著者 : 蒼月海里
幻想小説家の戸張尚也は、行き詰まっていた。新作の売れ行きが芳しくなく、出版社で対策を考えていると、大人気動画配信者の御子柴ユウから声をかけられる。彼は配信している心霊スポット検証動画が大人気で、書籍化の打ち合わせをしていたらしい。戸張の新作が気に入ったので、次の動画の取材に一緒に行かないかと御子柴に誘われ、戸張は迷う。しかし、動画で新作を紹介してくれるという言葉につられ、満月の夜、死者に会えるという伝説がある無人島「根ノ島」に行くことになり…。
浮世と常世の境界にある不思議な町・華舞鬼町。住人のアヤカシたちは那由多の写真のおかげで浮世との繋がりを強く持っていた。貧乏神のクロ助は、富むものを衰退、劣化させてしまう体質で、那由多はそんなクロ助を福の神にしてあげたいと願う。ある日、東京都心に怪しい暗雲が立ち込め、世界は闇に呑まれそうになる。那由多とクロ助は密かにケガレを集めてきた虚路と対峙するのだがー。大人気シリーズ、ついに最終巻!
鉱物の魅力にはまりつつある中学生の樹。「石精」雫との絆は深まっているが、発見された祖父の日記をめぐり、樹は雫との間に距離を感じるようになり…。金と見紛う黄鉄鉱の輝きと結晶の美しさ。ラピスラズリの星空を閉じ込めたような青の深さ。化石の中身が別の鉱物に置き換わる仮晶の不思議さ。過去から受け継ぎ未来へつなぐ人の想いと鉱物の魅力との協奏曲。他では味わえない世界へようこそ。
神田明神のお膝元である神田の一角に『稲荷書店きつね堂』という小さな書店があった。お店の敷地内には小さな鳥居と、お稲荷さんの祠が祀られており、そのそばでは、対の白狐像がお店の様子を見守っている。店主のお爺さんは白狐像を「ヨモギ」「カシワ」と名付けて可愛がっていた。ある日、お爺さんがヨモギの目の前で倒れてしまう。助けを呼びたいヨモギだが、白狐像である自分では動くことも出来ず、困っていたところにー。待望の新シリーズ開店です。
異能を持つ祖父の形見のカメラは、過去の風景を写し那由多を華舞鬼町へと連れていってくれた。カメラが壊れてからは移動できずにいたが、姉のアドバイスで道祖神を祀る庚申塚から境界を越えることができ、那由多は少しだけ自信を取り戻す。久しぶりに訪ねた、華舞鬼町にある狭間堂の写真館。そこで再会した玉電の化身・玉さんから、那由多は臨港線という廃線の写真を頼まれるのだが。ついにシリーズは、クライマックスへ!
中学生の樹が亡き祖父から受け継いだハート形の水晶。その石精である雫は、樹の心を癒し、鉱物の魅力を伝えてくれた。他の石精も見ることができる樹は、カリスマコレクターの抱える人知れぬ苦悩を知り、骨董屋のおじさんの桜石にまつわる思い出に触れる。そして、翡翠の産地である糸魚川へとー。地球の生んだ芸術品・鉱物の魅力に溢れたセンシティブな物語。著者による鉱物エッセイも収録。
本や人との「縁」で紡がれた不思議な古書店『止まり木』。この店で働く名取司は、自分の小説を出版するため、懸命に執筆を続けていた。そのひたむきな姿に触発され、古書店の店主であり、魔神の亜門は本の出版というものに興味を抱き、ある場所へと向かったー。(「第一話亜門、初めての同人誌即売会」より)。人気キャラクターが織りなす、笑えて、心がほっこり温まる五つのストーリー。幻想古書店シリーズ、ファン待望の番外編、はじまり、はじまり〜!!
「虚路は、人から忘れられそうになったら姿を現す」なぜなら忘れられるとその概念が消えてしまうから、と狭間堂から説明を受ける那由多。一方、浮世と華舞鬼町では拍子木の怪談と神隠しの事件が増えていた。夜回りの時に打つ拍子木を追いかける別の拍子木。二番目に聞こえた音を聞いた人が消えてしまうのだ。そして那由多の姉・茜も行方不明に。姉を捜してある映画館に入った那由多は、祖父の形見のカメラを壊してしまう。
親友・カジカを救うため、“夜の世界”を悪用していた氷室頼人。致命的な代償を負ってでも、彼女を救おうとした氷室の願いを叶えるべく、澪音たちは“夜の世界”に消えたカジカを探すことになった。仲間達との確かな絆を感じ、前向きに戦いに赴く澪音だが、どこか自分を信じ切れずにもいた。やがてその歪みが彼に襲いかかりー優しくて、ちょっぴり切ない青春異界綺譚、堂々完結。
池袋のサンシャイン水族館内にある“深海カフェ”は、店主の深海が客の“心の海”に落とした宝物を捜し出してくれる不思議な店だ。常連の僕・来栖倫太郎は深海を敵視するシータに、心の宝物を抜かれてしまうが、それが何なのか思い出せない。失い物を捜して自分の“心の海”に潜ると、そこは「サンシャイン水族館」だった。ダイオウグソクムシら海洋生物の助けを借りて、徐蕨に大切な記憶が呼び覚まされて。癒やしと再生の物語。
祖父と愛犬を続けて亡くし、ショックで学校を休んでいる中学生の樹。入るのを禁じられている土蔵の扉が開いているのに気付き足を踏み入れると、中には祖父の鉱物コレクションがあり、そして不思議な雰囲気の少年がいた。雫と名乗る彼と打ち解け、少し元気になった樹は、祖父の遺した鉱物の魅力に惹かれるようになり…。少年の繊細な心に鉱物の美しさを重ね合わせた、ファンタジックな物語。
「地下鉄の終電で降りた駅の、改札を抜けた先にある蕎麦屋は江戸の怪談『本所七不思議』の“灯り無し蕎麦”だった」不気味な動画を偶然見てしまった那由多は狭間堂に報告する。ポン助も浮世に怪談が増えている噂を聞きつけていて、一同は真相を確かめることに。終電で降りた駅の改札を進むが、そこにあったはずの蕎麦屋は無く!唖然とする彼らの前に現れたのは学生帽と黒マント姿の青年だった。シリーズ最強の禍が登場。
異形が跋扈する不思議な街、華舞鬼町。町の総元締め狭間堂はお盆の最終日、水路でやる灯籠流しの準備を進めていた。常世を目指す魂たちの道案内になれば、という気遣いだった。しかし、光に弱いアヤカシ達は、死者の魂を食らうのに邪魔な火を消そうとしていた。「では、灯りを増やそう」狭間堂は「本所七不思議」の一つ『送り提灯』の助けを借りるため那由多と、錦糸町の法恩寺に向かうが。大人気シリーズ第3弾!
大学生の那由多は、祖父の形見のカメラに導かれるように、人外が跋扈する別世界『華舞鬼町』に迷い込み、狭間堂と名乗る青年と出会う。祖父のカメラには不思議な力があったのだ。ある日、西新井大師の風鈴祭りに出かけた那由多は、友人と共に異界に迷い込んでしまう…。他に「渋谷駅で出会った不思議な老人」「桜の名所飛鳥山公園の季節外れの花見の謎」等。早くも大人気、東京の名所で起こる妖しくレトロな謎とき物語。
優しかった飼い主が亡くなり、保健所に連れて行かれそうになって家から逃げだした、一匹の黒猫。街をさまよい大怪我を負った猫の命を救ったのは“水脈”と名乗る美しい人だった。「幽落町」シリーズの人気キャラクター猫目ジローの、水脈との出会いや新しい家族になっていくまでを描く。他に都築と忍のふたり旅で遭遇した恐怖の一日、水脈がジローや真夜と共に“ある人”を訪ね「華舞鬼町」にやってきた話など、待望の短編集。
人見知りの激しい久遠寺那由多は大学をサボったある日、祖父の形見のインスタントカメラを、なんとカワウソに盗まれてしまう。仰天しつつビルの隙間へと追いかけるが、辿り着いた先はアヤカシたちが跋扈する別世界、『華舞鬼町』だった。狭間堂と名乗る若い男に助られた那由多は、祖父のカメラで撮った写真に不思議な風景が写っていたためにカワウソがカメラを盗んだことを知って…。妖しくレトロなほっこり謎とき物語。
親に抑圧されて育った無気力な高校生・有森澪音は、喫茶カグヤのマスター・小野寺豪から奇妙な忠告を受けた晩、“夜”と呼ばれる異形が跋扈する廃墟に迷い込んでしまう。そこで澪音は、自分を一方的に知る謎の少年・イザヨイに導かれ、悩みを抱える人のトラウマが具現化した“夜”をなりゆきで退治することになるのだが…。優しくて、ちょっぴり切ない青春異界綺譚、ここに開幕。
サンシャイン水族館の回廊傍の扉を開くとそこは“深海カフェ”。“心の海”に宝物を落としてしまった人だけにその入り口は見えるという。誰にでも意見を合わせ何も決められなくなった女性や、誰かの宝物を食べてしまったデメニギスが客として現れる。彼らの宝物を僕、来栖倫太郎は店主の深海やメンダコのセバスチャンと一緒に探すのだ。でもある日、うっかり“心の海”に墜ちて行ってしまった僕。そこで出会ったのは?
迷子になった少年が手にする、観覧車が写る古い写真に遺された曾祖父の想い。鷽替え神事で賑わう亀戸辺りに現れた廃線になった都電の未練。そうしたアヤカシたちの憂いをはらす水脈の前に、故郷印旛沼から龍王の使者が現れる。彼の罪が赦されたので連れ戻しに来たという。それを聞いて慌てる彼方たち。水脈は幽落町からいなくなってしまうのか?大人気シリーズ、ついに最終巻!