著者 : 酒井武志
占領都市 TOKYO YEAR ZERO 2占領都市 TOKYO YEAR ZERO 2
1948年1月26日。雪の残る寒い午後。帝国銀行椎名町支店に白衣の男が現われた。男が言葉巧みに行員たちに飲ませたのは猛毒の青酸化合物。12人が死亡、四人が生き残り、銀行からは小切手と現金が消えた。悪名高い“帝銀事件”である。苦悶する犠牲者たちのうめき、犯人の残した唯一の物証を追う刑事のあえぎ、生き残った若い娘の苦悩、毒殺犯と旧陸軍のつながりを知った刑事の絶望、禁じられた研究を行なっていた陸軍七三一部隊の深層を暴こうとするアメリカとソヴィエトそれぞれの調査官を見舞う恐怖、大陸で培養した忌まわしい記憶と狂気を抱えた殺人者。史上最悪の大量殺人事件をめぐる12の語りと12の物語ー暗黒小説の鬼才が芥川龍之介の「薮の中」にオマージュを捧げ、己の文学的記憶を総動員して紡ぎ出す、毒と陰謀の黒いタペストリー。
TOKYO YEAR ZEROTOKYO YEAR ZERO
一九四五年八月十五日ー東京、品川の軍需工場で女性の腐乱死体が発見された。そして一年後に発見される第二、第三の死体…敗戦を機に解き放たれた殺人鬼。そいつは何者なのか?それを追う警察もまた、その内部に大いなる秘密を隠しー実在の連続殺人鬼・小平義雄の事件をモチーフに現代イギリス文学の旗手デイヴィッド・ピースが描く日本の「占領」とその闇。戦慄の超大作“東京三部作”開幕。
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