著者 : 篠田達明
謎に満ちた前半生はいかなるものだったのか。なぜ謀叛を起こし、信長を葬り去ったのか。そして本能寺の変後は……。超豪華作家陣の想像力が炸裂する、傑作歴史小説アンソロジー! 2020年NHK大河ドラマ『麒麟がくる』視聴者必読! 菊池寛「明智光秀」 八切止夫「明智光秀」 新田次郎「明智光秀の母」 岡本綺堂「明智光秀」 滝口康彦「ときは今」 篠田達明「明智光秀の眼鏡」 南條範夫「光秀と二人の友」 柴田錬三郎「本能寺」「明智光秀について」 小林恭二「光秀謀叛」 正宗白鳥「光秀と紹巴」 山田風太郎「明智太閤」 山岡荘八「生きていた光秀」 末國善己「解説」
紫式部と清少納言に囲碁の五番勝負をさせるという発想の妙、宮廷才女の典雅な戦いの背後にうごめくドス黒い政争・欲望、すべてが終わった後で明らかにされる祈りにも似た思い-。奇想天外歴史小説。
木曽川・長良川・揖斐川の合流する伊勢湾河口地帯に、無数に浮かぶ輪中(わじゅう)=水の砦-。阿弥陀仏を信じ、自由を求めるその土地の民百姓を、天下布武のため根絶やしにしようと押し寄せる信長軍-。門徒勢の若き鉄砲組頭を主人公に、5年にわたって信長を押し返し苦しめた長島一揆の壮絶果敢な戦いを、初めて正面から活写した力作長篇。
九州は大分、大友宗麟の足元に、南蛮医アルメイダの建てた聖母の病院。キリシタンに改宗してしまった師と同僚を連れ戻しに来た、若き漢方医・東野左中が見たものは-。驚異の南蛮医術、バテレンと仏門派の宗教争い、そして恋。若き医師の苦闘と成長の物語。
馬の改良に情熱を燃やす対馬藩の若き馬医・猪方方正は、朝鮮の〈馬上才〉一行に随行して江戸に向うが、藩の存亡をかけた争いの渦に巻きこまれていく…。江戸時代初期に起きた〈国書改竄事件〉の顛末を描く異色の話題作!
浮世絵の祖は、菱川師宣といわれている。しかし、近年の研究によれば、岩佐又兵衛こそ桃山期の風俗画と江戸期の浮世絵の橋わたし役をはたした可能性がきわめて高いとかんがえられるようになった。いや、浮世絵そのものの元祖かもしれぬのだ。又兵衛は信長に反逆した武将荒木村重の遺子である。母は京の六条河原で信長に磔にされたが、又兵衛はあやうく難をのがれ、本願寺教団にかくまわれて絵師として成長する。のちに越前北ノ庄の藩主松平忠直に招かれ、ここに定住して数々の傑作を生む。