著者 : 菅野雪虫
ある王国の小さな村に、高潔な学者が住んでいた。学者には母親のちがう息子が二人おり、兄は賢く弟は美しいことで評判だった。ある時、王国の第二王子が学者を自分の家庭教師にと招いた。王子は聡明で学者は喜んで教えていたが、父王に対する反乱を企んでいるとの疑いが王子にかかり、王子を焚きつけたとして学者も捕えられてしまう。幼くして罪人の子という重い軛を負うことになってしまった兄弟。互いを思いやりながらも別々の道をゆく二人の運命は?家族とは何か、絆とは何かを問う感動のファンタジイ。
半島を形作る三国の平和がついに崩れ去る。ソニンとイウォル王子が暮らす“沙維”は、半島征服をもくろむ強国“巨山”に狙われ、南の楽園“江南”では、第二王子クワンに地位陥落の危機が。争いは続くが、平和を望む王子・王女たちは密かに行動を起こしていた。混乱の中で最終的にソニンが選んだ道はいったい…!?
未曾有の大嵐に見舞われ深刻な被害を受けた“江南”。折しもクワン王子に請われて隣国を訪れていたソニンは、国民の困窮する姿を見て心を痛める。“巨山”はすかさず食料の援助を申し出るも、侵略の布石ともとれる話に警戒するクワン。そんな中、“江南”に向かう“沙維”のイウォル王子が乗る馬に魔の手が迫る。
半島を形づくる三国の均衡は、もろくも崩れ去るーソニンとイウォル王子が暮らす“沙維”では王が倒れ、北の強国“巨山”の王は半島征服を狙い、南の楽園“江南”では、第二王子・クワンの排斥が企てられていた。各国間の緊張が高まるなか、巨山王の一人娘・イェラが、突然“沙維”を訪問する。彼女の狙いとはー?一方、夢見の力を失ったソニンは、裏切り者の巫女・レンヒが遺した手帳を葬るために、かつて暮らした“天山”に向かう。少女ソニンと平和を願う次代の王たちの物語、ついに完結!
三国からなる半島で「楽園」と謳われる“江南”が、ソニンの滞在中に未曾有の大嵐に襲われてしまう。“沙維”ではイウォル王子が被害状況を調査する任を負い、友と慕うクワン王子のいる江南へ向かうことに。一方、かつて江南と交戦した北の大国“巨山”は、無償の救援物資を送り、さらなる支援のために、美しき王女イェラが江南を訪れる。隣国からの申し出は、救いの手なのか、侵略への布石なのか。若き王子と王女の駆け引きの行方は?
長年の修行のかいなく、才能を見限られ天山から里へ帰された、落ちこぼれの巫女ソニン。ある日ソニンは、沙維の王子イウォルが落とした守り袋を拾う。口のきけないイウォルに袋を手渡した瞬間、ソニンはイウォルの“声”を聞いてしまいー。不思議な力をそなえた少女をめぐる、機知と勇気の王宮ファンタジー!日本児童文学者協会新人賞、講談社児童文学新人賞ダブル受賞作品。