著者 : 金子成人
島抜けした元博徒・丹次の兄捜しはいよいよ佳境。眼を悪くした兄・佐市郎の居場所へついにたどり着けそうな予感に気が逸る。一方家業の乾物問屋を潰し、親に首を吊らせ、佐市郎を捨てた兄嫁と情夫とは方をつけなければならない。そしてすべてが済んだ時、丹次が下した衝撃の決断ー。兄弟の強い絆に胸締め付けられる、感涙のシリーズ最終巻。
「謀反を企んで出奔した義弟を斬れ」。密命を受けた浜岡藩士・香坂又十郎は義弟の兵藤数馬を江戸で上意討ちにしたが、藩の身勝手な事情で脱藩扱いに。さらに目付の嶋尾久作が非情な裏仕事まで押し付けてくる。一体藩に何が起こっているのか?数馬が最期に残した言葉を頼りに真相を探る又十郎は、ついに鍵を握る下屋敷お蔵方の筧道三郎と対面する。抜け荷を疑われ、公儀と抗争を続ける藩は本当に潔白なのか?見張りの目を盗み、妻の万寿栄へ送った抜け文が事態を大きく変えるが…。再び最愛の妻と抱き合うために剣を振るう!大河時代小説シリーズ第三弾。
己に思わぬ好意を寄せ旅についてこようとしたお梅をなんとか振り切った巳之吉。京まで残りわずかとなり伊佐蔵と共に先を急ぐが、草津宿で腹を空かせた百姓の親子を助けたことをきっかけに、思わぬ人物の知己を得る。一方、江戸では、船宿『浮草』の住み込みとして働くお千代が、また妙なことを言い出してー。愛嬌たっぷりの若旦那が繰り広げる、笑いと涙の珍道中!時代劇界の超大物脚本家が贈る人気シリーズ、堂々の最終巻!!
家業を嫁とその情夫に潰され行方知れずとなった兄・佐市郎を救うため、島抜けした丹次。まずは眼を悪くした兄を支えていた女中の小春を捜そうとするが行方はつかめない。しかし偶然手に入れた、懐かしい兄の絵に似た忘れ草の刷り物から丹次に光明が差す。一方で兄嫁・お滝の居所について思わぬ話が舞い込み…。急展開のシリーズ第三弾!
長年離れて暮らしていた穏蔵が、音羽の顔役・甚五郎の身内になって一月足らず、倅との微妙な間合いに、いまだ戸惑う、付添い屋稼業の秋月六平太。ある夜、仕事の帰り道で鉢合わせた賊を斬り伏せて以来、謎の刺客に襲われはじめる。きな臭さが漂う中、六平太は日本橋の箔屋から依頼を受け、千住の百姓家で暮らす幸七のもとへ、娘のお糸を送り届けることに。ひとり宿に泊っていた六平太だったが、ふと、お糸の父・新左衛門の「なんとしても娘を連れ帰って下さい」という一言が思い浮かび、急ぎ表へ飛び出した。嫌な胸騒ぎが…。王道の人情時代劇第十二弾!
石見国浜岡藩奉行所の同心頭・香坂又十郎と妻・万寿栄の平穏な暮らしは、ある日を境に一変した。万寿栄の弟で勘定役の兵藤数馬が藩政の実権を握る一派の不正を暴くべく脱藩したのだ。藩命抗しえず、義弟を討った又十郎だが、それで、お役御免とはいかなかった。江戸屋敷の目付・嶋尾久作は又十郎を脱藩者と見なし、浜岡藩が表に出せない汚れ仕事を押し付けてくる。このままでは義弟が浮かばれない。数馬が最期に呟いた、下屋敷お蔵方の筧道三郎とは何者なのか。又十郎の孤独な闘いが続く。付添い屋・六平太シリーズの著者の新境地!大河時代小説シリーズ第二弾。
四日市宿で伊佐蔵の意外な正体を知ってしまった巳之吉。自分を子供扱いした祖父の儀右衛門に怒り心頭の巳之吉は、東海道の旅を放り出し伊勢を目指す。その途上、蝦夷から来た二人の客を伊勢詣に連れていくという大坂の海産物問屋『北海屋』の手代と知り合うが、辿り着いた伊勢の地で、蝦夷の二人が行方知れずになりー。愛嬌たっぷりの若旦那が繰り広げる、笑いと涙の珍道中!時代劇界の超大物脚本家が贈る人気シリーズ第四弾!!
日本橋の乾物問屋に生まれながらも博徒の道を歩んできた丹次。できそこないの自分にいつも優しかった兄・佐市郎の窮状を知り、八丈島から決死の覚悟で島抜けした。ようやく着いた江戸で佐市郎や家業を潰した兄嫁と情夫の行方を捜すが、追われ者の身ではままならない。そんな折、ふと懐かしい悪友の顔が浮かび…。人情沁みるシリーズ第二弾。
あの付添い屋が帰ってきた! 新章開幕! 第一話 春雷 秋月六平太は付添い屋をやめ、相良道場師範代を務めていた。ある日、飛騨屋母娘と舟遊びに出たところを破落戸に絡まれ、これを撃退。だが噂を聞いた口入れ屋に「隠れて付添い屋をしていたのか」と詰め寄られる。一方、十五歳になった穏蔵は八王子から江戸に出てきたが、肌に合わず奉公先を飛び出していた。 第二話 女医者 師範代を返上した六平太へ、中条流女医者かつ枝に付添う仕事が舞い込んだ。診療の帰り、外塀に貼られた姑獲鳥の札に、かつ枝は顔色を失った。そのころ、森田座の役者、河原崎源之助が行方不明になっていた。 第三話 鬼の棋譜 妙な男が市兵衛店を窺っているらしい。気になりながらも六平太は平岡宗雨の付添いへ出向く。将棋の才能に恵まれた宗雨だったが、態度が慇懃だと世間からの評判は悪かった。 第四話 一両損 穏蔵は甚五郎親分の下で働きたいという。二人を引き合わせた六平太は、音羽での騒ぎを耳にする。灰買いの女が集めた灰の中から高価な菩薩像が出てきたのだ。持ち主を探すため、六平太は町に噂話を流す提案をする。 【編集担当からのおすすめ情報】 シリーズ35万部突破、金子成人の大人気シリーズ、待望の新章スタート! 帯コメントは若村麻由美さん。 新シリーズ『脱藩さむらい』と書き下ろし二冊同時刊行!
香坂又十郎は、石見国、浜岡藩城下に妻の万寿栄と暮らしている。奉行所の町廻り同心頭であり、斬首刑の執行も行っていた。浜岡藩は、海に恵まれた土地である。漁師の勘吉と釣りに出かけた又十郎は、外海の岩場で脇腹に刺し傷のある水主の死体を見つける。浜で検分を行っていると、組目付頭の滝井伝七郎が突然現れ、死体を持ち去ってしまった。義弟の兵藤数馬によると、死んだ水主の正体は公儀の密偵だという。後日、城内に呼ばれた又十郎は、謀反を企んで出奔した藩士を討ち取るよう命じられる。その藩士の名は兵藤数馬であった。大河時代小説シリーズ第一弾!
赤坂宿で土地のやくざの抗争に駆り出されそうになるもなんとか逃げ出した巳之吉は、赤坂から遠ざかるべく先を急ぐが、橋の袂で下りた河原でお峰という女と知り合い、岡崎宿まで同道することに。奉公の年季が明けて生まれ在所に帰る途中だというお峰だが、思わぬ事実を打ち明け、巳之吉にある願いを託してくるー。愛嬌たっぷりの若旦那が繰り広げる、笑いと涙の珍道中!時代劇界の超大物脚本家が贈る人気シリーズ第三弾!!
博打の罪で遠島となった丹次は八丈島で平穏に暮らしていた。だがある日、新たに来た旧知の男が衝撃の話をもたらす。実家の乾物問屋が兄嫁に潰されて親は首を吊り、兄・佐市郎は行方知れずだという。優しい兄の窮状を知った丹次は焦燥にかられ、島抜けして遙か彼方の江戸を目指そうとするが…。時代劇の人気脚本家が贈る骨太の新シリーズ始動!
女に金を騙し盗られ、逗留を余儀なくされた岡部宿をあとにした『渡海屋』の若旦那の巳之吉は遅れを取り戻すべく先を急ぐ。小夜の中山峠も無事越えて見付宿に辿り着くが、無理が祟ったのか、街道の辻で倒れてしまう。目浚え女のおしげに助けられ、事なきを得た巳之吉だが、おしげの家にしばらく厄介になることになりー。愛嬌たっぷりの若旦那が繰り広げる、笑いと涙の珍道中!時代劇界の超大物脚本家が贈る痛快シリーズ第二弾!!
「このまま年だけ重ねて、どうなさるおつもりですか」付添い屋稼業でその日暮らしを続ける浪人秋月六平太の行く末を案じる人間は、少なくない。一年前に姿を消した情婦、音羽の髪結いおりきは海を望む神奈川宿にいると知れたのだが、六平太の腰は重かった。一方、伝助店の住人で下馬売りの太助の母親おていが失踪、二日後箱崎の川岸で死骸が見つかった。おていはこのところ他人の家に入り込んだり、店の物を盗んだりするような不行状をみせ、太助は手を焼いていた。おてい殺しを巡って奔走する六平太の前に、史上最強の敵が現れる。日本一の王道時代劇、第三部完結!
南新堀の廻船問屋『渡海屋』の若旦那である巳之吉は、家業には目もくれず、遊興三昧。気ままな日々を過ごしていたが、業を煮やした祖父の儀右衛門から、見聞を広げるため東海道を一人で旅するよう命じられる。そんなのはごめんだと拒否した巳之吉だが、とある事情から、泣く泣く江戸を離れざるを得なくなりー。愛嬌たっぷりの若旦那が繰り広げる、笑いと涙の珍道中!時代劇界の超大物脚本家が贈る、期待のシリーズ第一弾!
付添い屋で身を立てる浪人秋月六平太は、旧知の北町奉行所同心・矢島新九郎から、「打ち首獄門にかけられる罪人の、市中引き廻しに同道していただきたい」と依頼される。引き廻しにされるのは、兇盗で知られる犬神の五郎兵衛。半年前、四谷の塩問屋に押し入って五百両を盗み、殺しも働いていた。三月前、隠れ家を密告する投げ文があり、捕縛されたという。だが隠し金の在処は白状していない。五郎兵衛は死を前に六平太へ不思議な言葉を残す。五郎兵衛一味の残党たちが、六平太の身辺をうろつきはじめるのに、時間はかからなかった。日本一の王道時代劇第九弾!
江戸時代、世の中が停滞してくると、公儀は年号を改めた。天保二年初夏、付添い屋で生計を立てる浪人・秋月六平太は、同居していた妹・佐和の再婚を機に、浅草元鳥越の一軒家から近所の市兵衛店に移り住んでいた。付添いで知り合った訳ありの未亡人の世話を焼いたり、長屋の住人のごたごたに巻き込まれたりと、落ち着かない日々に変わりはない。市中では、荒っぱい押し込み強盗が頻発していた。そんなある日、六平太の隣の部屋に、座頭の杉の市という男が引っ越してきた。「この時代小説がすごい!」2016年版第4位にランクイン。日本一の王道時代劇第7弾!
良家の娘は、総じて気前がいい。付添い屋で身を立てている浪人・秋月六平太にとって、上客のおひねりほどありがたいものはない。その中でも、木場の材木商「飛騨屋」のお内儀おかねと、その娘お登世は、別格のお得意様だ。しかし、お登世の友人・美緒の芝居見物に付添ったころから、様子がおかしくなった。美緒がお登世に、六平太とただならぬ関係があったかのように話したからだ。悩みの種はほかにもある。血の繋がらない妹・佐和は縁談に足踏みしているし、窮地に立つ元の主家・十河藩の行く末も気にかかるのだが…。日本一の王道時代劇、第二部完結編!
付添い屋を稼業とする秋月六平太は、遠路鎌倉までの仕事を頼まれた。行き先は、駆込み寺として知られる東慶寺。味噌問屋「森嘉屋」のお内儀お栄は、夫の仕打ちに耐えかねて、離縁を決意したという。一方、六平太のかつての主家である信州十河藩加藤家は危急存亡の秋を迎えていた。財政難のところに、ご公儀から徳川家所縁の寺の改修を申しつけられたのだ。難局を乗り切るには、千両以上借金をしている材木商「飛騨屋」の力にすがるしかない。飛騨屋の妻女と昵懇の仲である六平太に、旧友から呼び出しがかかる。日本一の王道人情時代劇、円熟のシリーズ第五弾!書き下ろし長編時代小説。