々な「本をめぐる物語」。本から広がる不思議な世界8編。
201×年、ごく近い未来の日本ー。突然感染爆発が始まった新型ウイルス『バベル』。猛威に対抗すべく日本政府は「長城」を建設、感染者と非感染者を隔離する政策をとったがー。福田和代が放つ、本格バイオクライシスノベル。
ウインドシア六本木ー建築技術の粋を集め、最新のセキュリティと防災システムを備えた地上50階、地下5階の超高層ビル。まるでひとつの街のようなこの巨大ビルが何者らかに乗っ取られた!犯人たちは、最上階に住むビル会社の社長を人質にとり、ビル全体を封鎖する。脱出なるか、救出は可能か。犯人グループと閉じ込められた人々の運命が交錯する、迫真のクライシス・ノヴェル。
明日夜24時、日本の主要都市にミサイルを撃ち込むー。官邸に送りつけられた犯行予告動画。猶予は30時間。緊迫が高まるなか、航空自衛隊岐阜基地から、XASM-3ミサイル4発を搭載した戦闘機F-2が盗まれた。府中基地、ミサイル防衛に携わる航空自衛官・安濃将文は戦慄した。かつての上司が一連のテロに関わっているのか?日本を、家族を、自分たちの手で守れるか?決死の攻防に、一人の自衛官が立ち向かう!
2014年、防衛省に“サイバー防衛隊”が設置された。ネットワークを介したあらゆるテロに対処する、官民の精鋭を集めた組織だ。通称サイバー・コマンドー。民間からは若き天才ハッカーの明神海斗と、米セキュリティ企業出身の出原しのぶが参加したー海斗たちが悪辣ロシア人ハッカーの捜査を進めていた時だった。全国で通信障害が多発し、もの作り日本を支える各地の工場では原因不明の稼働率低下が発覚した。海斗は真相解明のため、急遽、浜松の自動車工場へ向かうが、駅のホームに降り立った直後、後続の新幹線が突如暴走し大破する。惨劇は鉄道だけではなかった。信号、電話…あらゆるライフラインが海斗の目の前で崩壊していった。サイバー攻撃が始まったのだ。誰が?何の目的で?衝撃のラストに戦慄する超弩級エンターテインメント。
地下鉄の新線開業を間近に控えたある日、保線作業員の的場哲也は、勤務中にトンネルの中で怪しげな人影を見つける。またインターネット上でも、東京の地下に「地底人」が出現するという噂が飛び交っていた。そんな中、的場は母から、弟の洋次が鬼童征夫なる経済学者が主宰する怪しげな勉強会に通っていると相談を受ける。事情を探るために鬼童の講演会に出かけた的場は、そこで意外な人物を見かけるのだが。「東京の地下を支配した」と宣言する、テロリストたちの意外な目的とは何か?複雑怪奇な地下迷宮(ダンジョン)と化した東京の地下を舞台に、クライシス小説の旗手が描く、緊迫のサスペンス。