著者 : 莫言
遅咲きの男遅咲きの男
携帯が何十台もわたしを狙うなか、やむなく立ち上がって、みんなに手を振ってみせた。誰かが言うのが聞こえた。「見ろ。気取っておるわいー」農民はネットの世界を跋扈し、作家はノーベル賞受賞の狂騒に巻き込まれるー。“世界一美しく、世界一醜悪な故郷”高密県から放たれる人間悲喜劇12篇。ノーベル文学賞受賞後初の短篇集。
豊乳肥臀(上)豊乳肥臀(上)
抗日運動、内戦、中華人民共和国誕生、文革、改革・開放、姦通、駆け落ち、死姦、身売りー激動の現代中国史を背景に繰り広げられる、八歳まで母乳しか受けつけずに育った混血男児・上官金童とその母、そして八人の姉たちの数奇・摩訶不思議な運命模様。
豊乳肥臀(下)豊乳肥臀(下)
わたしの本のどれか一冊だけでわたしの文学の風格をお分かりになりたかったら、『豊乳肥臀』をお読みいただきたいー構想十年、執筆九十日。母の死後、一気呵成に書き上げられた、ノーベル文学賞作家渾身の大傑作。これぞ中国!これぞ文学!
花束を抱く女花束を抱く女
1989年6月4日「血の日曜日」事件以来、事実上、発表禁止とされた莫言は、黙示録的小説「花兵を抱く女」をひっさげて、二年ぶりに文壇復活を遂げた。-地域共同体も血縁共同体も崩壊に瀕している現代中国農村の状況を的確に描き、新しい中国文学の胎動を伝える待望の第2短篇集。
中国の村から中国の村から
解放軍青年将校が村に残した若い妻に抱く性的妄想と、この妻と村の青年との不倫を描く問題作「金髪の赤ちゃん」をはじめとする、“中国のガルシア・マルケス”といわれる莫言の魅力を余すところなく伝える待望の短篇集遂に刊行。
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