著者 : 菊川あすか
彼氏ナシ職ナシのお疲れ女子・衣都。定職につけず、唯一の肉親・祖父には「結婚して安心させてくれ」と言われる日々。ある日、お客様の“ご縁”を結ぶ不思議な喫茶店で、癒し系のイケメン店主・響介に出会う。三十歳までに結婚しないと縁結びの力を失ってしまう彼と、崖っぷちの衣都。気づけば「結婚しませんか⁉」と衣都から逆プロポーズ! 利害の一致で“かりそめ夫婦”になったふたりだが、お客様のご縁を結ぶうち、少しずつ互いを意識するようになって…。
高1のゆめは、中学のときから片想いしている本城先輩に、バスケ部で再会する。 けれど、過去にトラウマがあり、声のコンプレックスのせいで先輩とうまく話せずにいた。 バスケ部の沙月や新田先輩のおかげでやっと仲よくなれた、その矢先。 「また明日」と言ったのに、先輩は学校に来なくなってしまう。 最初はとまどうゆめだったが…!? 恋にひたむきな高校生の甘酸っぱい青春ストーリー。 自分の声が大キライだった。 言いたいことが言えない自分も。 でも先輩に出会って、変われる気がしたんだ。 先輩との距離が少しずつ近くなっていく毎日が、楽しかった。 それなのに……。 どうかお願い。この声が、きみに届きますように……。
平凡な毎日を送る高2の涼太。ある日、密かに想いを寄せる七瀬栞が「思い出忘却症」だと知ってしまう。その病は、治療で命は助かるものの、代償として“一番大切な記憶”を失うというもの。忘れることを恐れる七瀬は、心を閉ざし誰とも打ち解けずにいた。そんな時、七瀬の“守りたい記憶”を知った涼太は、その記憶に勝る“最高の思い出”を作ろうと思いつき……。ふたりが辿り着くラスト、七瀬が失う記憶とはーー。驚きの結末は、感動と優しさに満ち溢れ大号泣!菊川あすか渾身の最新作!
「涙」をテーマに人気作家が書き下ろす、スターツ出版文庫初の短編集。父親の死から数年後、初めて向き合う異母姉弟ふたりの葛藤を描いた『雨あがりのデイジー』(沖田 円・著)、最愛の「彼」から思いがけず届いたラストメッセージで綴られる『君のかけらを拾いあつめて』(汐見夏衛・著)ほか、じっくりと浸れる7編を収録。何度も味わい読み返したくなる物語は、静かに寄り添い、心の奥底へと深く響いていく。そして苦しい日にも、切ない日にも、あなたをそっと、救ってくれるーー。