著者 : 靖子靖史
空色カンバス 瑞空寺凸凹縁起空色カンバス 瑞空寺凸凹縁起
三十間近な日比野隆道和尚が高校三年生の妹・ゆかりと暮らす寺に、泣きぼくろが印象的な美女が行き倒れ!?着の身着のまま「夫から逃げてきた」という千尋と日比野兄妹の暫定的三人暮らしが始まる。進路問題に悩むゆかり、真意の見えない千尋、思い出せない記憶を辿る隆道。「縁」の力は三人を救えるのか?
空色カンバス空色カンバス
三十路間近な住職・日比野隆道和尚は、父母を失った高校三年生のゆかりにとって唯一の家族であり、歳の離れた“兄ちゃん”だ。兄妹ふたりの暮らす寺にある日、泣きぼくろが印象的な美女がやってくる。「夫から逃げてきた」と訴える彼女を、兄は妹の大反対にあいながらも居候させることにするー。すこぶる爽快、おもわず落涙。コイする青春“禅”ノベル。
ハイライトブルーと少女ハイライトブルーと少女
二十代も終盤にさしかかりつつある会社員ウミノの一日は、通勤途中にある昔ながらのタバコ屋で幕を開ける。ハイライトを一箱買い、店の前で一服。その窓口にあらわれる店番の少女、如月さなえとのやりとりをささやかな楽しみにしていた。ある日、ウミノはタバコ屋の矍鑠たる老店主、如月志乃が亡くなったことを知る。しばらくの間休業していた店が再開すると、そこには他界した祖母がのりうつったかのような威勢のいい口調と仕草で話す、見慣れた少女がいた。ウミノが“シノちゃん”と名付けたその少女は、彼にある頼み事を持ちかけてくる。
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