著者 : 野崎まど
「物語に救われ、読書に呪われた」 君はなぜ、小説を読むのか? 読者を唖然とさせる飛躍とどんでん返しが待っていて、「小説」の意味を痛切に問い直す。--小川哲 何もかも投げ出して小説に没頭するうしろめたさを知るすべての人に捧げたい傑作。--大森望 小説を愛するすべての人に届くべき作品。--けんご 【あらすじ】 五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。 一二歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会い、二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。 そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。 しかし、その屋敷にはある秘密があった。 読むだけじゃ駄目なのか。 それでも小説を読む。 小説を読む。 読む。 宇宙のすべてが小説に集まる。
至高のAI『タイタン』により、社会が平和に保たれた未来。人類は“仕事”から解放され、自由を謳歌していた。しかし、心理学を趣味とする内匠成果のもとを訪れた、世界でほんの一握りの“就労者”ナレインが彼女に告げる。「貴方に“仕事”を頼みたい」彼女に託された“仕事”は、突如として機能不全に陥ったタイタンのカウンセリングだったー。
「お前は記録世界の住人だ」本好きで内気な男子高校生、直実は、現れた「未来の自分」ナオミから衝撃の事実を知らされる。世界の記録に刻まれていたのは未来の恋人・瑠璃の存在と、彼女が事故死する運命だった。悲劇の記録を書き換えるため、協力する二人。しかし、未来を変える代償は小さくなかった。世界が転回する衝撃。初めての感動があなたを襲う。新時代の到来を告げる青春恋愛SF小説。
日本の“新域”で発令された、自死の権利を認める「自殺法」。その静かな熱波は世界中に伝播した。新法に追随する都市が次々に出現し、自殺者が急増。揺れる米国で、各国首脳が生と死について語り合うG7が開催される!人類の命運を握る会議に忍び寄る“最悪の女”曲世の影。彼女の前に正崎が立ちはだかるとき、世界の終わりを告げる銃声が響く。超才が描く予測不可能な未来。
野崎まどが脚本を手がけたテレビアニメ『正解するカド』のノベライズを依頼された作家・乙野四方字は、何を書けばいいのか悩むあまり、精神を病みつつあった。ついにはアニメに登場するキャラクター、ヤハクィザシュニナの幻覚まで見はじめる。記憶をなくしたというザシュニナに、乙野は一縷の望みをかけて小説の相談をするが…傑作SFアニメから生まれた、もうひとつの「正解」とは?衝撃のスピンアウトノベライズ。
突如羽田空港に出現した巨大立方体「カド」。人類はそこから現れた謎の存在に接触を試みるがーアニメ『正解するカド』の脚本を手掛けた野崎まどと、評論家・大森望が精選したファーストコンタクトSFアンソロジーをお届けする。筒井康隆が描く異星人との交渉役にされた男の物語、ディックのデビュー短篇、小川一水、野尻抱介が本領を発揮した宇宙SF、円城塔、飛浩隆が料理と意識を組み合わせた傑作など全10篇を収録
64人の同時飛び降り自殺ーが、超都市構想“新域”の長・齋開化による、自死の権利を認める「自殺法」宣言直後に発生!暴走する齋の行方を追い、東京地検特捜部検事・正崎善を筆頭に、法務省・検察庁・警視庁をまたいだ、機密捜査班が組織される。人々に拡散し始める死への誘惑。鍵を握る“最悪の女”曲世愛がもたらす、さらなる絶望。自殺は罪か、それとも赦しなのかー。
東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社と大学が関与した臨床研究不正事件を追っていた。その捜査の中で正崎は、麻酔科医・因幡信が記した一枚の書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚混じりの異様な血痕と、紙を埋め尽くした無数の文字、アルファベットの「F」だった。正崎は事件の謎を追ううちに、大型選挙の裏に潜む陰謀と、それを操る人物の存在に気がつき!?
「それは、乳房であった」男の独白は、その一文から始まったーミロのヴィーナスと衝撃的な出会いをはたした幼少期、背徳的な愉しみに翻弄され、取り返しようのない過ちを犯した少年期、サイエンスにのめりこみ、運命の友に導かれた青年期。性状に従った末に人と離別までした男を、それでもある婦人は懐かしんで語るのだ。「この人は、女性がそんなに好きではなかったんです」と。アニメ『ファンタジスタドール』前日譚。