著者 : 青木淳悟
舞台は1995年、主人公は受験を控えた中学三年生。 読書に夢中の少女はくり返し図書館へと出かける。 三島賞作家・青木淳悟はなぜ『耳をすませば』の翻案をくり返すのか? 「耳すま」のはずなのにどこか様子が変 ついに書かれた青春小説 ジブリアニメ「耳をすませば」に材をとる2つの翻案小説 「憧れの世界」、「私、高校には行かない。」(『文學界』掲載)のほか、 執筆の背景と翻案小説を書く試みで直面する課題を実作に即して検討する 「〈青春懺悔の記〉いかにファンでなかったか?」(書き下ろし)、 「小説家、ジブリを書こうとする --「失敗から始める」翻案への道」(書き下ろし)を収録。 〈青春懺悔の記〉いかにファンでなかったか?(書き下ろしエッセイ) 憧れの世界 私、高校には行かない。 小説家、ジブリを書こうとする --「失敗から始める」翻案への道(書き下ろしエッセイ)
【概要】 世にも精緻な文の祝祭がここに──。 西崎憲プロデュースの短文集シリーズ〈kaze no tanbun〉第三弾。「夕暮れの草の冠」をテーマに、稀代の文章家17人が、小説でも詩でもない「短文」を書き上げました。作品同士が響き合い、さらに余白に配された超短文「エピグラム」によって一篇の物語のようにも読める、かつてない破格のアンソロジーです。 【著者】(五十音順) 青木淳悟/円城塔/大木芙沙子/小山田浩子/柿村将彦/岸本佐知子/木下古栗/斎藤真理子/滝口悠生/飛浩隆/西崎憲/蜂本みさ/早助よう子/日和聡子/藤野可織/松永美穂/皆川博子 【kaze no tanbunとは】 「自分の生涯においてこれを作ったと自慢できる本を作りたい」。日本翻訳大賞の発起人であり、電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」主催で、「BFC ブンゲイファイトクラブ」などを企画する西崎憲の発案からスタートした、全篇新作の〈短文〉アンソロジーシリーズ。「短文」とは「小説でもエッセイでも詩でもない、ただ短い文。しかし広い文」(西崎氏)。シリーズ通してブックデザインは奥定泰之。第一作「特別ではない一日」(2019年)、第二作「移動図書館の子供たち」(2020年)、「夕暮れの草の冠」(2021年)。 【「切手小説」プレゼント企画】 本書の執筆者17人による「切手小説」が印刷された、オリジナル切手シートを各種1名様、合計17名様にプレゼントします。 ・本書挟み込みの応募用紙からハガキ部分を切り取って、住所・氏名・電話番号・メールアドレス・希望する小説の執筆者名・本書/シリーズのご感想を記入し、63円分の切手を貼り送ってください。 ・本景品は、日本郵政の「オリジナル切手サービス」を利用して作成する、84円郵便切手×20枚・シール式の切手シートです。実際に切手としてご利用いただけます。 ・発表は当選者への通知をもって代えさせていただきます。 ・締切は2021年8月31日(火)消印有効 小山田浩子「コンサートホール」 木下古栗「僕の人生の物語」 円城塔「ドルトンの印象法則」 斎藤真理子「編んでる線」 蜂本みさ「ペリカン」 藤野可織「セントラルパークの思い出」 松永美穂「たうぽ」 日和聡子「白いくつ」 青木淳悟「旅行(以前)記」 早助よう子「誤解の祝祭」 大木芙沙子「親を掘る」 西崎憲「病院島の黒犬。その後」 岸本佐知子「メロンパン」 柿村将彦「高なんとか君」 斎藤真理子「エディット・ピアフに会った日」 滝口悠生「薄荷」 飛浩隆「緋愁」 皆川博子「夕の光」
正門から徒歩一分足らず。家の窓からは教室が、教室の窓からは家が見えるーー。先生たちのキャラクター。男子と女子の攻防。隣の学区への小さな旅。PTAと子ども会。行事をめぐる一喜一憂。父との微妙な距離感。連続誘拐殺人事件の影。深まる母の謎ーー。小学生自身の視点で克明に立ち上がる、ノスタルジーも無垢も消失した、驚くべき世界像! 三島賞作家による、スーパーリアルな「小学生小説」。
大学の芸術学部で学ぶ作家志望の「私」と、二歳年下の画家志望の「彼」。書く訓練として「私」が何年も続けた「MH式カード」、二人が住む杉並界隈の風景、印象派の画家たちの群像……。創作をめぐる諸断片とともに織り上げられていく、夢を追う若者たちの名もなき時代……。自らの作家になるまでの日々を批評的に描いた、批評的半自叙伝。 匿名芸術家 四十日と四十夜のメルヘン
配りきれないチラシが層をなす部屋で、自分だけのメルヘンを完成させようとする「わたし」。つけ始めた日記にわずか四日間の現実さえ充分に再現できていないと気付いたので…。新潮新人賞選考委員に「ピンチョンが現れた!」と言わしめた若き異才による、読むほどに豊穣な意味を産みだす驚きの物語。綿密な考証と上質なユーモアで描く人類創世譚「クレーターのほとりで」併録。
「わたし」の部屋には、配りきれなかったチラシが溜まっていく。チラシに書かれた文字が勝手に増殖して…。「『四十日と四十夜のメルヘン』を読みながら私は現実が異なる空間に変容する体験をした」と保坂和志氏が表した新潮新人賞受賞の表題作。そして保坂氏のほか、島田正彦氏や鹿島茂氏の讃辞も集めた第二作「クレーターのほとりで」。