小説むすび | 著者 : 藤枝静男

著者 : 藤枝静男

群像短篇名作選 1970〜1999群像短篇名作選 1970〜1999

雑誌『群像』は1946年10月号を創刊号とし、2016年10月号で創刊70年を迎えました。これを記念し、永久保存版と銘打って発売された号には戦後を代表する短篇として54作品が収録され、大きな話題を呼びました。このたびそれを文庫三分冊とし、さらに多くの読者にお届けいたします。第二弾は経済の繁栄、社会構造の激変と「戦後文学」の変容を示す18篇を収録。 1946年10月号を創刊号とし、2016年10月号で創刊70年を迎えた文芸誌「群像」。 創刊70周年記念に永久保存版と銘打って発売された号には戦後を代表する短篇として54作品が収録され大きな話題を呼び、即完売となった。このたびそれを文庫三分冊とし、さらに多くの読者にお届けいたします。第二弾は経済の繁栄、社会構造の激変と「戦後文学」の変容を示す18篇を収める。 三浦哲郎「拳銃」 吉村 昭「メロンと鳩」 富岡多惠子「立切れ」 林 京子「空罐」 藤枝静男「悲しいだけ」 小島信夫「返信」 大江健三郎「無垢の歌、経験の歌」 後藤明生「ピラミッドトーク」 大庭みな子「鮭苺の入江」 丸谷才一「樹影譚」 津島佑子「ジャッカ・ドフニーー夏の家」 色川武大「路上」 山田詠美「唇から蝶」 多和田葉子「ゴットハルト鉄道」 笙野頼子「使い魔の日記」 小川国夫「星月夜」 稲葉真弓「七千日」 保坂和志「生きる歓び」

田紳有楽田紳有楽

【2025年2月現在、新本が定価(2,400円+税)で購入可能】 「午後八時、日没とともに床に入る。腹がへったので右脚を切って食い、明日の活力にそなえてストロンチウム90を十錠飲んで平和な眠りにつく。」(「静男巷談」より) 私小説が「私」を超えたとき、なにが姿を現したか。初期の創作説話から「私倍増」小説にいたる、藤枝文学の特異な軌跡を刻印する。  眼科医のかたわら小説を書きつづけた藤枝静男の軌跡をたどる作品7篇を収録。志賀直哉らの影響を受け自らも「私小説」と呼ぶその作風は、ときに私小説の枠を軽く飛び越える。代表作「田紳有楽」をはさみ、初期の説話風小説「龍の昇天と河童の墜落」、軽妙な随想録「静男巷談」、私小説「壜の中の水」から悟入の境地を思わせる後期作品まで、奇作「田紳有楽」をより深く楽しむための作品をセレクトした。  ※七北数人氏を監修者に迎えた「シリーズ 日本語の醍醐味」は、“ハードカバーでゆったり、じっくり味わって読みたい日本文学”をコンセプトに、手に汗握るストーリーではなく、密度の濃い文章、描写力で読ませる作品、言葉自体の力を感じさせる作品を集成してゆきます。 龍の昇天と河童の墜落 文平と卓と僕 静男巷談(抄録) 壜の中の水 田紳有楽 みな生きもの みな死にもの 老いたる私小説家の私倍増小説   解説/七北数人

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