著者 : 赤川次郎
N女子学園にやってきた、時期はずれの編入生、棚原弥生を見て、担任の竜野は激しい衝撃を受けた。その仕草や表情が、20年前の彼女に似ていたから…。弥生に両親はいない。母は5年前に他界し、そして父は4ヶ月前、あの片山刑事を狙った銃弾で不慮の死を遂げていたー。N女子学園での不穏な情報を得た片山は、弥生と再会する。弥生の周辺で次々と起こる事件に、三毛猫ホームズの面々が立ち向かう!シリーズ第32弾。
殺人容疑で東良二が逮捕された。妹の美咲は弁護士費用を捻出しようと良二の弟分・中田克夫と偽装誘拐を計画。ところが克夫は、別人を連れ去ってしまう。身代わりになったのは国会議員の愛人である氷室エミ。事情を知ったエミは二人に協力を申し出て、議員から身代金を引き出そうとするのだが…。片山兄妹がホームズとともに大活躍する好評シリーズ第四十二弾。
荒んだ心を抱いた16歳の少女は、展望台で出会った家族に、記念写真の撮影を頼まれる。カメラのファインダーに映るのは、幸福を絵に描いたような一家の姿。それは少女が失った家族像でもあった…。苛立ちを募らせる少女。だが、幸せそうな家族は、思いもよらないある決意を胸に秘めていたー(「記念写真」)。背筋が凍るミステリーから、心にしみる人間ドラマまで、さまざまな味わいをもつ10の物語。文庫オリジナル短編集。
中堅事務器会社の新人OL洋子は入社してすぐ、先輩の村上に一目ぼれ。独身でハンサムな彼と付き合うことになる。しかし、村上には秘密があった。彼は次々とやめていく女子社員をつなぎとめておくためのオトリだったのだ。逢うたびに彼にのめりこむ彼女は、ある日、その秘密に気づいてしまう。密かに復讐を決意する彼女は…。表題作含め珠玉の4編を収録した傑作サスペンス・ミステリー短編集。
16歳の女子高校生・令子は、ある夕暮れ時の小径で、白いドレスの女性と出会う。その女性はすれ違いざまに、令子に向かって、「あなたが生まれて来たのは間違いなのよ」とささやくと、暗闇に溶けるように消えてしまった…。あの女性は幽霊だったの?そして、彼女の言葉の意味は?令子は、死者たちに導かれるようにして、自らの出生の秘密を知っていくー。生と死の境界を超えて綴られる、哀しく美しい現代の怪談。
女子大生・塚川亜由美はホテルのラウンジで、昔の家庭教師・岐子と出会った。岐子はフィアンセと待ちあわせ、これから二人で、友人の結婚1周年パーティが開かれる山荘へ行くという。岐子は、1年前にぎやかな結婚式が行われた夜の、ある出来事が気にかかっていたー。その2日後、岐子から助けを求める電話が。山荘で殺人事件がおきたのだ。亜由美は愛犬ドン・ファンと、山荘へ向かった!大人気花嫁シリーズ第18弾。
叶典子は29歳。英文タイピストとして働く、ごく普通の会社員。ある日、結婚パーティから疲れて帰ってくると、一人暮らしをするアパートの隣人が、お見合いの話をもって待ち構えていた。説得に根負けして、典子はさして気乗りのしないままお見合いをすることに。さらに「貴女を見ている」という差出人不明の手紙、弟の結婚の相談、典子の周りはたちまち騒がしい結婚モードにー。ウェディング・エンタテインメント開幕。
三姉妹の乗った車が大爆発!衝撃のため、時空を遡ってしまったナチスドイツで美しい女子大生・ソフィアと知り合うが、彼女には人には言えない重大な秘密があった…。自分たちの未来、そして自由と友情のために行動する決心をした三姉妹の運命は!?過去と現在、ドイツと日本が交錯する驚きの新展開。
ある冬の夜、24歳の雨宮純江は同じ会社の中年男性に処女を捧げた。そして、彼女は別れた妻へ電話することを約束させて、地下鉄に消えたー。でも、何故?純江はかつて楽しい大学生活を過ごしていた。友人の恋の橋渡しに手を尽くし、紹介された会社社長の御曹司とのデート…。だが父親の秘密をきっかけに、彼女の運命は暗転していく。若き女性のふと訪れた、悲しい恋の軌跡を描くラブ・サスペンス。
今日、パパが死んだ。昨日かもしれないけど、私には分らない。そんなこと、どっちでもいい。何しろ私のパパは、仕事、仕事で、1年のうち半分は外国を飛び回っている。そんなパパをいわば子供らしく愛せと言われたって無理な話だ。でも私は知っている。本当は、ママがパパを殺したんだっていうことを…。父の死。莫大な遺産をめぐる争い。母の若き婚約者の出現。やがて、13歳の少女、有紀子に残酷な殺意の影がー。
一度しかない16歳の夏、私とママは再び海辺の別荘にやってきた。3年前にあの「事件」が起こった場所だ。ママも私も事件のことは口に出さず、毎日が穏やかに過ぎてゆく。ところが1週間後、私とそっくりの服を着た少女が目の前で殺された。そして次々と届けられる奇怪なメッセージ。誰かが私の命を狙っている…?『殺人よ、こんにちは』から3年、過去の秘密を胸に抱き、ユキがあの海辺に帰ってきた。
辻山は探偵事務所に勤める43歳。責任感もありまじめだが、やることはドジばかり。そんな彼が命令された仕事は、あと5日で親のいるアメリカに出発する、元気が過ぎる女子大生直美の監視兼ボディガードとおもり。気づかれないように後をつけるが、あっという間に尾行はばれてしまう。直美に翻弄される辻山の許に、元妻の幸子がギャングに追われ飛び込んで来た。跡取りを殺した疑いをかけられ、狙われているのだというー。
美術品を専門に狙う、怪盗チェシャ猫が現れた。大胆不敵な犯行はたちまち話題に…。そのチェシャ猫から犯行予告が。標的は画壇の重鎮野上益一郎の主催する「アダムとイヴ・コンクール」。その実力と強烈な個性で君臨する暴君、野上。その妻、娘、弟子、画商、演奏家、様々な利害を持った面々が会場に集まり、そして殺人事件がー。犯人は?怪盗の目的は?ホームズとチェシャ猫が対決する、大人気シリーズ第30弾。
北里財閥の当主浪子は、19歳の一人娘、加奈子に衝撃的な手紙を残して急死した。「私はかつて嘘の証言をして、無実の人を死に追いやった。だが最近、ごく身近な人の中に真犯人がいると知ったー」財閥の社長たち、婚約者の正彦、かかりつけの医師の菊井親子ら、ごく身近な人達が屋敷に集まった。そして警察に追われているという若い男まで加奈子のもとに転がり込んで…莫大な遺産を巡り、恐怖の殺人劇がはじまった!赤川次郎ベストセレクション4。
生まれながらの霊感体質で幽霊を呼び寄せる、類まれなバスガイド、町田藍。彼女が添乗する“すずめバス”の“怪奇ツアー”は、今日も大人気!幽霊が出る旧家の土蔵、本物の亡霊が現れる『ハムレット』の舞台、魔女が火あぶりにされ、今も恨みが残っているという村。藍がそれぞれの怪奇現象の謎を解くうちに明らかにされる、幽霊たちの悲しさ、淋しさ…。大好評“霊感バスガイド”シリーズ第二弾、全五篇。
“私の事を、父は「ガラスの人形」だと呼んでいた。脆い、脆い、透き通ったガラスの人形だと。その通りかもしれない”…森の館に幽閉された美少女と、大都会の空白に起こる連続殺人事件の関係は?錯綜する人間の欲望と、息もつかせぬストーリー展開で、日本ミステリ史上に燦然と輝く赤川次郎の処女長篇。
星泉、17歳の高校二年生。父の死をきっかけに、組員わずか四人の弱小ヤクザ・目高組の組長を襲名することになってしまった!その直後から、泉のマンションが荒らされたり、殺人事件が起こったり…どうやら、行方不明の大量のヘロインを巡って、大がかりな抗争が起きつつあるらしい。泉は組長として、セーラー服姿で敢然と悪に立ち向かう!映画化・ドラマ化等で一世を風靡した大ベストセラー小説。
18歳、高校三年生になった星泉。高校卒業を間近に控え、できるだけ普通の女子高生として生活したいと願っているが、周囲がそれを許してくれない。星泉の名をかたる「偽者」が現れたり、強引な地上げに苦しむ町から「町を救ってほしい」と頼まれたり…。スーパーヒロイン・星泉の成長と、セーラー服からの「卒業」を描く、大ベストセラー『セーラー服と機関銃』の続編。