著者 : 赤羽堯
〈大坂箱〉を譲りたいー。鎌倉で骨董屋を営む剣崎新は、亡父の知人・田村の思いがけない提案に驚いた。豊臣秀吉ゆかりの品といわれる大坂箱は、骨董蒐集家垂涎の的で、本物ならば大変な掘り出し物である。早速剣崎は、越前・武生にある田村の実家を訪ねたが、その直前、田村は何者かに殺され、箱は姿を消していた。嫌疑は剣崎に向けられ、やがて第2の殺人が…。
ポーランドの秘密情報機関の指令を受けた男は、かつての友人を追って東京を発ち、シンガポールへ向かう。男たち2人は謎のアルバニア美人をめぐってパリで競い合った過去をもつ。ピアニストとして挫折した友人を追って男はさらにウイーンへ飛ぶ。友情が殺意に変わるとき、男と女は謀略の渦中で再会した。
通信社のカメラマン長友卓也の眼前で、妹・静香が待つミュンヘンのカフェが一瞬にして吹き飛んだ。が、修羅場と化した現場から、妹は忽然と消えていた…。自ら撮影した爆破写真を手掛かりに捜索を開始した長友だったが、やがて彼の行く手に、妹が探し求めていた18世紀の宮延音楽家の、時価4億といわれる幻の楽譜「水晶コンチェルト」が浮かび上がった…。
ミステリー小説翻訳家の黒部滋人は、旧友ヨナスらとキャビン・クルーザーに乗り込み、ノルウェーの港町ベルゲンからフィヨルドの景観を楽しむ船旅に出た。だが、ソ連国境近くのバレンツ海にさしかかった時、突然、前方にソ連の巨大原子力潜水艦が浮上。その瞬間から黒部は熾烈な国際謀略戦の渦中の人となった。長篇スパイアクション。
鎌倉の観光地“腹切りやぐら”で頭部のないバラバラ死体が発見された。同じ頃、恩師の葬儀で鎌倉に滞在していた考古学者の津南は、師の遺品を整理しているうち、偶然のことから地下洞窟への入口を発見した。内部は、古都には似つかわしくない最新の情報器機に埋もれた部屋が…。惨殺仕体がその部屋の秘密と結びついた時、古都は不気味な謀略戦の戦場に…。長篇サスペンス。
パリ、ルーブル美術館で白昼、日本人高級コールガールが殺害された。凶器は東側諜報機関が暗殺に用いる猛毒リシンを仕込んだ毒矢銃だった。被害者の国籍と凶器の性質上、パリ警視庁はICPOの葉山警部に捜査協力を要請した。舞台はパリからウィーン、ベオグラードへ。やがて葉山の手であぶり出されてくる東側諸国と日本マスコミ界要人との陰謀…。気鋭が活写する長篇国際謀略小説。
古都鎌倉の古戦場・稲村ヶ崎ー地元住民がカンスケ淵と呼ぶ海中から巨躯の外人男性の全裸死体が上がった。鎌倉署の刑事猿橋佳男は親友の剣崎新に事件の協力を依頼。剣崎は父の代からの骨董屋だが、難事件の解決を楽しむ変わった趣味人でもある。その彼の前に突然、外人の不審な男が訪れ、骨董品の屏風の強引な取り引きを迫った。古都を訪れる外人観光客の生態を題材に恐るべき謀略を描く長篇推理。
南アフリカで、日本企業の多くがオフィスを構えるビルが爆破された。一方、西ドイツでは日本人学校の生徒の誘拐事件が!さらにタイでも…。犯行は『悪魔の劇場』と名乗るテロ組織。一連の事件は、やがて謎の集団の恐るべき目的を明らかにしていくのだった。国際社会を舞台に壮大なスケールで展開する陰謀ノベルの大作。
ドイツと日本を股にかけた誘拐事件…その真相を追うICPOの京増は、『悪魔の劇場』の手によって射殺される。また、往年の腕利き特務機関員である坂主は、愛孫を誘拐した犯人グループの標的が、実は自分自身であることを察知!謎の鍵を解くためタイへ飛ぶ。本格スパイ物の第一人者が世界的恐怖の実態を描く巨編、完結。
レコーディング・ディレクターの不死原徹は、元恋人・スーザンの依頼で、富豪ジプシー・アルのため、レコード制作にロスへやってきた。アルのヨットに向かう車を、突然何者かが狙撃。運転手が言った。アルの客はすべて狙われる、と。ヨットのキャプテンは、徹を狙うのはネオ・ナチだと言う。そしてヨットが爆破され、さらにスーザンが誘拐されてー。ジプシー音楽の謎と、ネオ・ナチの組織が絡み合う冒険アクション。
長崎沖で発見された元寇船内の遺物。そこには、大モンゴル帝国崩壊の謎が隠されていた!第4代皇帝モンケ・ハンが発した華麗な“酒の噴水”建造の命。それを受けて製作にとりかかった一団の中に、皇帝暗殺を狙う男の眼が輝いていた!諸説紛々のモンゴル帝国皇帝の死因に新説で迫る壮大な歴史スパイ小説の傑作!
成田に向かうジャンボ機内で、アフリカ帰りの青年が原因不明の発熱で苦しみだした。同乗していた細菌学の権威は、“ラッサ熱”の疑いありと診た。数時間で死亡、治療法もない悪質伝染病だ。危険度は最高の“4”!ついに成田に上陸した恐怖のウイルスの2次感染防止は…!?海外旅行者に警告!明日起こるかもしれない戦慄小説!