著者 : 笹山久三
いつも川で漁をするヨータ、ミツオ、ノリ子、ヤスヨたち。その日々を中心に少しづつ変わりゆく村のすがた、親たちの苦悩、別れの悲しみなどを水彩画のように描き出す。川の四季にきざまれる限りなくやさしい魂のふるさと。『四万十川』の作者が十六年ぶりにおくる新たなる名作。
四国・四万十川の大自然の中、貧しくも温かな家族に見守られて育つ少年・篤義。その夏、彼は小猫の生命を救い、同級の女の子をいじめから守るために立ちあがった…。みずみずしい抒情の中に人間の絆を問う感動の名篇。
高校卒業を目前に控えたあつよしに、大自然に抱かれたこころ豊かな暮らしと、そしてまた、大いなる川と別れ、旅立つときが、ついにやって来た…。映画・テレビドラマ化され、圧倒的感動を呼んだ好評のシリーズの第四部。
労働者として闘うあつよしがよりどころとしてきた組合は、もう労働者の味方ではなかった。あつよしは、あらためて故郷の大いなる川に向かう。人間の絆を問いながら、社会への鋭い批判をひそませたシリーズ完結編、『四万十川』文藝賞受賞二十年を記念してついに文庫化。書き下ろしエッセイ「四万十川から二十年」収録。
その時、村は笑っていたのか-’70年代をすぎて、’80年代へ実りの予感と危機への畏れのあいだで家族は時代を見つめ続けた。名作『四万十川』シリーズの作者が女の半生を通じて問う村の運命。
その時、村は耐えていた。高度成長の足音がちかづく裏で、そのひずみもうまれはじめた’60年代初め、それぞれの道を必死にさぐる女たち。名作『四万十川』シリーズの作者が女の半生と村の運命を描く大作、第二部。
「昭和」をひたむきに生きぬいた女の半生を、村と河の移りかわりとともに描く、名作『四万十川』の作者による、感動の大作。満州分村移民の隠された悲劇、その傷痕をのりこえて希望へ歩み出す女たち男たちの戦後。
『四万十川』の作者が、二十余年にわたる郵便局勤務をもとに、誰も書かなかった苛酷な労働現場の実態をえぐり出しつつ、そこからの人間的再生を求めて立ち上がる人人の姿を、爽やかに感動的に描き出し、大きな反響を呼んだ傑作。