著者 : 青柳友子
中杉節子は同僚の上条美也子のマンションを訪ねた。美也子の恋人・野島類を呼んで本心を訊き出すためのパーティが開かれるのだ。しかし美也子の部屋で節子が見たものは、全裸で倒れている節子のフィアンセ・村上と美也子の姿だった。節子は村上の親友・橋本と事件の真相を探ろうとするが、橋本も絞殺されてしまう。手掛かりを掴もうと野島に近づく節子だが、いつしか野島の性に溺れ…。長篇官能ミステリー。
バツグンの美少女、町田カオリ、16歳。ろくでもない母と祖母、それに気の弱い義父と暮らしているが、心はいつも寂しく孤独だ。しかし、“自分は超能力を持っている”と信じて疑わない。その彼女が、自分の体を奪った義父と、彼女の体を狙う勤め先の社長を超能力で殺した。黒魔術で生き返らそうと必死に努力するが、そこには意外なドンデン返しが…。書き下ろしミステリー。
上山公一郎の惨殺写真を見たとき、修羅場には馴れている女探偵・元織緋佐子でさえ、思わず目をそむけた。これが東大医学部名誉教授・文化勲章受章の威厳に満ちた老紳士なのか。-まるで仁王像のように目を見開き顔を血で赤黒く染めている。しかも千手観音像のように十数本の竹槍で突き刺されていた。さらに上山家では長男の公人も自殺、孫の高校生唯人には家出癖がある。呪われた一家には、どんな秘密が隠されているのか?周到なトリックと衝撃の大どんでん返し。未婚の母でキャリア・ウーマンの緋佐子が大活躍する、著者会心の書下ろし新・探偵小説登場。
藤堂エイスケ、34歳。一流商事会社の課長代理。人間は朝起きて夜寝るものだという思想の持ち主。そして“私”25歳。夜に起きて、朝に寝るという生活。このふたりが恋仲になったのだが…(表題作)。ほかに、紳士然としていた男が、実は女になることにあこがれていたという性倒錯の世界を描く『ゆめのパパ』など、全8篇を収録。
新橋に事務所を持つ弁護士・樋口丸男の許に、彼のかつての同級生・西村陽子の紹介という若松美知子が訪ねてきた。美知子の兄・邦雄は、会社で3億円近い偽造手形を切り、失踪、自殺を遂げた。無実を信じる美知子は樋口に事件の調査を依頼。手形は切ったが、その金を使った形跡がないことがわかる。そんな矢先、美知子が突然依頼をとりさげにきた。不審に思った樋口は調査を続行する。長篇サスペンス・ロマン。
銀座ホステスの理沙は歌手の修と同棲している。ところが修は理沙と別れたがっている。修がやっと売れ始めてきたからだ。理沙が五年も面倒をみてきたというのに。それに修は所属プロの女社長と関係があるらしい。理沙は修と心中することで清算を図るが…(表題作)。ほかにセックスに好奇心をもちながらも、なかなかその領域に踏みこめない若い女性の心理のヒダを描く『トロピカルブルーの伝説』など全八篇を収録。
福浦美絵は、4年前に事故死した元恋人の大谷雅也の墓参に、雪の降りしきる津軽へやってきた。パトロンの我妻英之輔との結婚を間近に控え、その報告をすることで雅也と訣別しようと思っていた。命日、美絵は墓前で雅也の友人だった安藤と会い、雅也は謀殺されたのではないかと聞かされる。疑惑は徐々に拡がり、複雑に絡み合った事件の糸口は、やがて美絵の過去へと遡ってゆくが…。長篇ミステリー。
艶めかしいレズビアンの世界と、現代っ子らしい男女の野心が思わぬ悲劇を呼びこむ表題作。少女の残酷な内面心理を鋭く抉る「美少女」。片や資産家、一方は零落の身の同級生の女性2人が偶然出会ったとき、資産家の女性が支払った思わぬ代償を描く「十四年目の友情」など、現代社会に潜む人間内面の恐怖を綴る心理ミステリー集。
若いギター弾きの男が、年上の不可思議な女性と彼女の家でベッドをともにしたとき、そこには不可解な異様な恐怖が…(表題作)。保険金殺人をめぐる男女の駆け引きを、ユーモラスにして皮肉な結末で綴る『サバイバル・ゲーム』など、全8篇、女性を主人公に描く異色のミステリー集。
私の部屋に無断で入り込んでいるのは誰?マンションの鍵を拾った主を突き止めるために仕組んだ計画が、3人の思惑を木の葉のように弄ぶ。見知らぬ死体、思いがけぬ妊娠-菜織子の精神の歯車は徐々に狂いはじめ、そしてある日-一切の前提が覆される。心理サスペンス
その日、会社社長西条宏助の家には、すでに結婚して家を出ている息子英一と妻馨子、英一の妹聖子が来ていた。兄妹は父に財産の生前贈与を願い出ていた。彼らは遺産が後妻に行くのが我慢できなかったし、緊急にお金がいる事情があったのだ。そして夜、惨劇の幕が上がり、殺戮は為された。女流俊英が描く完全犯罪の謎。
新宿・歌舞伎町にあるポルノの殿堂「ラブ・マシーン」。そのルポを依頼された美人ライター麻沙美は、バニーガールとして潜入する。折しも、取材の帰途、「ラブ・マシーン」の幹部が殺害される現場を目撃する。ひと月前にも幹部が箱根で交通事故死しており、相次ぐ不審死に麻沙美はその謎に迫るが…。
南仏、地中海のフローラル島。岬の突端にある別荘で、宝石が盗まれ、女主人由衣子が殺された。前夜、友人たちを集めて28歳の誕生日を祝った彼女は、宝石デザイナーとして成功し、東京にも店を置こうとしていた矢先だった。招ばれて現場にいたミスティ・ガール紅子が事件を追う。次々と現れる意外な事実。グランプリ受賞の宝石をデザインした謎のデザイナーは…?