小説むすび | 著者 : 角川書店装丁室大武尚貴

音楽家の忘れ形見と愛弟子の報われぬ恋「蝉丸」。隅田川心中した少女とその父の後日譚「隅田川」。変死した作家の凄絶な愛「定家」。能に材を採り、狂おしく痛切な愛のかたちを浮かび上がらせる現代能楽集。

整形美容で新しい顔を手に入れた麗子。だが彼女を待っていたのは、以前にもまして哀しみと虚しさに満たされた日々……ねじれ、病んでいく愛のかたちに目をこらし、直木賞作家が哀切と共に描いた恋愛小説。

国も命もゆっくりと確実に朽ちていく中、 葉月夫妻が終のすみかとして選んだのは死さえも漂白し無機質化する不気味な施設だった……原発社会のその後を描く戦慄の書、緊急復刊！

男は美しい妊婦から羊水が漏れないように”栓男”になることを頼まれた。桜、向日葵、秋桜、寒牡丹……四季を彩る花々と妖しき女たち。世にも淫靡な妄想と狂気の官能小説！

南国のスコールの下、タンゴに取り憑かれた国籍も年齢も不詳の老嬢の口から、長い長い恋の話が語られる……東京、ブエノスアイレス、サイゴンーー。ラテンの光と哀愁に満ちた、神秘と狂熱の恋愛小説集。

リデンブロック教授とその甥アクセルは、十二世紀アイスランドの本にはさまれていた一枚の紙を偶然手にする。そこに書かれた暗号を解読した時、「地底」への冒険の扉が開かれた！

昔、昔、ずっと昔。少年が幼い日に森の中で見つけた一冊の雑誌。そこには全裸の若い女性が革製の首輪を嵌められた写真があった。少年は思った。いつか僕もこんなふうに女の人を、とーー。