著者 : 竹西寛子
長城の風長城の風
悠久の大地にも時は刻まれ、人は彼岸へと旅立つ-。その自然の営みが故意に断たれた跡に、人々に残していく傷みを掬い、北京・杭州・西安・吐魯蕃と旅した地での人・遺跡に、廃墟と化した故郷広島を思う。西に向う一筋の道、東に辿った文化。一木一草春秋に、生と死の重さを見つめる。積年の思いを結実させた記念碑的作品。連作長編小説。
反橋・しぐれ・たまゆら反橋・しぐれ・たまゆら
“あなたはどこにおいでなのでしょうか”戦後間もなく発表された「反橋」「しぐれ」「住吉」三部作と、二十余年を隔て、奇しくも同じ問いかけで始まる生前発表最後の作品「隅田川」。「女の手」「再会」「地獄」「たまゆら」他。歌謡・物語、過去、夢、現、自在に往来し、生死の不可思議への恐れと限りない憧憬、存在への哀しみを問い続ける、川端文学を解き明かす重要な鍵“連作”等、十三の短篇集。
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