著者 : 金薫
死の影が忍び寄る妻を看病する私の前で あなたのあふれる生命力はまばゆい光を放っていた 第6回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」受賞作を書籍化 大手化粧品会社で役員を務め現場の指揮を執る「私」は、前立腺炎を患いつつ、死期の迫った妻の看病をしている。病にむしばまれていく体へのぞっとするほどのリアルな描写と、社内の女性社員への秘めた思いの独白とが交差しながら物語が進んでいく。 「通俗的設定のようにも見えるが、作品は読者の安易な感情移入を冷たくあしらうかのように終末へと向かう」--訳者解説より 金薫(『狐将』、『黒山』)による2004年李箱文学賞受賞作を、原文と邦訳の二言語で収録。 【韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション】 翻訳家きむ ふなが今お勧めする作家の深い余韻と新たな発見を感じさせる短編を、日本語と韓国語の2言語で紹介するシリーズ。 韓国語の朗読をYouTubeで配信中。 CUON YouTube チャンネル https://www.youtube.com/user/cuonbooks ー「火葬」邦訳 ー 訳者解説 ー 原文「화장」
100年もの間続いた、朝鮮の天主教迫害。 その時代に生きた人々の欲望と絶望、そして希望 1800年代、天災による飢餓や疫病が蔓延していた頃、朝鮮王朝による天主教(ローマ・カトリック)信徒への迫害は凄惨を極めていた。 拷問で殺された三兄弟の生き残りで黒山(フクサン)島に流刑となった学者、無学ながら教えに惹かれる馬子、汁飯屋の寡婦、元宮女、船頭、黒島の少年、背教者…… 埋もれていた史実にこだわり、膨大な資料をもとに虚構を織り交ぜながら、人間たちの切実な生の営みを描く。 韓国を代表する作家、金薫による歴史小説の真骨頂。 ためし読みはこちらから ソンビ 使行 馬路利 船頭 手を包んだ布 朴チャドル 島 六本指 白い海 鈴三つ カニの足 監獄 それぞれの行く道 白い桔梗 アミの塩辛屋 馬夫 土の餅 トビウオ サバ ここで 讖言 水踰里 お兄ちゃん 黄嗣京 主教 航路 密偵 家作り 土窟 四人の女 草むらの虫の音 玆山 銀貨 潜伏 絹の文字 吐いた言葉 刑場 鶏の声 著者あとがき 参考文献 年代記 訳者あとがき