著者 : 谷口伊兵衛
現代版ホメロス物語現代版ホメロス物語
古典ギリシャの情熱的普及者でアテネ市名誉市民のルチャーノ・デ・クレシェンツォが、トロイア戦役をホメロスになり代わり、16歳の若者レオンテスを介して語りつくす。5年前から消息不明の父は戦死したのか、それともトロイア人の捕虜になったのかー。この父を訪ねて上陸したトロイアで、レオンテスはいろいろな出会いをはたす。毒舌のテルシテス、俗物で搾取者のアガメムノン、残忍な暗殺者アキレウス、名うてのごろつきオデュッセウス、それにレオンテスと愛を交わすヘクタ…かの絶世の美女ヘレネにそっくりなのだが、果たして本人なのか?興味は尽きない。ギリシャ神話入門としても最適。
修道院回想録修道院回想録
ポルトガルがスペインと鎬を削っていた18世紀。時の国王ジョアン5世は、フランシスコ修道会士と、王妃に世継誕生の祈祷が成就すればマフラに修道院を創建するという取引をする。一方、王の信任篤いブラジル生まれのローレンソ神は空飛ぶ機械『大鳥』を、戦争で左手を失った退役兵士バルタザルと不思議な透視術をもつブリムンダ夫婦の助けを得て試作するが、異端の嫌疑をかけられる。音楽家スカルラッティと王女マリーアなども絡んだ一大歴史ロマン。98年度ノーベル文学賞受賞作家サラマーゴの代表作、本邦初訳。
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