著者 : 近藤史恵
それはわたしの人生に、ひさしぶりに点った、遠い目標だった。 壁も屋根も、街全体が真っ青でまるで夢の中に迷い込んでしまったような、モロッコのシャフシャウエン。二十七歳の岬はここに「自分を少し捨てに」やってきた。グラスにあふれんばかりの生のミントと熱くて甘い緑茶を注いだミントティーや、帽子のような鍋に入ったレモンとチキンのタジン。初めての景色と料理に出会った岬に、予想外の事態が起こり……。(「ジブラルタルで会えたら」)長年の介護が突然終わった佳奈は、アイスランドを訪れた。胸を突かれるように美しい氷河湖や、屋台で買って頬張る熱々の“全部のっけ”のホットドッグ。輝かしい未来なんて想像もできなかった佳奈だけれど、胸にある思いが湧きあがる……。(「オーロラが見られなくても」)
■第35回鮎川哲也賞選評、および第3回創元ミステリ短編賞選評&受賞作・ジョウシャカズヤ「中年交差点ゲーム」、鷲羽 巧「幽霊写真」掲載。■駅チカで格安の池袋のシェアハウス。そこには、一風変わった奇妙な名探偵がいる! 待望の新連載、青柳碧人『シェアハウス・ユガミ』スタート。■謎と人の心の機微を描く、傑作読切 近藤史恵「さやいんげんと彼女の記憶」、櫻田智也「迷蝶」、東川篤哉「鳥越さんは立派な被害者」掲載ほか。
南天の木の植わった坪庭がある、京都の小さなゲストハウス「風待荘」。家族を失い東京からやってきた眞夏は、ここでしばらくオーナーの仕事を手伝うことになった。泣きたい毎日を変えるきっかけをくれたのは、料理。古い台所で作る九条葱と厚揚げの衣笠丼や、すぐきの焼きめし、近所で出会ったふわふわのだし巻き卵のサンド、レトロな喫茶店のゼリーポンチフロート。同居する四人の女性やお客さんと食卓を囲む時間に心を癒されていくなか、まさかの人物が眞夏を訪ねてやってくる……。
【シリーズ累計40万部突破!】 ビストロ・パ・マルへようこそ。 コロナ禍も乗り越え、 おなじみのスタッフが皆様をお待ちしております。 シェフ三舟の絶品料理と 鮮やかな推理をご堪能ください。 下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マルのスタッフは、変人シェフ三舟さんとスーシェフの志村さん、ソムリエールの金子さん、ギャルソンの高築くんの四人。 コロナ禍で厳しい状況の飲食店業界、〈パ・マル〉でも、テイクアウトメニューを考えたり、料理教室を始めたり……。そんななかで、料理教室で起きた気まずい出来事、ひとり分のテイクアウトを買いにくる男子中学生の謎、自身のレストランにスタッフが定着しない理由がわからず悩む他店のシェフ、高築くんのいとこのプロポーズ計画等々、名探偵シェフのまわりには相変わらず謎や相談ごとがいっぱい。全七編を収めた待望のシリーズ第四弾。 ◆収録作品 「クスクスのきた道」 「未来のプラトー・ド・フロマージュ」 「知らないタジン」 「幻想のフリカッセ」 「間の悪いスフレ」 「モンドールの理由」 「ベラベッカという名前」
失ったものと手に入らなかったものについて、お話しします。クラスメイトの稚拙な行動の理由。パリに降り立った彼女の秘めた思い。忘れ得ぬ在りし日の祖母の姿。他人のものばかり欲しがるあの子。いるはずのない住人の気配。甘やかに秘密を分かち合う二人の女。宿命的な死に蝕まれた村。妻と別れた男に訪れた非日常。言い訳はいらない。もう、とりつくろえない。隠された真実に気づかせてくれる珠玉の作品集。
世界のさまざまなカフェメニューを提供する、カフェ・ルーズ。円が営むカフェもコロナ禍の影響を受けていて……。日常のちいさな事件や、モヤモヤすることを珍しいお菓子が解決していく。「こんなカフェに行きたい!」の声続々のコージーミステリー第二弾。
【新連載】 名探偵の有害性 第1回 桜庭一樹 ●一世を風靡したかつての名探偵。わたしは彼の、助手だったーー直木賞作家が贈る最新長編! 【特集 舞台(ステージ)!】 ここにいるぼくら 近藤史恵 ●「キャス変」が、いかに大きな波紋を呼ぶか、ぼくはまったく気づいていなかった 宝石さがし 笹原千波 ●夢を諦めたデザイナーと、挫折を経験したバレエダンサー。ふたりが挑む新たなステージはーー おかえり牛魔王 白尾 悠 ●正しく目立つ、美しい同僚。空気を読まず、定時で颯爽と職場から消える彼女が、何より優先するものとは ダンス・デッサン 雛倉さりえ ●劇団に所属し、日々ミュージカルの舞台に立つ瀬木。心にはいつも亡くなった友人、理人の姿があった モコさんというひと 乾 ルカ ●二・五次元の観劇を生きがいにする真美。あるフォロワーの呟きに目が止まって…… 『007/カジノ・ロワイヤル』宝塚歌劇にて舞台化記念 特別インタビュー 宝塚歌劇団 宙組トップスター 真風涼帆 【小特集 読む、味わう、絶対ハマる!〈猟区管理官ジョー・ピケット〉の世界】 発砲あり C・J・ボックス 野口百合子 訳 ●広大な丘陵地帯でハンターの車が撃たれた。猟区管理官のジョー・ピケットが現場に向かうと……。大人気シリーズが短編で登場! 〈猟区管理官ジョー・ピケット〉シリーズの魅力 西部の大自然と心優しき正義の男 三橋 曉 ここだけの訳者あとがき 野口百合子 2023年6月刊行! 新刊 『Off the Grid』紹介 【小説】 明治殺人法廷 第4回 芦辺 拓 きみのかたち 第7回 坂木 司 特撮なんて見ない 第7回 澤村伊智 記憶の対位法 第4回 高田大介 ときときチャンネル#4【近所の異世界散歩してみた】 宮澤伊織 【特別企画】 第23回本格ミステリ大賞候補作決定! 第23回本格ミステリ大賞予選会選評・選考経過 日本推理作家協会賞の新部門「翻訳小説賞」スタート 【ESSAY】 私の小さな地図帖 その一 海へつづく道 山崎佳代子 装幀の森 第6回 アルビレオ 翻訳のはなし 第8回 仕事と締め切り 杉田七重 乱視読者の読んだり見たり 第6回 『ロリータ』と映画 若島 正 ホームズ書録 蔵書の価値に十年以上気づかなかった『怪人魔人』 北原尚彦 【COLUMN】 ひみつのおやつ*取引先からいただくお土産 なみあと 私の必需品*ブックカバー 砂村かいり 【INTERVIEW 期待の新人】 真紀涼介 【INTERVIEW 注目の新刊】 『赤い月の香り』 千早 茜 『花に埋もれる』 彩瀬まる 【BOOKREVIEW】
【特集】今こそ見逃せない! 大注目の翻訳ミステリ 印象的な男 ピーター・スワンソン 務台夏子 訳 アマポーラ ルイス・アルベルト・ウレア 門野 集 訳 2022年東京創元社の翻訳ミステリ刊行リスト 2022年上半期翻訳ミステリの動向 若林 踏 ジャナ・デリオン 〈ワニ町〉シリーズ応援イラスト 松島由林 名作ミステリ新訳プロジェクト・パーフェクトガイド 祝 翻訳ミステリー大賞および読者賞決定! 【特集】慄(ふる)える・惑(まど)う・憑(つ)かれる 真夏のホラー 古池町綺譚 小田雅久仁 紹興庵(しょうこうあん) 幻想文学会の思い出 南條竹則 赤虫村の怪談 大島清昭 芦花公園『とらすの子』刊行記念鼎談! 多彩な恐怖の探求者たちーー新鋭ホラー作家ガイド 朝宮運河 創元ホラー長編賞 応募規定 【新連載】 記憶の対位法 第1回 高田大介 【小説】 夫の罪と妻の罪 犯罪相談員〈2〉 石持浅海 きみのかたち 第3回 坂木 司 間の悪いスフレ 近藤史恵 わたしたちの怪獣 久永実木彦 ホロウ・ダンス 雛倉さりえ 刑事何森 逃女 丸山正樹 ※澤村伊智「特撮なんて見ない」は休載です 【ESSAY】 装幀の森 第2回 アルビレオ ぼくたちが選んだ 第4回 有栖川有栖・北村 薫・宮部みゆき 翻訳のはなし 第4回 スウェーデン語─英語─スウェーデン語 柳沢由実子 ※若島 正「乱視読者の読んだり見たり」は休載です 【COLUMN】 ひみつのおやつ*ラムネ 八目 迷 私の必需品*オフの環境 阿泉来堂 【INTERVIEW 期待の新人】 藤 つかさ 五十嵐律人 【INTERVIEW 注目の新刊】 『汝、星のごとく』 凪良ゆう 『夜の道標(どうひょう)』 芦沢 央 【BOOKREVIEW】 [文芸全般] 瀧井朝世 [国内ミステリ] 宇田川拓也 [翻訳ミステリ] 村上貴史 [SF] 渡邊利道 [ファンタジイ] 三村美衣
大きな料理屋「しの田」のひとり娘である真阿。十二のときに胸を病んでいると言われ、それからは部屋にこもり、絵草紙や赤本を読む毎日だ。あるとき「しの田」の二階に、有名な絵師の火狂が居候をすることになる。「怖がらせるのが仕事」と言う彼は、怖い絵を描くだけではなく、普通の人には見えないものが見えているようだ。絵の犬に取り憑かれた男、“帰りたい”という女の声に悩む旅人、誰にも言えない本心を絵に込めて死んだ姫君…。幽霊たちとの出会いが、生きる実感のなかった真阿を変えていく。
シャルロットは七歳の雌のジャーマンシェパード。お利口だけれど、普段はのんきな元警察犬。彼女と一緒にいると、いろんな事件に遭遇する。向かいの家には隠されたもう一人がいる?偶然関わることとなったドッグスクールの不穏な噂とは?それでも、シャルロットと出会えて本当に良かった。謎に惑い、犬と暮らす喜びに満ちた、極上のコージーミステリー!
「怪と幽」9号では「家」を特集! 「ステイホーム」が呼びかけられ、家で過ごす時間が増えました。本来なら心休まる場所である「家」でナニかが起きたら……憩いの場は一転して、恐怖の牢獄へと変貌することでしょう。 近年、松原タニシ『事故物件怪談 怖い間取り』や雨穴『変な家』がベストセラーとなり、小説では小野不由美による連作「営繕かるかや怪異譚」、澤村伊智『ししりばの家』、アンソロジー『家が呼ぶ 物件ホラー傑作選』……といった濃厚な家系(いえけい)作品が注目を集めています。 化け物屋敷から事故物件までーー引き籠りがちないまこそ、我が家の“怪と幽”を堪能しよう! ●特集 あやしい家 【対談】辻村深月×大島てる 場所の魔力、家族という呪縛 【対談】澤村伊智×松原タニシ 事故物件への複雑な思い 【創作】雨穴 不安な家 【寄稿】荒俣宏 こわい家を建てた人々 【寄稿】一柳廣孝 いつの世も家の怪異は恐ろしい 【寄稿】加門七海 日本家屋の呪術 【レポート】川奈まり子 怪談作家の成仏不動産ルポ “成仏”が事故物件の未来を救う!? 【寄稿】吉田悠軌 幽霊屋敷か事故物件か 【寄稿】東雅夫 文豪たちの怪しき我が家 【ブックガイド】朝宮運河 それでも家は呼ぶーー〈家系〉ホラーブックガイド ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、近藤史恵、恒川光太郎、澤村伊智 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ 小松和彦、東雅夫、加門七海、村上健司&多田克己 ●グラビア 泉朝樹、芳賀日出男、佐藤健寿、怪食巡礼 ●怪談実話 村田らむ、鳴崎朝寝、岡利昌 ●情報コーナー 押切蓮介×泉朝樹、波津彬子×山内麻衣子、宇佐美まこと、伊藤龍平、氷厘亭氷泉、岩国物の怪地図研究会、中野晴行、藤川Q、谷原菜摘子 etc……
真面目な姉と自由奔放な妹。二人の姉妹に訪れる思いがけない出来事とはーー 北大阪で70年続く和菓子屋「凍滝」の二人姉妹、小梅とつぐみ。姉の小梅は家業を継ぐため進学せず、毎日店に出て和菓子作りに励む働き者。 妹のつぐみは自由奔放。和菓子屋を「古臭い」と嫌い、大学で演劇にのめり込みながら、中東の国に留学したいと言って母とよく喧嘩をしている。 そんなある日、43年前に亡くなった曾祖母の魂が、何故かつぐみの身体に乗り移ってしまう。凍滝の創業者だった曾祖母は、戸惑う小梅に 「ある手紙をお父ちゃん(曾祖父)の浮気相手から取り戻してほしい」と頼んできた。 手紙の行方を辿る中で、少しずつ明らかになる曾祖母の謎や、「凍滝」創業時の想い。姉妹は出会った人々に影響されながら、自分の将来や、家族と向き合っていく。 「ビストロ・パ・マル」シリーズの近藤史恵が描く、少し不思議であたたかな傑作家族小説!
■「ミステリーズ!」の後継誌ついに創刊。コンセプトは、国内外のミステリ、SF、ファンタジイ、ホラーを刊行してきた東京創元社による「総合文芸誌」。■『蝉かえる』で第74回日本推理作家協会賞、第21回本格ミステリ大賞W受賞の櫻田智也が贈る、〈エリ沢泉〉シリーズ最新作。■第21回本格ミステリ大賞全選評、一挙掲載。■第31回鮎川哲也賞&第18回ミステリーズ!新人賞選評、ならびに第18回ミステリーズ!新人賞受賞作「三人書房」掲載ほか。 ■目次■ 『紙魚の手帖』創刊にあたって 【創刊記念特別エッセイ】 投げ込みマガジン〈紙魚の手帖〉 戸川安宣 【受賞作決定!】 第31回鮎川哲也賞 選評 辻 真先・東川篤哉・麻耶雄嵩 第18回ミステリーズ!新人賞 選評 大倉崇裕・大崎 梢・米澤穂信 【第18回ミステリーズ!新人賞受賞作】 三人書房 柳川 一 ●第18回ミステリーズ!新人賞受賞作。若き日の江戸川乱歩を描く、流麗な謎解き譚 【第21回本格ミステリ大賞全選評】 第21回本格ミステリ大賞受賞作決定! 第21回本格ミステリ大賞選考経過 受賞の言葉 [小説部門] 櫻田智也 [評論・研究部門] 飯城勇三 選評 小説部門 選評 評論・研究部門 【日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞受賞第一作】 白が揺れた 櫻田智也 ●ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、悲劇の真相は?〈エリ沢泉〉シリーズ最新作! (※「エリ」は「魚」偏に「入」) 【読切】 ゼロ 加納朋子 ●私の元にやってきたのは、カフェオレ色の天使だった。少女と犬の絆を描く最新ミステリ! スフレとタジン 近藤史恵 ●コロナ禍の影響で志村さんが講師で始めた〈パ・マル〉の料理教室。タジン鍋を使うモロッコ料理を……。 フォトジェニック 秋永真琴 ●カメラを構える彼女の目に、この世界は、僕は、どんなふうにうつっているんだろう? 気鋭が贈る傑作掌編。 108の妻 石川宗生 ●点描の妻、夢見る妻、革命家の妻、お品書きの妻……様々な「妻」をお楽しみください。 セリアス 乾石智子 ●ひっそりと暮らす魔道師夫婦、彼らの秘密とは…… 魚泥棒は誰だ? ピーター・トレメイン 田村美佐子 訳 ●修道院の厨房で起きた二件の事件をフィデルマが解き明かす 【INTERVIEW 期待の新人】 千田理緒 『五色の殺人者』 大島清昭 『影踏亭の怪談』 【BOOKREVIEW】 [文芸全般] 瀧井朝世 [国内ミステリ] 宇田川拓也 [翻訳ミステリ] 村上貴史 [SF] 渡邊利道 [ファンタジイ] 三村美衣 『紙魚の手帖』創刊記念読者プレゼントキャンペーン 執筆者紹介 編集後記・次号予告
唯一無二のホラー漫画家・楳図かずおを特集! 「恐怖漫画」の第一人者として他の追随を許さない漫画家・楳図かずおは、一九五五年に貸本漫画家としてデビューする。 六一年に短篇「口が耳までさける時」を発表して以降、次々にホラー漫画を世に送り出し、読者の背筋を凍りつかせた。 ストイックに恐怖を追求する作風は、漫画にとどまらずジャンルを超えた表現者に多大な影響を与えている。 九五年に完結した『14歳』以降、漫画執筆を休止しているものの、色あせない楳図作品は新たな読者を惹きつけ続けているのだ。 そしてこの度、初期名作を一気に味わえるホラーシリーズ「こわい本」が角川ホラー文庫から刊行開始された。 唯一無二の恐怖世界を御堪能あれ! 強力な連載陣もお見逃しなく! ●特集 楳図かずおホラーワールド 【インタビュー】激白! 楳図かずおインタビュー「楳図式ホラーの流儀」 【漫画】復刻! 「のろいの面」楳図かずお 【告知】注目! 「こわい本」刊行開始! 【寄稿】耽溺! 楳図ファンが選ぶ戦慄の一作 伊藤潤二、大槻ケンヂ、小野不由美、片岡愛之助、児嶋都、近藤ようこ、高橋葉介、ピエール瀧、ヒグチユウコ、諸星大二郎 【コラム】仰天! 楳図かずおの軌跡 【コラム】熱唱! UMEZZレコードガイド 【コラム】堪能! UMEZZ映像作品ガイド 【エッセイ】熱愛! 綾辻行人「今さら「ラブレター」なんて……」 ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、山白朝子、澤村伊智、近藤史恵 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ/インタビュー 京極夏彦、荒俣宏、東雅夫、加門七海、村上健司&多田克己、鈴木優作 ●グラビア げみ、芳賀日出男、佐藤健寿、怪食巡礼 ●怪談実話 岩井志麻子、牛抱せん夏、しのはら史絵 ●お化け友の会ひろば ナカニシア由ミ、伊藤慎吾、河野隼也、岩名謙太、Apsu Shusei etc……
江戸期に活躍した初代林家正蔵が祖とされる怪談噺。そして今年、没後120年となる三遊亭圓朝による『怪談牡丹灯籠』『真景累ヶ淵』『怪談乳房榎』といった名作は、いまなお演じ継がれていると同時に、怪談文芸の傑作でもある。講談や浪曲でも怪談や幽霊/化け物を題材とする演目は大衆の心をつかみ続け、現代の創作にも深い影響を与え続けている。伝統的な怪談噺から妖怪たちが登場する滑稽噺までーー昨今にわかに注目が集まる落語・講談・浪曲といった語りの伝統芸の魅力を、「怪と幽」的な側面からフォーカスする! 京極夏彦「遠巷説百物語」がついに最終話! そのほか強力な連載陣もお見逃しなく!! ●特集 落語・講談・浪曲 伝統話芸のすゝめ 【対談】柳家喬太郎×北村薫 【インタビュー】神田松鯉 【対談】柳亭小痴楽×平山夢明 【対談】玉川奈々福×東雅夫 【インタビュー】蜃気楼龍玉 【インタビュー】柳家権之助&柳家小太郎 【寄稿】杉江松恋 ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、近藤史恵、山白朝子、恒川光太郎、真藤順丈、澤村伊智 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介 ●論考/エッセイ/インタビュー 荒俣宏、東雅夫、加門七海、村上健司&多田克己 ●グラビア シラノ、芳賀日出男、佐藤健寿、荒俣宏の妖怪伏魔殿2020、怪食巡礼 ●怪談実話 黒木あるじ、東亮太、深津さくら ●お化け友の会ひろば 鈴木光司×安曇潤平、お化けゲーム最新情報、「小松和彦退任記念講演会」レポート、新潟妖怪研究所、妖怪美術館、「ひどい民話を語る会」レポート etc……
妖怪や怪談を愛する偉大なる先達らが拓いた地平には、いまや幅広い分野から猛者が合流しつつあります。そこに新鋭やベテラン、学会や在野などといった垣根は関係ありません。第一特集では研究書からアンソロジーまでーー近年に刊行された群雄割拠の注目本と執筆者を御紹介します。新時代を開拓する探究者たちの活躍に刮目を! 第二特集では、今年六月に角川文庫版の刊行がスタートした小野不由美によるホラー&ミステリ「ゴーストハント」シリーズの魅力をお届けします。 ●特集1 次代の探究者たち 【インタビュー】朝里樹 【対談】東雅夫×朝宮運河、一柳廣孝×木場貴俊 【寄稿】飯倉義之、伊藤慎吾、井上真史、今井秀和、大道晴香、木下昌美、駒ヶ嶺朋子、佐野誠子、畑中章宏、廣田龍平 【ブックガイド】式水下流 ●特集2 小野不由美「ゴーストハント」入門 「ゴーストハント」全作紹介 二〇二〇年版 キャラクター人気ランキング 【寄稿】辻村深月、いなだ詩穂 ●小説 京極夏彦、小野不由美、有栖川有栖、近藤史恵、山白朝子、恒川光太郎、真藤順丈 ●漫画 諸星大二郎、高橋葉介、押切蓮介、波津彬子 ●論考/エッセイ 荒俣宏、小松和彦、東雅夫、加門七海、多田克己&村上健司 ●グラビア 鈴木次郎、芳賀日出男、佐藤健寿、アマビエスイーツ、怪食巡礼 ●怪談実話 松原タニシ、郷内心瞳、杉背よい ●お化け友の会ひろば 浅沼晋太郎、松原タニシ、高橋葉介、逢香、大蛇堂 etc……
小説家の織部妙は順調にキャリアを積む一方、どこか退屈さも感じていた。そんなある日、“美人作家”として話題の新人、橋本さなぎの処女作に衝撃を受ける。しかし、文学賞のパーティで対面した橋本の完璧すぎる受け答えに、なぜか幻滅してしまう。織部の興味を惹いたのは、橋本の秘書である初芝祐という女性だった。初芝への気持ちを持て余す織部は、やがて「橋本さなぎ」の存在に違和感を抱くようになる。その小さな疑惑は開けてはならない、女同士の満たされぬ欲望の渦への入り口だった…。「第13回エキナカ書店大賞」受賞作家の最新作。
「怪と幽」4号では、時代を超えて読み継がれる名作から一部の世代に多大な影響を与えた奇書までーー子どもたち、そしてかつて子どもだったすべての人々に贈るこわ〜い本を特集。子どもたちが初めて出会う「おばけ」を作り上げた、せなけいこ氏のおばけ哲学から、今年で30周年を迎える「学校の怪談」シリーズの常光徹氏へインタビュー、初めて絵本を手掛けた佐野史郎氏と有栖川有栖氏の対談、総勢18名の作家らが選んだ「私のトラウマ本」など、盛りだくさんでお送りします。特別企画として、国際日本文化研究センターの所長を退任された小松和彦氏へのロングインタビューを掲載。強力連載陣も健在です! ●特集 こわ〜い本 ぼくらはお化けと育った 【グラビア】「せなけいこ流おばけの作り方」 【インタビュー】常光徹 「『学校の怪談』と子どもたちの三十年を振り返る」 【対談】佐野史郎×有栖川有栖 「子どもたちに恐怖を」 【アンケート】「私のトラウマ本」 押切蓮介、乙一、加門七海、貴志祐介、小松和彦、近藤史恵、佐藤健寿、真藤順丈、高橋葉介、多田克己、恒川光太郎、東雅夫、平山夢明、松村進吉、宮部みゆき、村上健司、夢枕獏、綿矢りさ 【寄稿】黒坂真由子 「せなけいこのおばけ哲学」 【レポート】「令和の子供たちに訊く! こわ〜い本」 【寄稿】黒史郎 「少年少女雑誌はオカルト記事の宝庫」 【競作】澤村伊智 「赤い学生服の女子」 、芦沢央 「冬に真実は伝えない」 ●特別企画 国際日本文化センター所長御退任記念ロングインタビュー 小松和彦の軌跡 ●小説 京極夏彦/小野不由美/近藤史恵/山白朝子/恒川光太郎/真藤順丈 ●漫画 諸星大二郎/高橋葉介/押切蓮介/波津彬子 ●論考・エッセイ 荒俣宏/東雅夫/加門七海/多田克己、村上健司 ●グラビア 七原しえ/芳賀日出男/佐藤健寿/怪食巡礼 ●怪談実話 朱雀門出/丸山ゴンザレス/田辺青蛙 ●お化け友の会ひろば インタビュー 荒俣宏「妖怪伏魔殿」 インタビュー 南條竹則『ゴーストリィ・フォークロア』 インタビュー 清野とおる『東京怪奇酒』 寄稿 三輪チサ「枚方怪談サークル」 寄稿 方南町お化け屋敷「オバケン」 寄稿 香川雅信「 驚異と怪異 -モンスターたちは告げるー」 寄稿 東洋大学「妖怪 meets SPORTS」 レポート ドラえもん50周年展「ゾ〜ッとするこわい話」 etc