著者 : 紺野ぶるま
特等席とトマトと満月と特等席とトマトと満月と
20代なかばのムシナは“芸人としては”美人でスタイルも悪くない。そのことと、実家暮らしなことがコンプレックスでもある。恋愛は邪魔だとわかっていても、男性に求められると応えてしまう。結婚も出産もしたいけど、売れるまではできないと思っている。先輩たちは解散して結婚したり、B級タレントに転身したり。かと思うと、見た目にインパクトのある後輩に、サクッと抜かれてしまう。賞レースやテレビに出たりするようになって、底辺からは脱出したような気がするけれど、引退して赤ちゃんを抱く先輩のことは、素直に祝福できない…。「どっちつかず」な女芸人の、もどかしくも愛おしい日々。
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