著者 : 西田実
ハックとジムは自由州への上陸に失敗。おまけにペテン師の王様と公爵まで背負いこんでしまった。筏の旅はなおも続く。-ヘミングウェイをして「現代アメリカ文学の源泉」とまで言わせたこの傑作を、練達の訳文に初版本の楽しい挿絵を豊富にちりばめて贈る。
洋々たるミシシッピーの流れに乗って筏の旅を続ける陽気な浮浪児ハックと逃亡奴隷ジム。辺境時代のアメリカの雄大な自然と活力溢れる社会をバックに、何ものにもとらわれずに生きようとする少年と、必死に自由の境涯を求める黒人の姿をユーモラスに描く。
ハックルベリー・フィンの冒険 (下) 第二十四章 王に扮したジム──客を拾う──情報を仕入れる──一家の不幸 第二十五章 あの人たちがそうかい? ──賛美歌を歌う──正々堂々──とむらいの騒乱──まずい投資 第二十六章 教会へ行く王様──王様つきの牧師──娘の謝罪──部屋にかくれて──ハック金袋を奪う 第二十七章 葬式──好奇心を満足させる──ハックを怪しむ──薄利速売 第二十八章 イギリスへの旅──「けだものめ!」──メアリー・ジェーンの家を出る決心──ハックとメアリーの別れ──おたふくかぜ──強敵出現 第二十九章 どちらが本物か──王様の弁明──筆蹟の問題──遺体を掘り出す──ハック逃げ出す 第三十章 王様ハックに飛びかかる──王様と公爵の争い──すっかりごきげん 第三十一章 恐ろしい計画──ジムの消息──今までの思い出──羊の話──貴重な知らせ 第三十二章 静かで日曜日みたい──人ちがい──絶体絶命──板ばさみ 第三十三章 黒んぼ盗人──南部のもてなし──長い食前のお祈り──タールと羽根 第三十四章 灰汁だるのそばの小屋──とんでもねえこと──避雷針を登る──魔女に悩まされて 第三十五章 本式の逃げ方──陰謀──盗みにもいろいろある──深い穴 第三十六章 避雷針──けんめいに登る──子孫への頼み──何億万ドル 第三十七章 最後のシャツ──おじさんウロウロ──出航命令──魔女パイ 第三十八章 家紋──監督の名人──うれしくない名誉──涙ぐましい話 第三十九章 ネズミ──にぎやかな寝台の仲間たち──わら人形 第四十章 釣り──警防団──全力疾走──ジム、医者をすすめる 第四十一章 医者──サイラスおじさん──ホッチキスさん──サリーおばさんの悩み 第四十二章 トム・ソーヤーの負傷──医者の話──トムの告白──ポリーおばさんの到着──その手紙を出しなさい 最後の章 奴隷から自由へ──囚人の代金──さよなら、ハック・フィンより 解 説 訳 注
はしがき ハックルベリー・フィンの冒険 (上) 第一章 ハックの教育──ミス・ワトソン──トム・ソーヤーの呼ぶ声 第二章 ジムをかつぐ──トム・ソーヤーの一味──周到な計画 第三章 こってりしぼられる──お祈りの効きめ──「トム・ソーヤーのうそっぱち」 第四章 ハックと判事──迷信 第五章 ハックの父親──やさしい親──改心 第六章 サッチャー判事に訴える──ハック脱出を決意──おやじの政治論──大あばれ 第七章 待ち伏せ──閉じ込められて──死体を沈める──ひと休み 第八章 森の一夜──死体を浮き上がらす──島の探検──ジムに出会う──ジムの脱走──前兆──バラム 第九章 ほら穴──流れてきた家 第十章 獲物──ハンク・バンカーじいさん──変装 第十一章 ハックとおかみさん──捜索──言いのがれ──ゴーシェンへ 第十二章 ゆっくり下る──品物の借り方──難破船に乗りこむ──悪人のたくらみ──ボートを探す 第十三章 難破船を脱出──見張り人──沈没 第十四章 のんきな暮らし──ハーレム──フランス語 第十五章 ハック筏を見失う──霧の中で──ハック筏を見つける──ごみくず 第十六章 期待──うそも方便──ぬれ手であわ──ケーロを通りすぎる──泳いで岸に上がる 第十七章 夜の訪問──アーカンソーの農場──室内装飾──スティーヴン・ダウリング・ボッツ──あふれ出る詩行 第十八章 グレンジャーフォード大佐──上流階級──怨恨──聖書──筏を取り返す──薪の山──ブタ肉とキャベツ 第十九章 昼間はかくれて──星の誕生──禁酒集会を開く──ブリッジウォーター公爵──王様の苦労 第二十章 ハックの説明──作戦を練る──野外集会でひと仕事──野外集会の海賊──公爵の印刷屋 第二十一章 剣劇の練習──ハムレットの独白──町をうろつく──だらけた町──ボッグズおやじ──死 第二十二章 シャーバン──サーカス見物──リングの興奮──戦慄の悲劇 第二十三章 一杯くわされて──王様くらべ──ジムのホームシック 訳 注