著者 : 霞流一
数多くの「死に役」を演じ「ダイプレイヤー」と称された役者・忍神健一。その役者生活四十周年を記念するセレモニーを開催することに。それに乗じて役をもらおうと集まる一癖も二癖もある役者の卵たち。イベント準備中、不可解な事象が続くなか足跡のない雪のバンガローで関係者の変死体が発見される。
古くから娯楽の中心として発展してきた映画は推理小説と相性が抜群で、『第三の男』『オリエント急行殺人事件』『薔薇の名前』『犬神家の一族』『砂の器』など、ミステリー小説が原作の名画は枚挙にいとまがない。そんな映画の世界を題材に描かれた短編を集めたミステリー・アンソロジー。十二人の名手たちによる映像を超える傑作ドラマが開幕!
私は和戸隼。殺し屋だ。今夜も完璧な準備をもってターゲットを仕留めた、はずだった。ところが偶然が偶然を呼び、おそろしく不可解な密室状況となってしまった。やむなくわれわれは、そこへ「操査」のための仕掛けを施すのだが、その後も、ことごとく事件は不可解な状況へと転がっていく…。「真相」を超える「新相」、そして「深層」へいたる多層推理の極み。
戦国時代には数々の合戦の舞台裏で、徳川の治世にはその政の背後で、彼らは密かに戦い続けていたー。伊賀、甲賀、軒猿…時に密命を受け、時に自らの意思で死地へと飛びこんでゆく忍者たち。秘術を尽くした激烈な死闘に息を呑み、仁義なき騙しあいに手に汗握る。本格ミステリーの手練れたちが全編新作書下ろしで贈る、謎に彩られたスーパー忍者活劇全五編!
映画の撮影現場で、試写室で、映画館で続発する不可能犯罪!巨塔の消失。足跡のない殺人。密室殺人。容疑者は監督、スタッフ、俳優、プロデューサー…いずれも映画の「魔」に取り憑かれた者たちばかり。映画探偵・紅門福助の大胆な推理が冴える!映画への愛情と本格ミステリへの情熱がスパークした「映画ミステリ」の傑作短篇8篇を収録。
自転車の車輪がベンチに、バケツがジャングルジムに繋がれている、繋がれている…。ロープやチェーンを用いて、脈絡ない組み合わせで物を繋げる異様な悪戯が都内各所で次々と発生。独立捜査研究室・通称「独捜」で愉快犯を担当する異色刑事、光弓真奈と桐井明久は、その悪戯がデザイン工房で起きた奇妙な密室殺人に繋がっていることを突き止める。軽妙な掛け合いと絶妙な推理で真相に迫れ!ユーモア本格ミステリーの快作!!
目前に横たわる女。それを見下ろす銅像のようなふたり。「さて、この死体をどうする?」「どうせなら本格ミステリ作家の名にふさわしい殺人にするべきでしょ!」切羽詰まった売れない作家と編集者による「禁じ手」に、彩りの探偵を据えての推理合戦、すべては怒涛の結末のために!名探偵メントのために!
その死体は、定規、マイク、さらにフォークとナイフで飾られていたー伝説の演歌歌手月我峰貴雄を讃える記念館スタッフが殺された。現場のマンション六階の外壁に残る足跡。過去の自殺と心中。近隣に出現した、リコーダーをくわえた髑髏と火星地表の人面岩のオブジェ。夜空に消えた金髪女性と走る仏像。そして次なる殺人。ひと癖もふた癖もありそうな関係者周辺で続く怪事件…。追うのは機動捜査隊の最厄コンビ木羽と花倉。特殊装備満載の覆面パトカーで不眠不休の狩りが始まる!本格ミステリの異才が放つ超警察推理!
プロの暗殺者“影ジェント”瀬見塚は豪華客船のオーナーを暗殺するため洋上の船に潜入した。船員はみな薬物で眠らせたはずだったが、なぜか暗殺チームの一人が殺される。しかも船は自動操縦で数時間後に座礁の危機。暗殺任務に加え、どこからともなく飛来したコンドル三兄弟の襲撃をかわし、仲間殺しの犯人を見つけなければならない。敵味方入り乱れて推理が交錯し、本格パズル・ロワイヤルの幕が開く。
『探偵Xからの挑戦状!』とは二〇〇九年四月一日より、NHK総合テレビ『EYES』(水曜深夜)枠で八回にわたって放送された番組。一話完結。放送日の一週間前から登録者の携帯電話に「問題編」のミステリー小説を配信、登録者は犯人を推理して携帯サイトに投票、「解答編」は放送日に番組内で紹介される。本書は同番組のために執筆された小説八作品を文庫化したものである。
映画館、試写室、ロケ先&セットの撮影現場etc.で発生する、奇怪な事件の数々。密室、透明人間、斬首魔、建物消失などVFX級の謎に酩探偵・紅門福助が挑む!単行本特典として書き下ろし三本を収録したスペシャル・エディション。
八畳の部屋を埋め尽くす無数の白い羽と、傍らに置かれた七つの卵。その部屋の真ん中に死体は横たわっていた。しかもその部屋は出入り不可能な密室状態だったのだ。そしてさらに第二、第三の不可思議な殺人が発生。犯人の殺人の動機と方法は?そして、火を吹きながら飛ぶ鶏の謎とは果たして何なのか?奇蹟や超常現象の謎を解明する、「奇蹟鑑定人」魚間岳士と天倉真喜郎が挑む、超不可思議連続殺人事件!気鋭が書き下ろしで贈る、長篇本格ミステリの金字塔。
不可思議な現象が、奇蹟かトリックかを鑑定する、奇蹟鑑定人、魚間岳士のもとへ、瀬戸内海の鹿羽島というところから依頼がきた。島にある山の中で、木から鹿の首が生えていたのだという。早速、フリーの鑑定人、天倉真喜郎をひきつれて、鹿羽島へ向ったのだが…。前作『赤き死の炎馬』に続く、奇蹟鑑定人ファイル第二弾、渾身の書き下ろしで登場。