著者 : 谷口伊兵衛
古典ギリシャの情熱的普及者でアテネ市名誉市民のルチャーノ・デ・クレシェンツォが、トロイア戦役をホメロスになり代わり、16歳の若者レオンテスを介して語りつくす。 5年前から消息不明の父は戦死したのか、それともトロイア人の捕虜になったのか─。この父を訪ねて上陸したトロイアで、レオンテスはいろいろな出会いをはたす。毒舌のテルシテス、俗物で搾取者のアガメムノン、残忍な暗殺者アキレウス、名うてのごろつきオデュッセウス、それにレオンテスと愛を交わすヘクタ……かの絶世の美女ヘレネにそっくりなのだが、果たして本人なのか? クレシェンツォ神話学の集大成! プロローグ 1、イリオンへの航行 2、戦争の原因 3、一番美しい女性へ 4、テルシテス 5、メネラオス対パリス 6、神々のえこひいき 7、神託 8、毒殺者エウアイニオス 9、猪の牙 10、“二つの泉”にて 11、ポリュクセネ 12、アキレウスの叫び 13、ヘクトルの死 14、アマゾンたち 15、アキレウスの踵 16、木馬 エピローグ 訳者あとがき 付録 ギリシャ神話小事典
「千夜一夜物語」のなかから作品を選りすぐり、51枚の挿絵を付した読みもの。 「漁師と魔人」「暗黒諸島の王」「アリババと四十人の盗賊」「魔法の馬」「コダダードとその弟たち」「デリヤバールの王女」を収録。
ポルトガルがスペインと鎬を削っていた18世紀。時の国王ジョアン5世は、フランシスコ修道会士と、王妃に世継誕生の祈祷が成就すればマフラに修道院を創建するという取引をする。一方、王の信任篤いブラジル生まれのローレンソ神は空飛ぶ機械『大鳥』を、戦争で左手を失った退役兵士バルタザルと不思議な透視術をもつブリムンダ夫婦の助けを得て試作するが、異端の嫌疑をかけられる。音楽家スカルラッティと王女マリーアなども絡んだ一大歴史ロマン。98年度ノーベル文学賞受賞作家サラマーゴの代表作、本邦初訳。