著者 : 逢坂かおる
なぜ今になって帰ってきたの? ーー彼は自分そっくりの息子を見つめた。 事故死したはずの大富豪の夫を目の前にして、タラは呆然とした。 まさかマイケルが生きていたなんて! タラの脳裏に2年前のことがあざやかに浮かぶ。 周囲の反対を押し切って結婚した二人の幸せは、長くは続かなかった。 やがて二人はベッドの中でしかわかり合えなくなり、 互いを傷つけるようになった。そんな中、届いたマイケルの訃報……。 以来、タラは感情を殺し、抜け殻のように生きてきた。 夫の忘れ形見ーーブランドンだけを心の支えにして。 なぜなの? いったい今まで、どこで何をしていたの? マイケルは語りだした。記憶をなくしていた2年間のことを。 様々な時代の選りすぐりのディザイアの話題作をお贈りする“ハーレクイン・ディザイア傑作選”。今作は、大人気のシークレットベビーがテーマの再会物語です。2年ぶりに会った夫の愛を信じられず、ヒロインは心を閉ざしますが……。
キンバリーは脅迫状を受け取り、背筋を凍らせた。 すぐさま500万ドル用意しなければ、息子を誘拐するというのだ。 彼女はやむなく、二度と顔も見たくなかった実業家ルスを訪ねた。 ほかの女の影に怯える日々に疲れ、 捨てられるようにして別れて以来、彼とは一度も会っていない。 しかもルスは知らないが、彼は息子の父親でもあるのだ。 ルスははなから贅沢のための金だと決めつけ、嘲笑とともに、 報酬として2週間、自分の愛人になるよう要求した。 彼女は言いなりになるしかなかった。たとえ辱められても。
セイラは身重の体で交通事故に遭い、九死に一生を得た。 身ごもっているのは愛する医師ダンとの子だが、 生まれた瞬間から、その子は彼女のものではなくなる。 そう、セイラは密かに想っていたダンを妹に奪われた上、 妹が妊娠を拒否したため代理母になることを強要されたのだ。 事故はセイラを打ちのめしたが、お腹の子の無事と、 毎日病室を訪れてくれるダンだけが、心の救いだったーー 彼が気にかけているのは子どものことだと、わかってはいるけれど。 妹は見舞いに来ない。セイラは決して誰にも言えなかったが、 事故の瞬間、車の運転席に見えたのは……妹の顔だったのだ。 涙なくしては読めない感動のメディカル・ロマンスが人気のジョージー・メトカーフ。双子を妊娠した代理母ヒロインの、ドラマティックなクリスマス・ロマンスをお届けします。
高額な母の医療費を払うため、シャノンは代理母になる決心をした。子供を望んでいるのは、理想の結婚相手だと誉れ高い独身の大富豪、バーク・エリソン・ビショップだ。恵まれない幼少期を過ごしたせいで、愛も女性も信じられない彼は、面接で採用した女性に、自分の子を産んでほしいのだという。めでたく合格し、人工授精で身ごもったシャノンだったが、やがて体だけでなく心の変化に気づいて呆然とした。なにくれとなく気遣ってくれるバークに、いつしか惹かれていたのだ。彼が欲しいのは妻ではなく、おなかの子だけだと知りながら。