著者 : 葦浦阿紀
王女ゾリ-ナ王女ゾリ-ナ
パルナソスの王女ゾリーナは、父亡きあと、ハンプトン・コート・パレスの一画に母に暮らしている。そんなある日、ビクトリア女王からゾリーナに縁談が言い渡された。60近いリオシア国王と結婚ですって!驚きよりも憤りをおぼえるゾリーナは晩餐の席で二重の衝撃を味わうことになった。使者としてやってきたリオシア国王の子息こそ偶然の出会いから、ゾリーナの胸深く刻みつけられた男性、ルドルフその人だったのだ。
偽りのウェディング・ベル偽りのウェディング・ベル
緑豊かなジョージア。ネッドはウェデイング姿で川面を見つめる女を見て、わが目を疑った。淡い金髪に琥白色の瞳の女、名はジョリー。それ以外はわからない。このままでは一族の集まるディナーに遅れてしまう。しかし、わけありげな女を、このまま置いていくわけにもいくまい。ネッドは花嫁姿の彼女を、父や母の待つわが家へ伴った。ジョージアの名家、フォンテイン家へ…