著者 : 紗倉まな
ごっこごっこ
注目作家が“ままならない恋愛”を描く、三つの物語。「ごっこ」…六つ年下の恋人の浮世離れした逃避行に付き合って、あてのないドライブを続けるわたし。逃亡資金がそろそろ底をついてきた。「見知らぬ人」…友人の結婚式に集う客たちの中に、夫の不倫相手が混じっているのではないか。あの女を探す那月が出会ったのはー。「はこのなか」…田舎町の中学で出会った奔放な女友達タクボに思いを寄せる戸川。今の願いは、結婚したタクボの隣室に住むこと。
春、死なん春、死なん
「春、死なん」妻を亡くして6年の70歳の富雄。理想的なはずの二世帯住宅での暮らしは孤独で、何かを埋めるようにひとり自室で自慰行為を繰り返す日々。そんな折、学生時代に一度だけ関係を持った女性と再会し…。「ははばなれ」母と夫と共に、早くに亡くなった父の墓参りに向かったコヨミ。専業主婦で子供もまだなく、何事にも一歩踏み出せない。久しぶりに実家に立ち寄ると、そこには母の恋人だという不審な男が…。人は恋い、性に焦がれるーいくら年を重ねても。揺れ惑う心と体を赤裸々に、愛をこめて描く鮮烈な小説集。
最低。最低。
AV出演歴のある母親を憎む少女、あやこ。家族に黙って活動を続ける人気AV女優、彩乃。愛する男とともに上京したススキノの女、桃子。夫のAVを見て出演を決意した専業主婦、美穂ー。4人の女優を巡る連作短編小説。現役人気AV女優、紗倉まなの小説デビュー作。
凹凸凹凸
結婚13年目で待望の娘・栞が生まれた一家に、ある異変が起きていた。“あの日”を境に夫と決別した絹子は、娘を守ろうと母親としての自分を貫こうとする。しかし、24歳になった栞は“ある日”の出来事に縛られ続け、恋人の智嗣に父親の姿を重ねている自分に気付く…。家族であり、女同士でもある母と娘、二代にわたる性と愛の物語。
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