著者 : 若林真
テレーズ・デスケルウテレーズ・デスケルウ
自分の夫の毒殺を計ったテレーズは、家の体面を重んじる夫の偽証により免訴になった が、家族によって幽閉生活を強いられる。絶対的な孤独のなかで内なる深淵を凝視するテレーズは、全ての読者に内在する真の人間の姿そのものなのだろうかー─遠藤周作がノーベル賞作家フランソワ・モーリアックと一心同体となって、昂揚した日本語に移しかえたフランス文学の不朽の名作。
白い人・黄色い人白い人・黄色い人
第二次世界大戦中のドイツ占領下のリヨンで、友人の神学生をナチの拷問にゆだねるサディスティックな青年に託して、西洋思想の原罪的宿命、善と悪の対立を追求した「白い人」(芥川賞)、汎神論的風土に生きる日本人にとっての、キリスト教の神の意味を問う「黄色い人」の他、「アデンまで」「学生」を収めた遠藤文学の全てのモチーフを包含する初期作品集。
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