著者 : 菊村到
ベルリンブルーの夜ベルリンブルーの夜
2年前に家を出奔し、都会の夜に蠢いていた青年利根洋二は、ある日、父がバーのホステスと投宿した熱海の旅館で、客死したことを知った。死因は中高年を突然襲うというポックリ病であった。「あの父が…」死因に疑惑を抱いた洋二は真相を探るべく、さっそく調査を開始した。やがて浮かび上がる、死ぬ直前の父の不審な行動。そして仕掛けられた恐るべき罠に気づく洋二だったが…。大都会の孤独と若者の虚無を描いた傑作長編ハードボイルド!
蛍火祭殺人景色蛍火祭殺人景色
平家落人の里といわれる湯西川温泉郷の宿で、昔懐かしい映画の上映会が開かれた。新進女流講釈師・初柴あやめは、映画に登場した出演女優の奇怪な心中事件に好奇心を燃やすが、その矢先、露天風呂に浮いた同宿の女性編集者の死体!妖しく美しい蛍火祭に誘われて、謎が謎を呼ぶ…。好評書下ろしシリーズ第3弾!
油壺殺人マリーナ油壺殺人マリーナ
日本有数のヨットハーバーを擁する油壺のマンションで、フィリピン女性の全裸死体が発見された。マンショ一人息子のーは建築家の牧原孝。1人息子の浩一と事件の関わりを恐れた牧原はスポーツ店を経営する友人の矢雲準平に調査を依頼した。準平が事件を調べ始めてまもなく、東京湯島のラブホテルで再び全裸殺人が起きた。被害者は城ケ島マリン・ワールドで海の妖精として働く女だった。やがて彼は、二つの事件に関連する糸をたぐり寄せるが…。名手が贈る長編ミステリーの傑作!