著者 : 青本雪平
バールの正しい使い方バールの正しい使い方
転校を繰り返す小学生の礼恩が、行く先々で出会うクラスメイトは嘘つきばかりだった。なぜ彼らは嘘をつくのか。友達に嫌われてもかまわないと少女がつく嘘。海辺の町で一緒にタイムマシンを作った友達の嘘。五人のクラスメイトが集まってついた嘘。お母さんのことが大好きな少年がつかれた嘘。主人公になりたくない女の子がついた嘘。さらにはどの学校でもバールについての噂が出回っているのはなぜなのか。やがて礼恩は、バールを手にとるー。僕はバールを正しく使えたのだろうかー。小学四年生からの三年間で、少年は現実の残酷さと優しさを知る。
人鳥クインテット人鳥クインテット
ある日起きると、祖父がフンボルトペンギンになっていた。この異常な事態をなぜかすんなり受け入れた柊也は、ペンギンを祖父として世話をすることにする。身寄りはなく、その上引きこもりの柊也。誰にも相談できないまま、一人と一匹の閉じられた世界は平穏に続いて行くかに思われた。しかし、一人の少女との出会いをきっかけに、柊也の日常にさらなる亀裂が入り始めた。
PREV1NEXT