著者 : 蓮見恭子
「オリンピックに一緒に出ようね」幼なじみの神崎水葉との約束を胸に、アーティスティックスイミングにすべてをかける高校二年の陣内茜だが、練習中に大怪我を負う。挫折の日々のなか、茜はいつも独りぼっちの同級生・西島由愛と親しくなる。しかし、茜とのペアを復活させたい水葉は、二人の関係に嫉妬をー。手さぐりの青春を瑞々しく描く感動作!
<内容紹介> 就職活動がうまくいかず自分を見失っていた大学生の砂羽。 またもや面接で失敗し、落ち込みながら訪れた「ペンフェア」で見つけたのは奇妙な看板だった。 それは、「あなたの人生が変わります 万年筆よろず相談」というもの。 「人生が変わる」という言葉に興味を持った砂羽は、看板のお店「メディコ・ペンナ」を訪れることにした。 店主はぶっきらぼうだが万年筆の補修を任せたら随一で、万年筆の買い付けや修理のためにいろんなお客がやってくる店らしい。そして、それだけではなく、「とある事情」を抱えたお客もやってくるのだとか。 使っているうちにその人の癖が馴染む文具<万年筆>。 そこからにじみ出る使い手の悩みや苦しみを、店主は静かに掬い上げて答えを導いてくれるのだという。 何かに引き寄せられるかのように、砂羽は「メディコ・ペンナ」でアルバイトを始めることにしたのだがーー <著者プロフィール> 1965(昭和40)年、大阪府堺市生れ。大阪芸術大学美術学科卒業。2010(平成22)年、『女騎手』で第30回横溝正史ミステリ大賞の優秀賞を受賞し、デビュー。主な著書に「国際犯罪捜査官・蛭川タニア」シリーズ、『ガールズ空手 セブンティーン』『襷を、君に。』など。『たこ焼きの岸本』が第8回大阪ほんま本大賞を受賞
東京オリンピックの女子マラソン競技日本代表選考会であるMGCがもうすぐスタートする。12人の選手中、優勝候補は5人。ハーフマラソンアジア記録を持つ須藤千春。初マラソン日本最高記録保持者だが、メンタルに不安のある真鍋結衣。170センチ近い長身で、暑さと坂に強い橋口樹里亜。アフリカ系の日本人選手である寺岡レオナ。夫でもあるコーチと娘に支えられて挑む花房智香。一発勝負の選考会で、オリンピック代表の座を手にするのは誰だ!?
倉本歩は港ケ丘高校一年。テレビで見た同い年の庄野瑞希の走りに圧倒され、彼女のように走りたいと陸上部に何とか入部するが、他の部員たちについていくのも大変だ。ある日、その瑞希が同じ高校に進学していることを知る。しかし、憧れた彼女にかつての面影はなくー。走ることが大好きで、仲間を思い、笑い、時に泣き、駆け抜けていく少女たちの青春駅伝小説。
宇奈月弥生は女優・朝倉ミチの専属ヘアメイクとして多忙な日々を送っていた。仕事の仕方を考え始めていたある日、ミチが脱税疑惑で逮捕されてしまい、宙ぶらりんの状態になる。一方、宇奈月家の四女・葉月は幼い頃の病気により妊娠出来ない身体なのにもかかわらず、どうしても子供が欲しいと思い詰め、母親の益美にとある相談を持ちかける。長女と四女の生活の激変が、平穏そうに見えた宇奈月家の秘密を暴くきっかけとなっていく。
実業団「ワトー電器」所属でオリンピックを目指していたマラソン選手・千吉良朱里は、突然チームが休部となり、浪華女子大学で創設される駅伝部に監督として就任要請を受ける。すでに選手としてのピークを過ぎた朱里は、指導者としての道を歩む決意をするが、新設されたばかりの駅伝部は部員ゼロからの状態でスタートしなければならず…。スポーツ小説の名手が大学女子駅伝の世界をリアルに描いた青春小説の傑作!
茶碗、豆皿、丸ちゃぶ台ここは想いが集う場所。生活を立て直すため、大阪・堺市にある夫の実家「島市古道具商」へ引越し、義父・市蔵と同居をすることになった透子一家。14年間、社会に出ていなかった透子は、慣れない店暮らしに失敗ばかり。それでも道具や集う客の想いに触れて、透子もいつしか人生を見つめ直し始めーー。どこか欠けた人たちの瑕も、丸ごと受け入れてくれる場所。古い町家で紡がれる、モノと想いの人情物語。
全国中学校駅伝大会ー中学3年生の庄野瑞希は大会記録を更新する走りでチームを逆転優勝に導く。しかし、周囲の期待に押し潰され、走る意味を見失った瑞希は、陸上をやめるつもりでいた。一方、福岡・門司港で、倉本歩はテレビの中の瑞希の美しく力強い走りに魅せられる。「あの子のように走りたい」その一心で新進気鋭の港ケ丘高校陸上部に入部するが、部員は歩よりはるかに速い選手ばかりでー。二人の奇跡的な出会いが、新たな風を紡ぎだす!スポーツ小説を多く手掛けてきた著者が少女たちの葛藤と成長を描く、胸を熱くさせる青春小説!
空手部の選抜出場を応援する校内のポスターが、何者かによって破られた。それは掲載されている主将・結城の写真を狙っての犯行だった。だが目撃者の証言によると、犯人は彼女本人だという。その場にいたはずもなく、犯行に全く身に覚えのない彼女は、あることをヒントに真相に気づくのだが…(「被写体は初夢の彼方に」より)。驚愕のラストが待ち受ける青春ミステリー、待望の文庫化!
池袋署管内で、ソーシャルワーカーが殺された。被害者の周囲に謎の若い女性の存在が。通訳捜査官・隆志は、被害者と外国人グループとの接点を疑い、潜入捜査を試みる。事件の影には薬物犯罪があるのか。
都内で発生したバラバラ死体遺棄。被害者は中国人と思われ、妊娠・出産の跡が。池袋署の通訳捜査官・隆志が捜査で出会った女捜査官タニアは、背後に違法医療ビジネスを疑うがーー