著者 : 荒木あかね
ちぎれた鎖と光の切れ端ちぎれた鎖と光の切れ端
あの「悪夢」から抜け出るためには、一度、世界を壊さなければいけなかった。2020年8月4日。島原湾に浮かぶ孤島、徒島にある海上コテージに集まった8人の男女。その一人、樋藤清嗣は自分以外の客を全員殺すつもりでいた。先輩の無念を晴らすためー。しかし、計画を実行する間際になってその殺意は鈍り始める。「本当にこいつらは殺されるほどひどいやつらなのか?」樋藤が逡巡していると滞在初日の夜、参加者の一人が舌を切り取られた死体となって発見された。樋藤が衝撃を受けていると、たてつづけに第二第三の殺人が起きてしまう。しかも、殺されるのは決まって、「前の殺人の第一発見者」で「舌を切り取られ」ていた。そして、この惨劇は「もう一つの事件」の序章に過ぎなかったー。
此の世の果ての殺人此の世の果ての殺人
小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺しにされた女性の死体を発見する。教官で元刑事のイサガワとともに、地球最後の謎解きを始めるー。第68回江戸川乱歩賞受賞作!
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