著者 : 記伊孝
シャルラトの力を借り、ついにエレールを倒したナムルとエリシュティシュタルは、バラバラにされたシャズを復元してアッシュールを脱出する。一方、シャムシ=アダド率いるアッシュール軍は隣国マーリ攻略に向けて進撃、ラルサのリム=スィーンもやはり隣国イスィン征服に向けて動き出す。四方世界の王をめざす両雄の激突が刻一刻と迫っていたー。
傭兵王・シャムシ=アダドの虜囚となったシャズ。地獄の苦しみに苛まれる彼女を救うべくアッシュールの王宮に侵入したナムルの前に、傭兵王の娘・エレールが立ちはだかる。神の力を裡に秘めたふたり。互いに譲れぬ想い。共に生きることは出来ない世界で、血塗れの闘いの果てに立っている者はー。
シャムシ=アダド率いるアッシュール軍とイバルピエル率いるエシュヌンナ軍が全面衝突。オリエントに戦国を呼ぶ血の雨が降る時、剣戟の響きの中で暴かれる一人の女の真実。闇の王太子・ハンムラビの正体。失わなければ得られない。それでも君は、四方世界の王への道をゆくのかー。北の傭兵王vs東の天才。大河ノベル2009。
叛乱の地・シッパルで神の娼婦が微笑む頃、バービルムの王宮に眠る秘密は目を覚まし、東では、エシュヌンナの太陽・皇太子イバルピエルと傭兵王の息子・イシュメ=ダガンが激突する。オリエントの凪は去った。人は、少年であり続けることはできないー。
北の傭兵王が仕掛け、東の皇太子が起つ時、オリエントの均衡は崩れる。バービルムに忍び寄る叛乱の影に、動き出す神秘の王子・ハンムラビ。若き獅子らの前に立ちはだかる南の巨人。少年と少女は、今、戻れない道行きへー。
紀元前1800年。群雄割拠する東方の地。バービルムの書記学生・ナムルは、神の欠片を持つ謎の少女・シャズと出会い、大いなる戦乱の渦へ飲み込まれていく。壮大なる英雄叙事詩、始まりの刻は今ー。