著者 : 紅玉いづき
巨人の侵攻をも感じぬ壁の最奥、ウォール・シーナの中で安穏と暮らす貴族たち。そこで育った憲兵団大将の末娘、ロザリー・デュマルクは壁の向こうに思いを馳せていた。彼女は父の制止を振り切り、巨人との戦いの最前線、トロスト区駐屯兵団へと入団する。そこで彼女を待ち構えていたのは、ヴェールマン隊長が指揮する堕落した駐屯兵団と、駐屯兵団最強にして、孤高の兵士ジャックスによる理不尽なまでのしごき、そして雪の日にのみ現れ兵士を屠る、伝説の奇行種ゴブラーの襲撃だった。苦難を乗り越え、自らの居場所を手に入れつつあるロザリーだったが、彼女の前に、人類を絶望の淵へとたたき込む超大型巨人が再び姿を現す…!アメリカで産まれた『進撃の巨人』のあの日の物語が、海を渡り日本に凱旋!
とある地方都市でSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。九人の参加者は別れ際に、今後も創作を続け、十年後に再会する約束を交わした。しかし当日集まったのは五人で、残りが自殺などの不審死を遂げていた。生きることと詩作の両立に悩む僕は、彼らの死にまつわる謎を探り始める。創作に取り憑かれた人々の生きた軌跡を辿り、孤独な探偵が見た光景とは?
時は大正。巷に流行る新薬あり。万病に効くとされるその薬の名はー「箱薬」。新米新聞記者の英田紺は、箱娘と呼ばれる少女・うららと調査に乗り出す。一方、病に冒された伯爵の館には怪人・カシオペイヤから予告状が届く!館では陰惨な殺人事件も発生し、現場に居合わせた紺は、禁秘の箱を開き「秘密」を暴く怪人の正体を知ることに。怪人が狙う帝京に隠された謎とは!?
新米新聞記者の英田紺のもとに届いた一通の手紙。それは旧家の蔵で見つかった呪いの箱を始末してほしい、という依頼だった。呪いの解明のため紺が訪れた、神楽坂にある箱屋敷と呼ばれる館で、うららという名の美しくも不思議な少女は、そっと囁いたー。「うちに開けぬ箱もありませんし、閉じれぬ箱も、ありませぬ」謎と秘密と、語れぬ大切な思いが詰まった箱は、今、開かれる。
とある地方都市で、「将来的に、詩を書いて生きていきたい人」が参加条件のSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。互いの詩の合評を行い、現代詩について存分に語り合った九人の参加者は、別れ際に約束を交わした。「詩を書いて生きる志をもって、それぞれが創作に励み、十年後に詩人として再会しよう」と。しかし約束の日、集まったのは五人。ほぼ半数が自殺などの不審死を遂げていた。なぜ彼らは死ななければならなかったのか。細々と創作を続けながらも、詩を書いて生きていくことに疑問を抱き始めていた僕は、彼らの死にまつわる事情を探り始めるが…。生きることと詩作の両立に悩む孤独な探偵が、創作に取り憑かれた人々の生きた軌跡を辿り、見た光景とは?気鋭の著者が描く初のミステリ長編。
首都を襲った天災から長い時が過ぎた。震災復興の名目で湾岸地域へ誘致された大規模なカジノ特区には、客寄せに作られた少女サーカス団がある。そこで古き文学者の名を戴き、花形の演目を任されるのは、曲芸学校をトップで卒業した精鋭のみ。ところがある日、8代目サン=テグジュペリこと片岡涙海が練習中に空中ブランコから落下。身代わりで舞台に立ったのは、天才の姉とは姿だけがそっくりの、双子の妹・愛涙で…。