著者 : 筒井ともみ
食べる女食べる女
おいしいものを食べているときと、いとしいセックスをしているとき、女は一番幸せになれる。台所で立ったまま生玉子かけごはんをすする自由。深夜のラーメン屋で相席になった男とのラブアフェア。恋人の裏切りを知った後に食べるチーズの官能。逝ってしまった大切な人たちを想いつつ縁先で傾ける日本酒と肴。味覚と心を研ぎ澄まし、人生の酸いも甘いも楽しむ女たちを祝福する、美味なる短編集。
女優女優
人気絶頂のときに突然失踪、同居していた姪の自分も捨てて隠遁生活を送っている女優、叶紅子。シナリオライターの仕事に行き詰まりを感じ、失踪以来会ったことのない紅子を訪れた奈三子は、生まれながらに「女優」である伯母、紅子の壮絶な生き様を見せつけられるー人気脚本家が描いた究極の女優像とは。
食べる女食べる女
ひとはおいしい食事をすると元気になる。いとしいセックスをするとやさしくなれるー。台所で立ったままかきこむ玉子かけご飯、男が作ってくれる新鮮な魚料理、夫を見返すために作るこってりした肉じゃが、祖母お手製のおはぎ、結婚前に父と囲むつくね鍋…。おいしい食べ物の数だけ、おいしい恋がある。清清しいエロスも心地よい、愛する力が湧きだす物語をどうぞ召し上がれ。
月影の市月影の市
人気のない帝都の露地を徘徊する乱歩が出会った美しい謎の女。「生きているかのような押絵を抱いて夜汽車に乗っていた男」…。女の語る奇怪な話に魅かれ、女の素姓を探った乱歩の見たものは-。現実と交差するよう幻影の世界を、映画のように鮮かに描き、誰の心にもひそむ、妖しい願望を照らし出す、大型個性派新人の長篇デビュー作。
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