著者 : 荒木あかね
あの「悪夢」から抜け出るためには、一度、世界を壊さなければいけなかった。2020年8月4日。島原湾に浮かぶ孤島、徒島にある海上コテージに集まった8人の男女。その一人、樋藤清嗣は自分以外の客を全員殺すつもりでいた。先輩の無念を晴らすためー。しかし、計画を実行する間際になってその殺意は鈍り始める。「本当にこいつらは殺されるほどひどいやつらなのか?」樋藤が逡巡していると滞在初日の夜、参加者の一人が舌を切り取られた死体となって発見された。樋藤が衝撃を受けていると、たてつづけに第二第三の殺人が起きてしまう。しかも、殺されるのは決まって、「前の殺人の第一発見者」で「舌を切り取られ」ていた。そして、この惨劇は「もう一つの事件」の序章に過ぎなかったー。
2022年ミステリランキング席巻中 「王様のブランチ」「ひるおび」「日曜日の初耳学」で紹介されて続々重版! 第68回江戸川乱歩賞受賞作。 史上最年少、選考委員満場一致。 「大新人時代」の超本命! 本格ミステリーの骨法もよく心得ているーー綾辻行人 特A、もしくはA+、もしくはAA--月村了衛 二人の女性のバディ感が最高に楽しいーー柴田よしき 極限状況で生きてゆくひとが、愛しくなるーー新井素子 非日常を日常に落とし込む、その手捌きは実に秀逸であるーー京極夏彦 ー滅びゆく世界に残された、彼女の歪んだ正義と私の希望 正義の消えた街で、悪意の暴走が始まったー 小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺しにされた女性の死体を発見する。教官で元刑事のイサガワとともに、地球最後の謎解きを始めるーー。