著者 : 菊地秀行
さまざまな思惑を抱く客を乗せて、旅客機が“北部辺境区”へ向けて離陸した。だが、安穏の空の旅とはならない。“西部辺境区”で大殺戮を行い罪人として護送中のハイランド公爵の眠る棺が乗っていたのだ。公爵をめぐる貴族たちの毒牙がさらには残虐無比の空賊が、飛行体に乗り合わせたDと乗客に襲いかかる!
徳川三代家光の治世。将軍家剣術指南役である柳生新陰流と小野派一刀流の門弟が次々と斬殺される事件が起こった。柳生但馬守宗矩は息子二人に、辻斬りの正体解明を命じる。兵馬と名乗るその男は、二つの流派を会得した恐るべき遣い手であり、柳生一族の心胆を寒からしめる野望を持っていたー。剣のみに生きる男の凄まじい活躍を描く、新たな剣豪小説の誕生!
“魔界都市“新宿””の申し子にして街一番の人捜し屋・秋せつらは、妻子の命を奪った男への復讐を誓う花森陣馬を捕捉した。依頼人は花森が狙う敵・志賀巻。異形の殺し屋・崖ヶ谷三兄妹を雇い、返り討ちを目論んでいた。だが、花森は死地を脱した上、依頼を果たしたせつらも彼の味方に。焦る志賀巻は“変身屋”の手によって悪霊と融合、あらゆる物質を喰らう“孔”と化した。直後、“変身屋”は後悔で自殺。制御不能の暗黒となった志賀巻は、せつらが操る必殺の妖糸さえ呑み込み、その矛先は街そのものに!?“新宿”に“魔震”以来の激震が走る!
「ここにいる限り、敵は来る」無双の兵法“臥鬼”を操る無名が中山道の霧深き「鬼利里宿」の用心棒となって半年。彼が身を寄せる元用心棒の清源、そしてその娘の小夜など、徐々に宿場の人々と交流が生まれたのも束の間、新たな刺客がやって来た。隠形剣、死眼剣、不動剣、変移剣…謎の剣を揮う最強の敵たち。果たして無名は彼らの剣を凌げるのか?そして敵の目的は?風雲急を告げる、巨匠の本格時代シリーズ第2弾!
夏でも雪と氷河に覆われる“北部辺境区”で、Dは戦闘士バレンから「“神祖”が残した六つの“道標”を辿れ」と告げられた。道標を手に入れると、貴族にならずとも不死になれるという…。それを狙う者、そしてそれを護る貴族たちとの闘いに、Dは自ら身を投じていく。“神祖”の目的は何か?六つの道標の先にあるものとは!?
“人間が泡と化し虚空に消失!?”“新宿”で致死率が一〇〇%近い奇病が発生、生還した例では体内に奇怪な鎧が形成されていた。“魔界医師”メフィストの師で、街を来訪中の魔道士ファウストの関与が疑われる疫禍は、やがて人類誕生時まで遡る宿痾であることが判明する。世界に終止符を打ちかねない感染拡大を恐れる諸外国が注視する中、メフィストはアフリカ・ケマダ共和国の美しき女外相ミランダとともに、災厄の打開を求めて“亀裂”の底へ向かうが…。叡知と美貌の白き医師は、師を超え、地球最古の病を封じられるのか?
“新宿区”の倉庫から、ゴルゴダの丘でイエスを刺した“ロンギヌスの槍”が強奪された。槍の持つ、世界を統べる力を封じられるのは、神を突いたもう一本“無名兵士の槍”のみ。奪還を目指す“区”。一方、美貌の人捜し屋・秋せつらは、槍を追うバチカンの使者・牧ラジアの依頼で、まず「楯」となる、イエスが纏った“聖衣”の捜索を開始。だが、その前にロンギヌスの子孫・フロン一族が現れ、“区”も交えた争奪戦が勃発した!“聖衣”はどこに?二本の槍は誰の手に?神を殺した魔槍は“魔界都市”さえ滅ぼすのか?書下ろし最新刊!
「霧のせいだと思います」依頼人の加奈江は、美貌の人捜し屋秋せつらに告げた。恋人で、将来を嘱望される人工知能開発者の神台省吾が失踪。霧が好きだったという。妖物ら異形の溢れる“魔界都市“新宿””は今、“霧の時”を迎えていた。霧に魅せられてその奥へ消える者、帰還する人々。やがて、神台を執拗に追う“区外”の男たちを、霧の向こうに巣食うものたちが呑み込んだ!前代未聞の霧の侵略から“新宿”を救うべく、せつらはドクター・メフィストを訪ねるがー。(「霧ふかき街」より)超人気シリーズ、最新作!
平安時代、一条天皇の御代。京の都に鬼が出没し、貴族の娘たちが攫われる騒ぎが頻発していた。源頼光から解決の命を受けたのは、剛勇名高い坂田公時だった。公時は、次に攫われるのは藤原為時の娘・紫式部と目星をつける。美貌の才女は、自らが囮となって鬼に対峙するのだがー。公時と酒呑童子、さらに陰陽師・安倍晴明も加わった凄絶な闘いの行方やいかに!!
“区外”のIT財閥二代目月島やしきが魔界都市“新宿”で姿を消した。捜索を依頼された人捜し屋秋せつらの前に、やしきの婚約者で絶世の美女滝王真奈と彼女の本当の婚約者を名乗る森童子識名が現われる。彼らは各々東北で覇を競った名家出身であり、“力”でせつらを排除し、自らやしきを捕まえるというのだが…。古から継がれる血の力と“新宿”の化身との戦いが始まる!
世にも名高き隻眼流ー将軍家指南役・柳生十兵衛三厳は、大僧正天海の依頼を受けて、信州“千吹藩”を訪れた。城下へ入る途次、彼は4名の武士の刃を全身に受けながら、彼らを撃退した女・沙也を目撃する。彼女は千吹藩に巣食う異国の魔性“血鬼”に血を吸われていたのだ。やがて十兵衛は絶世の美女ラミアなる血鬼が藩主・虚久を籠絡し、この藩のみか日本を、否、世界を魔性の支配下におこうと企んでいることを知る。月光の下で甦る死者たち。十兵衛の豪剣もラミアには通じない。彼とともに戦うのは城代家老・早船主水とその一党、主水の娘・多恵、長崎からラミアを追って来たという切支丹・益田四郎のみ。そして、宮本武蔵。だが、この大剣豪はラミアの口づけを受けて血鬼と化し、十兵衛との戦いを挑む。十兵衛も血鬼とした上で。万事窮すと思われたとき、とおに急逝したはずの弟、刑部少輔友矩が救援に駆けつける!風雲急を告げる信州の一藩で、人間・十兵衛の剣は魔性ラミアと血鬼・武蔵を斃せるのか?著者久々の吸血鬼ロマンにして時代小説の本道ーここに成る。
「“新宿”を平和都市にするだわさ、ぶう」傲慢尊大なでぶ、トップ情報屋外谷良子が“区長”に立候補。直後、“魔界医師”メフィストとともに、無断で推薦人にされた人捜し屋秋せつらを機械戦闘員が襲撃した。告示日に始まった戦いには、権力に固執する梶原現“区長”や、幻術師虹垣竜斎ら奇怪な候補者が乱立。悪辣な妨外や実弾が飛び交う中、“姿なき”人形師真郷長臨が本命に浮上する。やがて、せつらとメフィストは、選挙戦の陰で、“新宿”を呑み込まんとする暗淵に気づくが…。“清くなくても一票を”の、ぶうぶう“区長”選の行方は?
“魔界都市”に潜入した三人の男女。モデルの魂を絵に封じる不死の妖画家ドリアン・グレイと彼を追う不死身の美女エリザベス、そして彼女を造った科学者フランケンシュタインであった。百年を超える彼らの凄絶な追跡行に、“新宿”一の人捜し屋秋せつらが巻き込まれた。やがて争乱は、吸血鬼一族の長・夜香、女魔道士トンブ・ヌーレンブルク、“魔界医師”メフィストをも呑み込む。“新宿”の魔人たちが倒れる中、遂に異界への扉が開く。伝説の魔性を迎え、“魔人の中の魔人”せつらの運命は?やがて現出する魔都消失の危機とは?
Dのもとへ、ダンピールの少年を連れた娘がやってくる。少年の父親である貴族の元へ行くので、護衛を依頼されたのだ。しかし、その一方でDは、少年に父親を殺す依頼も受けていたのだった。気のいい戦闘士の男を加えた一行は、野盗や敵の襲来を受けながら目的地を目指す。しかし、その前に現れた少年の父親とは!?ダンピールの少年はDの瞳と背中に何を見るのか!?
“メフィスト病院”の患者財宝八州美が脱走。鉄壁の監視網を破ったのは、彼が創った“永久機関”の力だった。潜伏した財宝は、早速復製を作るが盗難に遭ってしまう。直後、死亡した老人湯間嘉次郎が、孫めぐみの友人が持ち込んだ円筒形機器の力で甦る。この小型メカこそ、消えた“機関”だった。メフィストは不死者が氾濫する事態の収拾に動くが、“機関”が放つ熱量は“新宿”を不安と恐怖に陥れてゆく…。やがて狂乱のメカ争奪戦に米国最強の特務機関が参戦した時、“亀裂”に大鳴動が!?人類が手にした究極の力に“魔界都市”が下す審判とは?長編超伝奇小説。
人捜し屋・秋せつらは、“区外”の芸能プロから、“新宿”のウィアード・プロに引き抜かれた蒼海ユカの捜索を依頼された。凄腕と評判のその事務所は、頂点を極めたタレントが必ず死亡するという謎に満ちた会社だった。所在地さえ掴めないせつらは、自らの美貌を餌に、ウィアードのスカウトと接触を図る。だがそれは、芸能界だけに収まらない大争乱を呼ぶことに。やがて、せつらが操る必殺の妖糸さえも拒む異世界が口を開ける!仁義なき争奪戦の渦中に置かれたせつらの捜索行の行方は?魔界の中の“魔界”を舞台に贈る最新刊!
“貴族祭”の行われるダルマラス村に巨大石棺を無事に届けたことで、Dたちの仕事は終わったはずだった。しかし、石棺の中にいるのがローランジュ公爵夫人だと知った村長が、祭りが終わるまでDに村に残るように依頼する。そして祭りの当日、貴族用の墓所に運び込まれた石棺が騒ぎはじめ、見張りの村人がバタバタと倒れる事態に村長は、Dに助けを求める。しかし、それは公爵夫人がDをおびき出すための罠だったー!?
人間の消失と、その突然の帰還が不思議とされない街“新宿”。吹雪の日、北の若者秋摩が“秋人捜しセンター”に依頼を持ち込んだ。秘密に触れたため某国情報部に追われ、姿を消した恋人夏奈が、“魔界都市写真展”のモデルになっていたというのだ。撮影場所はSMクラブ。美貌の人捜し屋せつらが調査を始めるや、夏奈がときどき消えること、鏡に映らないことも判明した。彼女は実在するのか?凶悪な暗殺組織の魔手が迫る中、北国の恋人たちの行く末は?