著者 : 鏑木蓮
何者かに腹部を刺された五十嵐夏帆が大阪の三品病院に緊急搬送された。懸命な治療の甲斐もあり、損傷した脾臓を温存したまま夏帆は一命をとりとめたーかに思えたが、術後あり得ない速さで容態が急変、命を落としてしまう。死因は刺傷によるショック死、あるいは医療ミス、それともー?院長から死因の究明を命じられた内科医の家入陽太郎は、夏帆の事件を担当する大阪府警の刑事・成山有佳子の協力を得て調査を開始するが…。
母と父代わりの伯父に会わせるため、初井希美は婚約者の千住光一を待っていた。だが時間になっても現れず、彼はそのまま姿を消した。光一は限界集落をテーマにしたフォトエッセイを連載しており、ふたりは結婚後、地方移住の計画を立てていた。自宅のPCに転送された写真を手がかりに、光一の妹・美彩と足取りを追う途中、希美は光一の元交際相手・優子も失踪していることを知る。二人は一緒なのかー?悲しみと怒りを抱えつつ婚約者の足跡を追う女性がたどり着いた衝撃の真相!『白砂』の乱歩賞作家が放つ書下し社会派サスペンス。
全焼した自宅から精神科医の焼死体が発見された。自殺か他殺か。姿を消した妻の行方は。捜査が難航する中、京都府警の片岡真子は精神科医の遺品から、ある女性の事故死を知る。彼女の遺した「想い」に気づいた真子は、裏で糸を引く、人の心を持たぬ男に立ち向かうが。女性刑事の閃きが光る、本格警察ミステリー。
「『柳生月影抄外伝・逆風天ノ羽衣』、クランクアップしました」-至誠出版編集部の風見菜緒は、原作者の中西篤哉と京都太秦の撮影所を訪れていた。篤哉の柳生月影抄シリーズは、累計四〇〇万部を突破した人気シリーズだ。撮影の打ち上げの翌朝、菜緒は原稿を受けとるため、映画監督の亀井和将の事務所をたずねた。が、亀井は頭から血を流して倒れていた…。監督は、なぜ殺されたのか?封印されていた哀しい過去と現在を結ぶ、待望の書き下ろしミステリー。衝撃の結末が待っています。
京都の小さな町で、遺書らしきメモとともに34歳の女性・小倉由那の遺体が発見された。それから数日後、同じ町で心療内科を開業する慶太郎のもとを、女子高校生の棚辺春来が母親に連れられて訪ねてくる。彼女の不調の原因を探ろうとする慶太郎は、春来の口から由那の死に関する驚くべき疑念を聞いてしまう。
地元情報誌の記者・国吉冬美は、心酔するルポライターの杉作舜一が京都にきていることを知り心躍らせる。杉作は老老介護をテーマにしており、寝たきりで認知症を患う妻を介護する夫の取材に赴く。しかし妻は絞殺され、夫は首を吊って死んでいた。夫婦の死には何らかのメッセージが込められている、と杉作は調査を開始。そんな杉作のルポを手伝うことになった冬美は、哀しき事件にまつわる京都の闇と対峙するー。
柳生との孤独な戦いに挑む忍びが駆使する特殊な術とは?(殺人刀)下忍ゆえ舐めさせられた屈辱…愛する女のため抜け忍となった男の運命は?(忍喰い)伊賀の里を焼き尽くした信長への復讐に燃える、美しきくノ一の恐るべき策謀。(月に告げる)ほか、本格推理作家六人が贈る全編書下ろしの作品集。『黒ノ巻』に続く、謎に彩られたスーパー忍者活劇第二弾!
京都府警の元刑事、実相浩二郎による「思い出探偵社」では、わずかな手がかりから依頼人の思い出の人や物を見つけ出す。今回の依頼は、二十八年間、内縁の妻として暮らしていながら、それまでの人生を一切語らないまま認知症状が出てきた女性の過去を探ること。ノートに書き留められた詩を手がかりに、岡山、倉敷、今治、名古屋、大阪と奔走する探偵たちは、徐々に悲しき真実に近づいていく。文庫書き下ろし。
京都市内のビルの非常階段で、有力不動産会社社長、真鍋征矢の妻、文香の遺体が見つかる。文香の手には夫・征矢の金属製のブレスレットが握られていた。妻は夫からの暴力被害を訴え離婚調停中だった。事件後、文香の担当弁護士の和光は、彼女は嘘をついていた、DVはなかったとして、征矢の無実を証明したいと名乗り出る。果たして嘘をついているのは誰か。京都府警の準キャリア刑事、大橋砂生が不可解事件に執念で挑むが…。
「母親の失明の原因を知りたくないか」ある日、雑誌記者の矢島から不穏な誘いを受けた生稲怜花。東大阪で居酒屋「二歩」を営む育ての父・誠一、母の怜子と3人で明るく暮らしていた彼女に戦慄が走る。10年前、高熱で生死の境をさまよった母は、入院先の病院で新薬を処方され、なんとか一命を取り留めたものの、視力を失ってしまったのだ。-お母ちゃんの目が見えへんようになったんは、新薬のせい?原因は副作用なのか、医療ミスなのか。閉ざした過去と向き合い、真相を追う怜花だったが…。
死亡事故を起こした元自動車販売会社の営業マン、不倫相手のために犯罪寸前のOL、過去の恋愛を隠し続ける老人…。京都西陣のシェアハウスに住む“ワケあり”住人たちに救いの手をさしのべるのは、就活中の女子大生・有村志穂。ズケズケと住人たちの心に踏み込む志穂のお節介は、吉と出るか凶と出るかー。
料理研究家の水谷有明は、和食レストランチェーンのメニュー監修を依頼された。その根幹に“糖質制限食”を据えようとするが、社長と意見が対立。有明は進退をかけ、師匠である和食界の重鎮と料理対決をすることに。糖質制限vs.日本の主食。有明は師匠に勝てるのか?ダイエットにも効く、身に染みるミステリー!
京都市にある自傷患者専門クリニック兼自宅が全焼。精神科医・山之内一蔵が焼死体として発見され、妻・和代の行方が分からない。警察は山之内の患者であった連続放火犯に疑いの目を向けるも決め手に欠ける。自殺か、それとも妻が犯人なのかー。様々な推理と憶測が飛び交い捜査が難航する中、下京署の刑事・片岡真子は山之内医師周辺のある事故を手がかりに、思わぬ着想で犯人を追い詰めていくが…人間の“情”に迫る、渾身の長編警察ミステリー。
猛暑が続く京都市内で、女性の絞殺体が発見された。被害者は染織作家・由良美津子、39歳。彼女の首には藍の染料が付いていた。同じ頃、別の殺人事件で指名手配されていた男が北九州市で逮捕される。犯人の佐伯は20年前に婦女暴行を重ね、美津子はその被害者のひとりだった。果たして2つの事件に関連はあるのか。京都府警捜査一課の女性準キャリア刑事・大橋砂生は、美津子の周辺で目撃されていた怪しい男を追跡するが…。
石工会社の社長が、採石場で岩の下敷きになり亡くなった。調査を頼まれたケンジは、現場に残されていた黒い粉に気づく。(「哀しき火山弾」)堅固な二重扉に錠が掛かったままの土蔵から、家宝の掛け軸が盗まれた。犯人はどこから入りどこへ消えたのか!?ケンジが披露した驚くべき推理とは?(「山ねこ裁判」)名探偵・宮澤賢治の活躍を描く話題のシリーズ第二弾が登場!
夏の猛暑日、京都市左京区で女性の絞殺体が発見された。被害者は染織作家・由良美津子、39歳。絞められた美津子の首筋には、藍色の染料が残っていた。時を同じくして、別の殺人事件で逃走していた指名手配犯が北九州市で逮捕されたという一報が入る。犯人の佐伯旭は関西に住んでいた20年前に婦女暴行を重ね、美津子もその被害者のひとりだった。京都府警・捜査一課の準キャリア刑事・大橋砂生が捜査を進めると、美津子の周辺で目撃されていた怪しい男の存在が浮上するー。
警察官が自らの拳銃を奪われ射殺された。犯人は同じ府警の刑事だと断定されるも、逃走。被害者の息子・隆史と容疑者の息子・伸人は親友だったが、悲劇によってその仲は決裂する。成長し、父の敵を討つために刑事になった隆史の前に、再びあの拳銃を使用した事件が。苦難を糧にひたむきに生きる者たちを描いた感動作。
宮澤賢治は、親友の女学校教師・藤原嘉藤治から不思議な話を聞く。教え子の父親が、電信柱が歩くのを見たというのだ。まるで、賢治が書いた童話「月夜のでんしんばしら」のように。さらに教え子自身も川を流れる河童を目撃していた。現場を検分した賢治は、驚くべき推理を繰り広げるのだった。心優しき詩人が、数々の怪事件を鮮やかに解き明かす、新シリーズ始動!文庫書下ろし&オリジナル。
映画監督になる夢破れ、故郷を飛び出した青年・門川は、アパート管理のバイトをしていた。ある日、住人の独居老人・帯屋が亡くなっているのを見つけ、遺品の8ミリフィルムを発見する。映っていたのは重いリヤカーを引きながらも、笑顔をたやさない行商の女性だった。門川は、映像を撮った帯屋に惹かれ彼の人生を辿り、孤独にみえた老人の波瀾の人生を知る。偶然の縁がもたらした温かな奇跡。