著者 : 紀和鏡
遠州灘を見下ろす古い瀟洒な別荘。わけありの三人が偶然顔を合わせた。父が自殺、母は癌で死亡、十五歳で中絶手術した自殺願望の紗耶。養家の家族五人に睡眠薬を飲ませ、火をつけてきた加奈子。母の情人を殺害してきた星野。互いの傷をかばいあった三人は、二年後の同じ日に、同じ場所で再会することを約束する。…複雑にからみあった人間の感情をスリリングに描く、著者会心の書下し長篇小説。
日米政府による、人を、国を自在にコントロールできる霊石〈月のしずく〉を使っての陰謀。対するは日本を守るべく立ち上った闇に生きる旧き種族。蜂起の合図は〈55〉の数字だ。-高校生の惨殺死体が〈55〉の血文字と共に発見されたとき、緊張は一気に高まった。現代の語り部・紀和鏡、渾身の伝奇ミステリー。
ニューナチズムの国際的地下組織は、武器にエイズ・ウィルスを使用して、アジア人抹殺の大陰謀を企てた。まずソウルオリンピックをエイズ汚染による、悪魔の祭典にしようと、作戦「ヌバ」が発動された…。敢然と戦う日本先住民の地下組織「巫女集団」や「地下爆弾」グループ。アジアを舞台に繰り広げる、近未来ミステリー小説。
199X年夏。世界は滅びに向かって突進していた。連続爆破犯Xと呼ばれる白河光樹は、権力側にアジトを襲われて高野山近くの谷間の郷里に逃げ帰る。一方、幼い頃から真言密教の修行を積んだ玄龍は、里見真司を捜して高野山に現れる。その頃リビアの砂漠地帯に新しい聖地が登場した。そこにいる盲目の日本人は何者か。人類に救いはあるのか。高野山の謎とは?そして超古代石板は何を語るか?長篇伝奇ロマン。
ホワイトハウスの一室でアメリカ大統領ハマーの死体が発見された。中近東ではゲリラの指導者が次々と暗殺され、アフリカの小国では独裁者が変死をとげた。東シナ海ではソ連とアメリカの原子力潜水艦が一触即発の状態にあった。また人々の意識は平和派と過激派の二つに分かれ始めていた。事態を重く見たCIAは極秘に調査を進め、これらの異常現象の元凶が、日本の吉野山中の秘境で栽培されているソーマと呼ばれる薬草であることをつきとめた。一方、ソーマの里、吉野の秘境では、共にソーマの栽培者である殺戮と破壊を至上命令とする一族の長伊津瀬と超能力を持つ有尾人土グモ族の幼児照輝のすさまじい戦いが続いていた!著者快心の伝奇ロマン登場。