著者 : 蒼月海里
幻想小説家の戸張尚也は、行き詰まっていた。 新作の売れ行きが芳しくなく、出版社で対策を考えていると、 大人気動画配信者の御子柴ユウから声をかけられる。 彼は配信している心霊スポット検証動画が大人気で、 書籍化の打合せをしていたらしい。 戸張の最新作が気に入ったので、次の動画のロケに 一緒に行かないかと御子柴に誘われ、戸張は迷う。 しかし、動画で新刊を紹介してくれるという言葉につられ、 満月の夜、死者が蘇るという伝説がある無人島 「根ノ島」に行くことになり……。 目次 0、闇に葬られた事件 1、小説家、動画配信者と出会う 2、根ノ島上陸 3、根ノ島の中で 4、発症 5、始祖 終幕
華舞鬼町、最大のピンチ!? ある日、東京都心に怪しい暗雲が立ち込め、世界は闇に呑まれそうになる。那由多とクロ助は密かにケガレを集めてきた虚路と対峙するのだがーー。
鉱物の魅力にはまりつつある中学生の樹。「石精」雫との絆は深まっているが、発見された祖父の日記をめぐり、樹は雫との間に距離を感じるようになり…。金と見紛う黄鉄鉱の輝きと結晶の美しさ。ラピスラズリの星空を閉じ込めたような青の深さ。化石の中身が別の鉱物に置き換わる仮晶の不思議さ。過去から受け継ぎ未来へつなぐ人の想いと鉱物の魅力との協奏曲。他では味わえない世界へようこそ。
神田明神のお膝元である神田の一角に『稲荷書店きつね堂』という小さな書店があった。お店の敷地内には小さな鳥居と、お稲荷さんの祠が祀られており、そのそばでは、対の白狐像がお店の様子を見守っている。店主のお爺さんは白狐像を「ヨモギ」「カシワ」と名付けて可愛がっていた。ある日、お爺さんがヨモギの目の前で倒れてしまう。助けを呼びたいヨモギだが、白狐像である自分では動くことも出来ず、困っていたところにー。待望の新シリーズ開店です。
異能を持つ祖父の形見のカメラは、過去の風景を写し那由多を華舞鬼町へと連れていってくれた。カメラが壊れてからは移動できずにいたが、姉のアドバイスで道祖神を祀る庚申塚から境界を越えることができ、那由多は少しだけ自信を取り戻す。久しぶりに訪ねた、華舞鬼町にある狭間堂の写真館。そこで再会した玉電の化身・玉さんから、那由多は臨港線という廃線の写真を頼まれるのだが。ついにシリーズは、クライマックスへ!
中学生の樹が亡き祖父から受け継いだハート形の水晶。その石精である雫は、樹の心を癒し、鉱物の魅力を伝えてくれた。他の石精も見ることができる樹は、カリスマコレクターの抱える人知れぬ苦悩を知り、骨董屋のおじさんの桜石にまつわる思い出に触れる。そして、翡翠の産地である糸魚川へとー。地球の生んだ芸術品・鉱物の魅力に溢れたセンシティブな物語。著者による鉱物エッセイも収録。
本や人との「縁」で紡がれた不思議な古書店『止まり木』。この店で働く名取司は、自分の小説を出版するため、懸命に執筆を続けていた。そのひたむきな姿に触発され、古書店の店主であり、魔神の亜門は本の出版というものに興味を抱き、ある場所へと向かったー。(「第一話亜門、初めての同人誌即売会」より)。人気キャラクターが織りなす、笑えて、心がほっこり温まる五つのストーリー。幻想古書店シリーズ、ファン待望の番外編、はじまり、はじまり〜!!
「虚路は人から忘れられそうになったら、姿を現す」それは人に忘れられてしまったらその概念は消えてしまうからだ、と狭間堂から説明を受ける那由多。一方、浮世と華舞鬼町では拍子木の怪談と神隠しの事件が増えているという。「火の用心」のような声かけの後、聞こえる拍子木を打つ音。それを聞いた人が消えてしまうという話だ。しかし、那由多の姉・茜が行方不明になってしまう! 境界に閉じ込められたのか?那由多は狭間堂とともに、境界の中にある映画館を探す。そこで虚路の故意により祖父の形見だったカメラを壊してしまう! 第一話 那由多と送り拍子木 第二話 那由多と消える住民 第三話 那由多とふたりの絆 余話 狭間堂とかけがえのない友人
親友・カジカを救うため、“夜の世界”を悪用していた氷室頼人。致命的な代償を負ってでも、彼女を救おうとした氷室の願いを叶えるべく、澪音たちは“夜の世界”に消えたカジカを探すことになった。仲間達との確かな絆を感じ、前向きに戦いに赴く澪音だが、どこか自分を信じ切れずにもいた。やがてその歪みが彼に襲いかかりー優しくて、ちょっぴり切ない青春異界綺譚、堂々完結。
池袋のサンシャイン水族館内にある“深海カフェ”は、店主の深海が客の“心の海”に落とした宝物を捜し出してくれる不思議な店だ。常連の僕・来栖倫太郎は深海を敵視するシータに、心の宝物を抜かれてしまうが、それが何なのか思い出せない。失い物を捜して自分の“心の海”に潜ると、そこは「サンシャイン水族館」だった。ダイオウグソクムシら海洋生物の助けを借りて、徐蕨に大切な記憶が呼び覚まされて。癒やしと再生の物語。
祖父と愛犬を続けて亡くし、ショックで学校を休んでいる中学生の樹。入るのを禁じられている土蔵の扉が開いているのに気付き足を踏み入れると、中には祖父の鉱物コレクションがあり、そして不思議な雰囲気の少年がいた。雫と名乗る彼と打ち解け、少し元気になった樹は、祖父の遺した鉱物の魅力に惹かれるようになり…。少年の繊細な心に鉱物の美しさを重ね合わせた、ファンタジックな物語。
夜中に動画サイトを見ていた那由多は、何かに操られるように不気味な映像を見つける。それはユーチューバーが、地下鉄の終電である駅の地下街にある蕎麦屋を訪ねるというものだった。タイトルは「現代版『本所七不思議』灯り無し蕎麦」。「灯り無し蕎麦」とは夜道にある真っ暗な蕎麦屋に入った客が、灯りをつけるとその人に悪いことが起きるという、江戸の怪談だった。ライブ映像の中、半信半疑で進む彼らは蕎麦屋を見つけて驚喜し、早速店に入っていく。が、真っ暗な店内で何事か起き映像は突然切れてしまう。不安になった那由多は翌日狭間堂に相談しに行く。そばで話を聞いていたポン助が浮世に怪談が増えているという噂を伝える。その動画を開く直前、那由多は妖しい人影を部屋の外で目撃していた。それが関係しているのではと、狭間堂は那由多たちと一緒に実際の駅を訪ねてみる。しかし、最終で着いた駅の地下街に蕎麦屋は無く唖然とする。そこへ黒い学生帽とマントを着た青年が現れるが。シリーズ最大の禍が登場に、狭間堂と円は? 第一話 那由多と妖しい語り部 第二話 那由多と姥ヶ池の怪談 第三話 那由多と亡霊の記憶 余話 百代円記者の怪奇事件簿
それはまるで明治大正の浅草。レトロな街並みを異形達が跋扈する不思議な街、華舞鬼町。狭間堂たちは常世を目指す魂が迷子にならないように、お盆の最終日に送り火として水路に灯篭を浮かべ道を示すのだ。那由多は狭間堂の手伝いでお使いの帰り、迷い込んだ小さな男の子の亡者がアヤカシに捕まるのを目撃し思わず後を追いかけるが、うっかりそのアヤカシのアジトに入り込んでしまう。隠れた物置の中から那由多は彼らの計画を知る。光に弱いアヤカシは、送り火を消してしまおうとしていた。壁越しに聞こえる声の中に円が混じっているのに気がつく。話を聞いた狭間堂は「本所七不思議」の一つである『送り提灯』を借りるため、那由多とふたりで錦糸町の報恩寺を訪ねる。狭間堂に言われて那由多が写真を撮ると、写っていたのは遠い昔の送り火の風景だった……。大人気シリーズ第三弾! 第一話 那由多と利根川の友だち 第二話 那由多と狭間堂の師 第三話 那由多と送り火 余話 狭間堂と海座頭の……
大学に入ったばかりの人見知りな青年、那由多。ある日、「華鬼舞町」という明治や大正を思わせるレトロで不思議な街に迷い込んだ彼は、狭間堂と名乗る不思議な男と出会う。那由多が祖父の形見のカメラで撮った写真を狭間堂は自分の店に展示するように言う。その写真には不思議な画が写り込んでいた。ある日、西新井大師で風鈴祭りあることを知った那由多は、狭間堂やカワウソのポン助を誘うが断られてしまう。しかたなく一人で出かけるが、偶然同じ大学の柏井と一緒になる。しかし、西新井大師に着いた二人は異界に迷い込んでしまって……。他に渋谷駅で出会った不思議な老人、飛鳥山公園で遭遇した季節外れの花見など。早くも大人気、東京の名所で湧き起こる妖しくレトロな謎解き物語。 第一話 那由多と旧き車両 第二話 那由多と桜の森 第三話 那由多と風鈴の街 余話 狭間堂と目競の……
優しかった飼い主が亡くなり、保健所に連れて行かれそうになって家から逃げだした、一匹の黒猫。街をさまよい大怪我を負った猫の命を救ったのは“水脈”と名乗る美しい人だった。「幽落町」シリーズの人気キャラクター猫目ジローの、水脈との出会いや新しい家族になっていくまでを描く。他に都築と忍のふたり旅で遭遇した恐怖の一日、水脈がジローや真夜と共に“ある人”を訪ね「華舞鬼町」にやってきた話など、待望の短編集。
黄昏の薄闇に包まれた街に、ぼんやりと提灯の灯が浮かぶ。通りは煉瓦や木造の建物で明治か大正時代のレトロな雰囲気。家々からは異形の影が現れる。ここは華舞鬼町、新宿とはちがうもう一つのカブキチョウだ。大学生の那由多(なゆた)は東京神田の万世橋で、祖父の形見のカメラを盗まれてしまう。しかも、しゃべるカワウソに。二足歩行で建物の隙間に逃げ込んだカワウソを思わず追いかけた那由多、しかしビルの隙間から抜けたそこは、さっきまでいた神田の街並みではなかった……。異形に襲われそうになったところを、粋な羽織を被った青年、狭間堂(はざまどう)に救われる。「ようこそ、おばけの街、『華舞鬼町』へ。華舞鬼町総元締めの狭間堂は、きみを歓迎するよ」一体、その正体は? 第一話 那由多と華舞鬼町 第二話 那由多と十二階 第三話 那由多と祖父のカメラ 余話 狭間堂と隣町の……
どうかこの夜を恐れないでほしい。 親に抑圧されて育った無気力な高校生・有森澪音は、喫茶カグヤのマスター・小野寺豪から奇妙な忠告を受けた晩、《夜》と呼ばれる異形が跋扈する廃墟に迷い込んでしまう。そこで澪音は、自分を一方的に知る謎の少年・イザヨイに導かれ、悩みを抱える人のトラウマが具現化した《夜》をなりゆきで退治することになるのだが……。優しくて、ちょっぴり切ない青春異界綺譚、ここに開幕。
サンシャイン水族館の回廊傍の扉を開くとそこは“深海カフェ”。“心の海”に宝物を落としてしまった人だけにその入り口は見えるという。誰にでも意見を合わせ何も決められなくなった女性や、誰かの宝物を食べてしまったデメニギスが客として現れる。彼らの宝物を僕、来栖倫太郎は店主の深海やメンダコのセバスチャンと一緒に探すのだ。でもある日、うっかり“心の海”に墜ちて行ってしまった僕。そこで出会ったのは?
迷子になった少年が手にする、観覧車が写る古い写真に遺された曾祖父の想い。鷽替え神事で賑わう亀戸辺りに現れた廃線になった都電の未練。そうしたアヤカシたちの憂いをはらす水脈の前に、故郷印旛沼から龍王の使者が現れる。彼の罪が赦されたので連れ戻しに来たという。それを聞いて慌てる彼方たち。水脈は幽落町からいなくなってしまうのか?大人気シリーズ、ついに最終巻!