著者 : 菊池光
障害騎手キット・フィールディングは、レースで勝ち鞍をあげながらも心の晴れぬ日々を送っていた。馬主のカシリア王女の親類である婚約者ダニエルが、他の男に心を移しそうになっているのだ。その男は王女の甥リツィ王子。身分、財産ともにキットとは雲泥の差、しかも容貌、人柄もすぐれた紳士である。また、キットに恨みを抱く理事アラデックはレースのたびにキットをつけまわし、破滅させるチャンスを狙っていた。そんな時、カシリア王女の夫が会社の共同経営者ナンテールから脅迫を受けるという事件が起きた。王女から助力の依頼を受けて、キットは身を挺してナンテールと闘う決意をするが…。共にレースを勝ち抜いてきた王女の愛馬が殺され、デニエルやリツィの身辺にも危険が及びはじめた!前作『侵入』の主人公キット・フィールディングを再び登場させ、鮮やかなプロットに万人を魅了するレース・シーンを配して贈る、待望の最新作。
連合軍のシチリア島上陸が迫る1943年7月、アイゼンハウアー将軍は、ある秘密作戦を打ち立てた。シチリア島で強大な力を持つマフィアー彼らを味方に引き入れて、同島のドイツ、イタリア軍を骨抜きにしようというのだ。任務を受けたのは、英国特殊作戦執行部のカーター大佐ら5人の男女。その中には、刑務所で服役中のニューヨーク・マフィアの首領ラッキイ・ルチアノがいた。彼らは偽装したユンカース機に乗り、遂にシチリア島への潜入を果たすが…!伝説的なギャング、ルチアノの秘話をもとに、巧みなプロットで描く戦争冒険アクション。
エイプリル・カイルがパトリシア・アトリイの店を去った!ニューヨークへ出て、パトリシアに事情をきいたスペンサーは、エイプリルを連れ戻そうとして失敗する。彼女はジュリアード音楽院の黒人学生ロバート・ランボウに夢中になっていて、スペンサーの言うことをきこうともしない。ランボウの周辺を洗うと彼は何人もの女たちと行き来していた。女たちの一人ジンジャーの話からしても彼がぽん引きであることは間違いなかった。しかし、なすすべもなくスペンサーはボストンへ戻ってしまう。すると売春婦ジンジャー殺さるの報が入り、今度は本当にエイプリルも姿を消してしまった…。エイプリルの行方を追って巨大な悪に立ち向かうスペンサー。『儀式』の続篇。好調シリーズ第13作!