著者 : 金重明
戦端は日本軍の「朝鮮王宮占領」によって開かれた。「文明と野蛮の戦争」とされた日清戦争。はたして「野蛮」だったのはどちらか。日本・清・朝鮮の三者の視点から近代日本の方向を決定づけた「日清戦争」を多角的に描き、最新の研究成果をふまえつつその本質に迫る1500枚に及ぶ大作。
14世紀。朝鮮半島の王国・高麗は、中国を支配したモンゴル帝国の元に服属し、女性を差し出していた。少女ヤンも“貢女”として母とともにつらい道中を進んでいたが、元の武将の矢によって母を失う。逃れたヤンは男装し、スンニャンと名前を変え復讐を胸に生きることに…。13年後、高麗王ワン・ユの命を受け、高麗へ流罪となった元の皇太子タファンを警護することになったスンニャン。その出会いから三者の運命が、複雑に絡み合っていくー。裏切りと復讐、貫く愛。人気ドラマの原作小説。
元の皇室でタファンの側室となったヤンは、身を挺して毒を飲むまでして、皇后タナシルリを追い詰める。後宮で復讐のため生き続けるヤン。丞相ヨンチョルは、タファンとヤンの暗殺を企てる。命がけで自分を守ったタファンにヤンの心は揺れ、ついに夜を共に過ごす。ヨンチョルの埋蔵金探索を巡り、タファン、ペガン、ヤン、そしてワン・ユ、各者各様の思惑が渦巻く。元か高麗か、誇りある闘いか民の安寧か。三つ巴の愛の行方はー。権力と支配、惑う愛。ふたつの国に翻弄されるひとりの女性。流転の人生を壮大に描く歴史エンターテイメント。人気ドラマの原作小説。
女優のように美しかった韓国の女子大生、イ・チソンを襲った悪夢の交通事故。顔も体も、全身の55パーセントが黒焦げになる大火傷を追った彼女は絶望の淵で叫びました。「お兄ちゃん、わたしを殺して。こんなになって生きていけないわ!」。それから五年ー。『チソン、愛してるよ。』が日韓でベストセラーになって間もなく、チソンはシアトルに一年間語学留学し、今年二〇〇五年の三月、ボストン大学大学院に合格しました。リハビリテーション・カウンセラーになる夢に一歩一歩近づいています。きょうも幸せです。
陸の掟にとらわれず、遠い海の彼方を見据えた男・藤原純友。大きすぎる器ゆえに、闘いを宿命づけられた男・平将門。京都朝廷が腐敗の極みに達した十世紀。瀬戸内の海を闊歩する海賊衆を束ねた藤原純友は、遊女、傀儡衆、碧眼の美しい兵など、律令の枠からはみ出した「異端」たちを、不穏な空気が渦巻く東の国に放つ。いまだ謎に包まれる平将門・藤原純友の乱を、斬新な発想で描き尽くす、歴史エンタテインメント小説の新たな傑作。
8世紀の朝鮮、武力・財力ともに新羅の王を圧倒し、朝鮮半島から日本、唐、東南アジアまで、自在に駆けめぐった海人の王国があった。皐の民と呼ばれた海の勇者たち。彼らは、陸の権力を認めず海の掟に従って生きた。圧倒的な筆力!超大型新人が描く壮大な歴史ロマン。