著者 : 西村英一郎
密林の語り部密林の語り部
都会を捨て、アマゾンの密林の中で未開部族の“語り部”として転生する一人のユダヤ人青年の魂の移住ー。インディオの生活や信条、文明が侵すことのできない未開の人々の心の内奥を描きながら、「物語る」という行為の最も始原的なかたちである語り部の姿を通して、現代における「物語」の意味を問う傑作。
オババコアックオババコアック
白い猪になった少年、鳥と魚と蛇の歌を聴く美しい少女、耳に入り込むトカゲ、一糸まとわぬ姿で眠る女教師、薄明を精霊たちが遊弋する。バスクの伝承を背景に、屹立した言語によって拓かれる文学の深奥。
官能の夢官能の夢
妻にして愛人、官能的な継母。非現実、幻想、追憶と欲望の女性。美貌の人妻ルクレシア、至上の美を求める夫リゴベルト、そして聖なる少年フォンチート。ラテンアメリカ文学の巨匠が描く巧緻を極めたエロティックな物語。
継母礼讃継母礼讃
豊満で美しい継母ルクレシアの入浴姿を天井から覗き見る幼いアルフォンソ。耳や鼻など体のすみずみを磨きあげることに偏執的な喜びを見出している父親リゴベルト。ギリシア悲劇風の物語を織りまぜながら、少年の倒錯した心理、肉欲が昇華したエロス的世界を描く問題作。
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