著者 : 荷見明子
夫を亡くして独りで暮らすマティルド、63歳。殺し屋である。戦中は冷血の闘士として知られ、戦後は凄腕の殺し屋として仕事を請けてきた。だが彼女には認知症が少しずつ忍び寄りつつあった。それに気づいたのは、彼女に殺しを依頼している戦中からの同志アンリ。マティルドの殺しが必要以上に過激になっていたのだ。一方マティルドの中では、かつて抱いていたアンリへの恋心が甦り、暴走は加速してゆく!最悪の事態が雪ダルマ式にふくれあがる!マティルドを愛していたアンリは、そして事件を追う真面目な刑事ヴァシリエフは、彼女を止められるのか?現実の人生では理不尽なことが次々起こるのに、なぜ小説家は手加減しなければならない?と言い放つ鬼才ルメートル。その最後のミステリーは、アタマからラストまで、ひたすら加速する「最悪と意地悪のスパイラル」。その果てに待つラストのサプライズは、笑ってしまいそうに衝撃的で電撃的で残酷で、まるで私たちの運命のようなのだ。
ザックがまだ五歳のころ、刑事だった母が何者かに殺害された。心に深い傷を負ったザックは誓う。刑事になって、いつか母を殺した犯人を捕えると…二十七歳になったザックは腕利き刑事となり、ストックホルム警察の特捜班に抜擢された。だが、難事件を追う日々の裏で、彼の苦悩は続いていた。そんなある夜、タイ人の売春婦が四人、自分たちの住む部屋で無残にも射殺される。それは稀に見る残忍な事件の発端に過ぎなかった。
戦慄の四重殺人。さらにそれに続く事件の残忍な手口に、百戦錬磨の特捜班の面々も言葉を失う。売春をめぐる犯罪組織の抗争か、人種差別主義者の暴走か、あるいは単独のシリアルキラーが跋扈しているのか?浮上しては消える手がかりと容疑者。事件を追うザックたちの焦燥は日ごとに深まるが…若き刑事の苦悩と成長を通し移民、差別、薬物などスウェーデン社会の闇を雄大なスケールで描きだす新シリーズ、ここに開幕!
歴史小説『かくも献身的な王妃』がベストセラーとなった後、パリに引っ越してきたジョゼフィーヌ(ジョー)と娘たち。しかし、ジョーを待っていたのは一筋縄ではいかないことばかり。姉のイリスは入院し、母には責められる。娘たちもどことなく冷たい。そこに事件が起きた。夜道でナイフを持った何者かに襲われたのだーフランスでシリーズ累計400万部を突破した人気作、急展開の第二弾が登場。